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RME Fireface UCXⅡをADAT拡張してみた

こんにちは〜
皆さん入出力数足りてますか?お察しの通り僕は全然足りてません!この件については1年半くらい悩んできました。その間も機材は増える…
こういうのは踏ん切りというかタイミングなのかなとも感じる部分がありつつ。ご縁みたいなものもあったので、備忘録兼ねて記していきます。


そもそもオーディオインターフェースのADAT拡張とは?

僕の使ってるRME FirefaceUCXⅡなんですが、スペックはこちら。

「20入力 / 20出力」って書いてありますね。
このうち2出力はヘッドホンのステレオアウトに割かれてるのですが、よく分かってなかった僕はこう思いました。
「端子の数全然足りてへんやんけ」と。
このクラスの製品はもう前提知識がある層向けなんでしょうかね…とはいえ下記にリンク貼りますが、シンタックスジャパンも丁寧な解説ページ用意してくれてるので、基礎知識かそれを補うサーチ力か、いずれかを要求されるのでしょう。
入出力増やしたいだけなんだけど立ちはだかる壁が高い。

ADAT規格について知る

RMEの日本代理店シンタックスジャパンから拝借。

こちらのブログもわかりやすい。

まあざっくりいうとサンプリングレート&ビットレートと入出力数がトレードオフですよと。ここに関してはいろんな意見があるでしょうが、個人的には48kHz / 24Bit = 8in / 8outが電子音楽のいちトラックメイカーとしては落とし所としてはいい塩梅なのではと。昨今USB Audio機能のついたシンセとか増えてきましたが、その辺のスペックと比較しても48/24で十分だなと思う次第です。これ以上上見るとMADIとかDANTEとか、そういう世界になりそうなんでこの辺が引き際でもあるかなあと。シンセ増やさないブレーキにもなるしね。

ADAT拡張、ほんとに必要??

改めて思うわけです。「そこまでしてADAT拡張する必要ある?」と。
これに関してはいろいろ代替の手法も考えられるので、それを検討した経緯をば。

①ラインセレクターを使う

ラインセレクター?呼び方あってるんでしょうか。とりあえずしっくりくるのでこの呼び方してます。FiveGの展示機でセレクトできるやつ、っていったら一番わかりやすいんじゃないでしょうか。
友人からの勧めでこんなのを教えてもらいました。

これ、パッシブで音質劣化も感じないしすごい良いよーとは言われたんですが、セレクターってことは同時に鳴らせないじゃん!ってとこがやはり一番引っかかっています。

②デジタルミキサーを使う

デジミキって主語がでかいな…と思いつつ。ライブユースを考えると1010music bluebox、Teenage Engineering TX-6なんかがパッと思い浮かびますね。

スペック面では悪くない、という認識です。
が、ぶっちゃけた話、6.3mm→3.5mmへの変換ケーブルの選択肢が少なすぎてその時点でちょっと息切れがしてしまう…あと周りに使ってる人全然いないんですが、1010はバグ?の噂もちらほらと聞く印象が。
いずれのメーカーもミニジャックのケーブルを出してますが、なんか囲い込まれてる感があって正直ちょっと一歩引き気味になってしまう。

③I/O機能付ミキサーを使う

これは一度通った道なので端折りますが。
Soundcraft SignatureMTK12使ってたんですが、設計ミスで位相反転しまくっててムカついて売りました。詳細は下記リンクを参照。

この辺は自分のサーチ力不足というかなんというか。まああくまでサブ機能って印象が強いです。とはいえYoutube見る限りでは結構海外では市民権得てる印象があり。あとI/O付のミキサーってA&Hのやつとか2mixしか録れないやつは多いんですが、だったら次項のライン録りでADDA拘った方がいいじゃんって思います。
余談ですがRolandのMX-1もここに入るのかな。あれは好きな人めっちゃ好きなイメージなんですが、個人的にはAIRA LINKとかスペック面で囲い込み過ぎて拡張性に乏しいのが非常に惜しい。

④ミキサーのバスアウトからライン録りする

他の手法としては、ミキサーのバスアウトから1trackずつ(LRで2ch使うかもだけど)録るって方法もあると思います。SNS見てるとなんだかんだこの手法使ってる人が多いんじゃないのかな?
この場合はマスターバスとバスアウトへのセンドが独立してる方が使いやすいんじゃないかなーと思ったり。自分この方法でもいいっちゃいいんですが、やっぱ手で動かしてるのを録りたいなって気持ちが強くてADATで長尺でパラ録りできるってのは自分にとって現状一つの答えになり得るなと判断したわけです。

