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時間との戦い
毎日が時間との戦いである。
と言うと、まるで日々慌ただしく時間に追われるカッコいい大人のように聞こえるが、むしろ逆である。齢毎日時間が余って余って仕方がなく、結果として毎日が時間との戦いと化しているのだ。
時間が足りなすぎるのも困ったものだが、有りすぎるのもまた悩みの種である。この「そんなにはいらない」感は、在庫に例えると分かりやすいかもしれない。在庫がなさすぎて商品を必死で作りまくるのが時間不足。在庫がありすぎて商品を必死で売りまくるのが時間過多だ。
贅沢な悩みと思われるかもしれないが、時間過多もまた、時間との戦いであることに違いはない。人とはちょっと戦い方が違っているだけだ。戦に負ければ命を落とすのはこの世の理。私も日々、時間という敵と必死で戦っている。
時間を持て余す系のエピソードとしては、「仕事人間だった中年男性が定年後に時間を持て余し、生きがいすらもなくして一気に老け込む…」というのをよくテレビなどで見聞きするが、私の戦いも感覚的にはアレと似ているかもしれない。
まさか齢三十にして定年後の中年男性の気持ちがわかるようになるとは。想像してもみなかったが、これも戦いの成果といえるだろう。
隠居生活は戸惑いの連続だ。空っぽの時間を埋めるためには、自らのイマジネーションと行動が不可欠。何らかの行動を起こさねば時間がひたひたと足音を立てて近寄り、「毎日なにやってるんだろう…」感に虚しさを憶え、やがて心を食い尽くしてしまうのである。
時間に心を食われないためにも、暗中模索の日々は続いていく。生きがいをなくして一気に老け込むのだけは嫌なので、これからもくだらない文章を書いたり、お笑いを見たり、物語の世界にふけるなどして精力的に時間を潰していきたい所存だ。
最近は少しずつ本を読めるようになってきたので(謎の奇病の改善である)、部屋中のいろんなところに本を配置して、ぱっと手に取って気分転換できるようにしている。特に『架空OL日記(バカリズム著)』はかなり面白く、自分も架空の日記をつけたいなと考えたりする。現実逃避にはもってこいかもしれない。
最後に、この文章は正直『時間との戦い』という半ば詐欺まがいのタイトルが言い回し的に面白く感じて書きたくなっただけで、実際書いてみたらそんなに笑える内容にもならず、お蔵入りさせようとも思ったのだが、せっかく執筆したのだし、公開してみることとする。せっかく時間が余っているのだから、ユーモアの語彙数をもう少し増やしていきたいところだ。
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