感染者数が日本を追い越したシンガポールで何が起こっているのか?
日本でシンガポールのことがどれだけ報じられているのかわかりませんが、わたしのことを心配してくださっている方々に向けて書きました。
はじめに書きますが、感染者数は急増していますが、わたしの身の回りでは特にリスクは高くなっていません。そう考える理由は以下をご覧ください。
COVID-19(新型コロナウイルス)の感染者数が日本を追い越したシンガポールは日本よりもヤバいのか?
*結論:今のところ状況はあまり大きく変わらないように見えます。シンガポールではCircuit Breakerの発動と規制のさらなる強化を実施中で、おそらく事態は収束へと向かうと思われます。日本では、緊急事態宣言と措置によってどれだけ感染者数の増加を抑えられるかが勝負だと思います。とっとと緊急事態宣言を延長すればいいのに。。
感染者数の急増は検査数が増えたから
以下は、2020年04月27日時点での数字です。(worldometerより抜粋)
①が累積感染者数です。確かに感染者数は日本を越え、さらに引き離しにかかっているという状況です。この時点で「シンガポールの方がヤバい」と思う方も少なくないと思いますが、もう少し詳しく見ていきます。
②が人口100万人あたりの感染者数で、約23倍シンガポールの方が多いです。これも「シンガポールの方がヤバい」を裏付けるようなデータです。もう少し続けます。
③が人口100万人あたりの検査数で、約18倍シンガポールの方が多いです。感染する確率が同じだと仮定すると、検査数が増えるほど感染者数が増えていくので、このデータは「シンガポールの方がヤバい」ということは表していません。逆に、日本でシンガポールと同じように検査をすると、単純計算ではありますが、感染者数は24万人になってしまう可能性があります。
なお、検査数は(あたりまえですが)意図的に増やしています。くわしくはMOHの『SCALING UP OF COVID-19 TESTING』をご参照ください。
どこで感染者が増えているのか?
以下は、シンガポール政府が発表しているCOVID-19 Situation Reportからの抜粋です。
赤枠の部分が感染者数急増の原因です。"Dorm Residents"とは、外国人労働者のための寄宿舎に住んでいる人たちを指します。2020年04月26日時点で11,419人で、全体(13,624人)の約84%を占めています。その中でもS11 Dormitoryでは2,275人の感染者が出ています。
ドミトリーってどんなところ?
なぜドミトリーで感染者が大量に出るのかというとその環境に原因があると考えられます。イメージが沸かないと思いますので、いくつかイメージするために役立ちそうなリンクを貼っておきます。直接見たわけでもないですし、入ったこともないので想像ですが、常に「3密」の状態が続いているような場所だと思われます。爆発的に感染者が増加しているのはそのせいだと考えます。
実質的にヤバいの?ヤバくないの?
ヤバいと判断しているのでCircuit Breakerが発動され、そして期間が延長されているのだと考えます。とはいえ、COVID-19 Situation Reportのグラフを観ると、Circuit Breaker発動後の感染者数の推移は減少傾向にあるように見えます。しかし、この減少の程度が想定よりも小さいということでCircuit Breakerは6月1日まで延長されました。このままCommunityの部分が1桁まで下がると、Circuit Breakerが緩和されるのではないかと見られています。
おわりに
上のグラフに検査数を加わえたい。
それでは、今日はこの辺で。