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【1日目】ウルグアイ牧場滞在記2019

DAY 1 2019/8/26(月曜日)


約2週間のモンテビデオでの生活を終え、今日は牧場へと旅立つ。

ガブリエルさんが宿まで迎えに来てくれ、バス停までタクシーで向かう。


間違えないようにと、バスに乗込むところまで見送ってくれる。 

今回滞在する牧場や、バスの手配、バスを降りてからの迎えなど何不自由ないように段取りしてくれた。

日本にも年に1~2回来ているとのことで、共通の知り合いも多い。


南米ウールを世界中に輸出している会社のセールスマネージャーだ。


仕事も気配りもできて、笑顔が素敵なナイスガイ。


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(右からガブリエルさん、ロレリーさん、僕、ジェネラルマネージャーのディエゴさん)


モンテビデオから北へ500㎞、牧場のあるサルトへ向かう。


サルトはウルグアイの北部に位置し、ウルグアイ川を挟んで西にアルゼンチン、100㎞北にブラジルの国境がある。

2番目に人口が多い都市とはいえ、
そもそもウルグアイの人口が350万人程度なので、東京の1/3くらいしか人がいない。

日本の真裏に位置し、四季は反対、時間はちょうど12時間ビハインド。


僕の乗った飛行機はオーストラリア・ニュージーランド・チリと3回乗り換え、35時間もかかる。(ちなみに帰りは50時間)

95%がスペイン・イタリア系の白人で、アフリカ系の黒人は5%未満。

原住民は300年前の開拓時に抹殺してしまったので、ウルグアイにインディオは残っていない。

南米というと危険なイメージがあるけれど、モンテビデオ市内は真夜中に歩けるくらい危険が少ない。

街並みも石造りで西洋風の建物が多く、治安を含めてほぼヨーロッパだ。

街全体に危険な雰囲気が漂っているんだろうと予測していたが、
モンテビデオ滞在中にピリピリした空気は1度か2度しか感じていない。それも深夜のバーとか。

空港に着くとだいたいその国の雰囲気がわかるけれど、着いた時ののんびりとした空気に

「あれ、羽田と変わらんな」

という感じ。

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(Google Map)


1日に10本以上出ているモンテビデオ-サルトのバスは、月曜日の昼間でも乗車率40%程度。値段は3500円くらい。

モンテビデオ市内を抜けると永遠と続く大平原に、馬や牛が放牧されている。

景色を見ながら6時間揺られサルトに到着すると、今回お世話になる牧場主の息子、ミゲル・メンデス君が迎えに来てくれている。

ここからさらに東へ100㎞程度車を走らせる。

ミゲルは冬の終わりだというのにTシャツを着ている。
後部座席には犬のライザが座っている。

犬の毛で鼻がむずむずしてくる。
いったいどんな生活が待っているんだろう。


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この旅の目的はウルグアイウールの源流を辿るためだ。

僕は裏方のニットデザイナーとして、工場にいる職人たちと一緒に開発をして
サンプルを作っては世界中のデザイナーに提案してコラボしている。

その中でもカシミヤのように細く、チクチクしないウルグアイのウールが大好きで使っていた。

大好きなウールだけど、情報が少なくて誰に聞いてもよくわからなかった。
だから自分の目で見てみようと思った。 

で、せっかくウルグアイまで行くなら数日滞在して終わりではなく、
がっつり1か月働いて、どんな人がどんな想いで作っているのかを知りたいと思った。


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約1時間後、真っ暗なデコボコ道を進んでいく。唯一の明かりは車のライトのみ。


ミゲルは牧場で唯一英語が話せる、今回の滞在で一番お世話になるであろう好青年だ。

車を運転しながら辞書で単語を調べつつ、いろいろと英語で説明してくれる。今年の3月に結婚したばかりの29歳。


牧場の入り口を抜けてから家が見えるまでは500M近くある。
周りは真っ暗で何も見えず、スカンクが車の前を横切っていく。

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今回受け入れをしてくれるのが、120年以上歴史があるSAN RAMONという牧場。

敷地面積5000ヘクタール。東京ドーム1070個分。

飼育している羊は11000~12000頭、牛は3000~3500頭いるという。

ガウチョ(南米のカウボーイ)は10人くらい働いている。


南米の牧場のイメージが全く沸かなかったため、一応最悪のケースも想定して、馬小屋でワラの上に寝る覚悟も決めていた。

ところが、

案内された部屋は10畳程のベッドルーム。
奥には専用のバスルームまで付いている。

滞在させてもらえるだけでもありがたいのに、こんなに素敵な部屋を提供してもらえるなんて!


しかも、手織りのブランケットも使ってよいという。最高に贅沢だ。


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(ロゴが編みつけられた手織りのウールブランケット。ナチュラルカラーのブラウン。)


荷物を置くと料理人のショセリンが食事を運んできてくれる。

ウルグアイに来てから食べた食事のなかで1番おいしい!

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(羊肉のフライ「ミラネサ」と細長い米。塩味がきいている。)

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(田舎パンGalleta。中が空洞で素朴な味)


ミゲルの父、5代目オーナーのアルバロ・メンデス氏はブラジルに出張中とのことで今週は不在。

ミゲルと2人で夕食を食べ、シャワーを浴びて早めの就寝。


さあ、いよいよ明日から牧場生活がスタートする!





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