音楽の場所を残し、繋いでいく。(新横浜LiTのこと)

4月28日の夜にこれを書いている。全国のライブハウスが新型コロナウイルスの影響を多大に受ける中、昨日の夜、新横浜LiTのクラウドファンディングのことを知った。(記事の最後にリンクを貼っておきます)

思い入れがある場所はたくさんあるけれども、自分の中でホームと呼べる場所が、新横浜LiTだ。少し長くなるけれど、僕とこの場所とのことを書いていこうと思う。

2016年の5月。シンガーソングライターのYUSAKUくんのイベントに呼んでもらって、自分のバンド(ビードローズ)として初めて、新横浜LiTのステージに立った。(このころはBell'sという名前だった)

終演後、社長の小山さんに声をかけてもらった。ものすごい勢いで。(小山さんのことを知る人はすぐにわかってもらえるだろうけど)「染谷くんのギターで一回来てたことあるよね!?ビードローズ、ものすごく良い音楽だった、月イチでワンマンライブやろうよ!(以下省略)」

僕らのように、客席をいっぱいにできないバンドでも、音楽の中身がよければチャンスを与えてくれる。こういう人はなかなかいない。最初はちょっと引き気味だった自分だったのだけれど(小山さんを知っている人はみんなそうじゃないかな 笑)30分以上に及んだ独演の最後に、僕にこんなことを言ってくれた。

「今はもしかしたら亙くんは自分の歌に満足がいっていないかもしれない。でも、自分のありのままの声を受け入れることができれば、これからもっとどんどん良くなっていくよ」

まさにその時に自分が悩んでいたことだった。忘れられない言葉。"理解者"がいた、と思った。

「髪型といい佇まいといい、ジャクソン・ブラウンだよ、ははは、月イチワンマン、考えといて!」

帰りの車の中でメンバーに話してきたことを伝えたのだけれど、最初はみんな月一回のワンマンか、現実離れしてるなぁ、、というかんじだった。けれど、最後は僕の希望で押し切った。それは小山さんからの、あの言葉があったからだ。

そして2017年の一年間、僕らは月に一回、ワンマンライブをやらせてもらった。ほとんどが週末の土曜日や日曜日だった。ライブハウスとしてはお客が呼べる大切な日程だ。動員的に決して満足のいく結果じゃなかったけれど、それでもずっと続けさせてくれた。2018年1月の最終回では6時間を超える50曲ライブというのをやらせてもらった(というか、演奏させられた)。

平常時でもライブハウスは営業を続けていくこと自体が大変だ。そんな中、新横浜LiTはまさに地下に眠っている良い音楽を掘り起こして丁寧に繋いできた場所だと思う。

コロナウイルスが変えていく世界の中で、ライブハウスのあり方や営業の仕方が革命的に変化している。みんなギリギリのところで考え抜いて、生き抜こうとしている。今までの歴史を守っていくことと、新しい形を考えていくこと。大きなうねりの中にいる。けれど、今までライブハウスの天井に染み込んでいった音楽というのは一度壊れてしまったらそれっきりだ。新しい形を探すための時間が欲しいと、小山さんは書いている。

僕にできることは本当に微々たるものだけれど、本当に残って欲しい場所だと思っている。たくさんの人たちから少しの力を分けてもらえれば、それはとてもとても大きな力になる。もしよかったら、クラウドファンディングに協力していただけると嬉しいです。

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https://camp-fire.jp/projects/view/265279

もう一つ。緊急事態宣言の直前、3/28に新横浜LiTで行われた、僕と武田英祐一くんのライブがCD-R盤になって発売されています。制作費の分は今までの売り上げで回収できたので、今後、このCDの売り上げは郵送費を除いて全額、新横浜LiTに送らせてもらおうと思っています。在庫が全部売れても少ない数なので、大きな金額には程遠いのですが、もしよかったら購入していただけると嬉しいです。マルチ録音されたデータで丹念に音を作りました。こういうのも、素晴らしいライブハウスのスタッフがいるからこそできることなんです。居心地の良い場所からは良い演奏が生まれるものなんです。

緊急2マン_jkt

お買い上げはこちらから。https://beadroads.thebase.in

どうか、よろしくお願いします。


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