全然役に立たない私の日常|#1 「日常系note」
ぽこねんさんが「日常系noteって良いよね!」という記事を書いてらして、あ〜めっちゃわかる〜!私も日常系noteめっちゃ好き〜!と思った。
勝手に「日常系note同好会」してみるよ
ぽこねん(poconen)|note(ノート)
https://note.mu/poconen/n/n81e82990472c
インターネットの面白いところって、見ず知らずのふつうの人たちの日常が覗けるところにあると思う。私はテキストサイトとか絵日記サイトを見るのが好きでインターネットを始めたため、そもそも特に役に立つ情報とかをインターネットに求めておらず(そういうのはお金を払って読みたい)、何かの役に立てようみたいな気概のない書き方の方がかえって魅力的に感じる。「役に立たない」というのは語弊がありそうな言い方なので注釈すると、ハウツー的な役には立たないけど、癒やしや和みを与えてくれたりして、存在自体がめちゃくちゃ役に立つという感じ(このニュアンスがちゃんと伝わってるかめっちゃ不安)。
さて、どなたかの日常系noteを紹介できればいいのだけど、これだけ役に立たないと連呼した手前、勝手に紹介していいものかわからないので、ひとまず自分が全然役に立たない日常の記録を書いてみようと思う。
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いつも通りの朝だった。母が朝ごはんを運んで来てくれて、私はその物音でぼやーっと目を覚ます。朝起きるととりあえず指をストレッチして、手を伸ばして、肩を回して、腕を回して、起き上がって、段々下半身の方へと向かっていく。脚を伸ばして、足の指をにぎにぎして、ヨガの猫のポーズをして、ベッドにおでこを擦り付けて、背中を伸ばす。だいたいこの一通りをやった頃には、まあまあ目が冷めている。数ヶ月前には自分の体に触れることができなかったので(痛覚がバグっていた)、結構成長したなぁと思う。
朝ごはんを食べる前に電気ケトルでお湯を沸かして(これも自分でできるようになった)、カップスープを入れる。床にソフトあんかを置いて、足を乗せて、はんてんを膝から床まで覆うようにしてかけると、簡易こたつのようになり温かい。準備が整うと、テレビのスイッチをつけて、朝ドラ「まんぷく」の録画を見る。朝ドラの正式名称は「朝の連続テレビ小説」だが(多分)、「テレビ小説」ってかっこいい響きだなと思う。しかもそれが連続してるとか凄すぎる。毎朝15分、月曜から土曜まで、国民に愛と希望に満ちた物語をお届けしてるのだから度量が深すぎる。NHKはヤバいことをヤバげもなくやってのけるところがかっこいいと思う。
朝ごはんが終わるとお風呂の時間である。初期は身体が冷蔵庫から出したての肉みたいになっていたため一日二回お風呂に入っていたが、今は一日一回に回数を減らした。シャンプーが大変なので洗髪は二日に一回。頭を洗わない日の夜、猛烈に頭が痒くなるので悩んでいたが、シャンプーできずともお湯で髪をさっと流すようにしたら、痒みがおさまった。髪を濡らさないためのシャワーキャップもやめたので、それも良かったのかもしれない。難点はドライヤーをかけないので毎日ほとんどずっと髪がベチャベチャというところだけど、まあどうせ寝ているだけなのでさほど問題はない(ちょっと寒いけど)。
お風呂では相変わらずオペ室のような光景が繰り広げられている。最近は耳ダンボ症候群(勝手に命名)の症状が強めなので、お風呂の時はあんまり喋らず物音を立てないようにしている(体力を使うからだ)。介助は父から母に代替わりし、私達は無言でオペ(入浴)できるまでに成長した。目で語れば必要なものを手渡してもらえる。この能力はきっと外科医に重宝されるはずだが、今のところ外科医との接点はない。
オペでは様々なアイテムを取り扱う。風呂場用スリッパ(足裏を防御)、風呂場用靴下(足裏を防御)、湯船に敷く用のマット(浴槽から身体を防御)、足を乗せる用のマット(浮力で足を浮かべて湯船から防御)、背もたれ用のエアクッション(背中を防御)、洗い場用マット(全身を防御)、ゴム手袋(手を防御)、洗髪用ブラシ(指を防御)、ブラシを包むタオル(手を防御)、などなど、書いていて思ったが、防御アイテムが多すぎる。攻撃アイテムが一個もないのに防御アイテムばかり豊富で、「こんなRPGの主人公は嫌だ」大喜利の模範回答みたいになっている。ゆくゆくはもうちょっと攻撃アイテムも取り揃えたいものだが、風呂場で攻撃って何をするのだろう。水鉄砲とかなら楽しいかもしれない。
入浴を終えると一日の任務は終わったも同然である。ぴよちゃん(ぬいぐるみ)を愛でながら横になるのが最大の癒やしだ。ああなんてかわいいぴよちゃん。ぴよちゃんには普通にめちゃくちゃ話しかけるので、このまま外に出たら絶対ヤバいヤツである。ヤバいヤツになどなりたくない。このような暮らしをしていると通常の感性のままでは生きていけないためヤバいヤツになっているだけで、本来の私はヤバいヤツではない。さりとてヤバいヤツを否定することはぴよちゃんとの会話を否定することになるので、それも避けたい。だってぴよちゃんは天使だから。やはりヤバいヤツである。
今日のお昼は鰻だった。巨大な鰻がべろんとご飯に乗っているやつ、ではなく、刻んだ鰻とほうれん草がご飯に乗っていた。これはこれで美味である。いつも美味しいご飯を食べさせていただけて感謝している。自分の部屋で一人で食事をしているので(ダイニングまで辿り着けない)、食事の美味しさはかなり重要なのだ。鰻を楽しんだ後は、お湯を沸かして食後のお茶を飲んだ。最近はティーバッグのお茶を取り憑かれたように飲み比べている。お湯に袋を入れるだけでいろんな味の汁が出てきて面白い。お茶というか煮汁に凝っていると言っても良い。今日のお茶は番茶にした。鰻の後にハーブティーなど飲もうものなら鰻の妖精に首を締められそうだし、和食には和風のお茶が合う。
お昼を食べながら関ジャムの録画を観て、あ〜ピアノが弾きたいなぁなどと思う。関ジャムはかなりちゃんとした音楽解説番組で、毎回ゲストが一流ミュージシャンなので勉強になる。今回観たのは、ピアニスト3ジャンル集結特集で、クラシックとジャズとポップスの凄さをそれぞれに褒め合うというものだった。私はクラシック出身なので、ジャズとポップスのピアニストが何をやっているのかイマイチわからないのだけど、解説と実演のおかげで割と理解することができた。感謝。こういう俗っぽい解説のやり方はNHKにはできないだろうし、バラエティ番組というフォーマットに落としてくれることで興味を持つ人が増えればいいなぁと思う。クラシックピアニスト代表の清塚さんが、ショパンの別れの曲を弾いていたので、自分も昔録音したな、と思い出し、ネットにアップした。そろそろ過去の音源が尽き始めている。なんか新たに録音しなきゃなぁと思うけど、ピアノも弾けないし、歌いたい曲もないし、なんかあんまり気が進まない。気が進まない時は無理してやらないことにしたので、まあ時が来るのを待つ。
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という感じで日常について書いてみたら、すっかり夕方になっていた。本当にだいたい同じような毎日を過ごしているので(頭を洗うか洗わないか以外違いがない)、もしも日記というフォーマットで毎日文章を書いたとしたら、デジャヴ感が凄すぎて読者に恐怖を与えかねない。自分の日常に変化がない分、他の人の日常を読むのは面白い。日常系note、増えてくれたらいいなぁ。