どんな機材を使えばいいのか比較検討してみた。

なんだかんだ他の手法を探りつつも、ADAT拡張するしかなさそうでいろいろ機材を物色してました。検討した機材は以下の通り。
実際使ってないので、あくまでスペックや評判聞いての所感ではあります。

Solid State Logic Pure Drive Octo

高い!以上です。

SSL製品は、
・SiX(ほぼ使用率100%)
・SSL2+(UCX2と入れ替えで売った)
・Native Channel Strip 2(だいたいミックスで使う)
・Native X-Saturator(たまに使う)
・Native Bus Compressor(たまに使う)
と実は地味に実機、プラグインともに愛用してるメーカーです。
あんま言語化できないですが、一番よく使うチャンストなんかは変な音痩せとかせずに、いい具合に持ってけることが多くて、これは実機のSiXでも同じ感覚でこのメーカーは肌に合うんだろうなあと感じています。
正直ブラウンとかブラックとか、なんかそこらへんまで入り込まずに使ってるので結構ライトな使い方してます。ルーティングくらいは狙って使い分けれるようになりたいですけどね。

これと同列で比較せざるを得ないのがBiGSiX。

Solid State Logic BiGSiX ※

今回はADAT拡張についての比較検討なので邪道っちゃ邪道なんですが、Macは機器セットでオーディオインターフェースを増やせるので当然これも視野に入れました。

BiGSiX、余力あれば欲しいんですがブレーキを踏む理由がいくつか。
・AD/DAの品質が「それなり」
 これは誤解を生みそうなんですが、愛用してる人もいるのであくまで個人的な主義思想の範囲ということで。どっちかというとUCXⅡのワードクロック活かしたいよねって気持ちと、録り音のEQ処理はプラグインでいいかなという感じで、全てSSLでやる必要はないかなーと。あとはMidas使いたいって気持ちも強いので、
なんか少しずつ集めてきた機材でようやく組みたいシステムを全て踏み躙るようなBiGSiXのスペックが正直憎ったらしいのです。道に落ちてたら欲しいけど。

話逸れましたが、だったらPure Driveの方がワードクロック受けれるし、ADATついてるしいいよねとなったわけです。ただやっぱりAD/DAはPureDrive側に依存するわけで、そこに関する評判を聞かないのが若干気になるところではあるかな…

ということで次。

Audient ASP800

これはグダグダ悩んでるうちにディスコンになりました。見極めと判断力が足りてないなと。個人的には周りでAudient使ってる人もいなくて、定評のあるメーカーではあるんですが距離感測りかねる感じがあります。
とはいえ結構スペック面では刺さる部分が多くて、ちょっと期を逃した感が否めないです。次。

RME OctaMic XTC

高い!けど一応スペックを比較。やっぱRMEで揃えたいという気持ちは強いなあと。
現行品の12MicはXLRなので、phoneが使えるコンボジャックのこちらのほうがいいかな…と思いつつ、やはりディスコンなのでそもそも弾数がない。あっても35万前後で、結局PureDriveと同価格帯という。ちなみにこっちが12Micのスペック。

まあMADIも使わないし、あくまでマイクプリってことで入力特化だしちょっとオーバースペックだなということが確認できたということで次。

Focusrite Octopre Dynamic

これ検討してる人でコスパ重視の人は避けては通れないんじゃないかな…?
コンプのついてないモデルもありますね。こっちはもう少し手がだしやすい価格。
コンプがいるのかってのは正直個人次第なのかなー
ウワモノでresonance上げたときにどうしてもピーク上がりやすいので、その時は
欲しいなと思う反面、TotalMixの内部でもあるし、そもそもSiXでモノchとマスターの2段階でコンプかけれるので手持ちの環境的には慣れたそちらを使いたいかなという感覚。まあ正解はあってないようなもんですが。
Focusrite製品使ったことなくて、そういった意味でちょっと消去法的な選択肢です。ただスペック的には求めるもの全て満たしてるので、やはりこれを選択肢から外すことはできませんでした。

Arturia AudioFuse X8 IN

そんなこんなでFocusriteに腹を決めつつあったタイミングで突如現れたのがこれ。入力レベルについては諸説ありますが、まあシンセ向けの製品でラインレベルしか考えてないのでこれで十分でしょう。
地味に奇数+偶数chをステレオリンクできるのがアド高いなと思ってます。ステレオ出力のシンセ多いのでここは明確にFocusriteに対して優ってるかなと。
ArturiaはV Collection、FX Collestion、KeyStepとなんだかんだお世話になってるメーカーではあるんですが、I/Oの品質についてはマジで使ってる人いるの!?ってくらい話聞かないんで品質が未知数なんですよね。
ただ見た目は結構スタイリッシュで好きなんで、2in2outの白を実はお出かけ用に買おうかなと思ってた時期もありました。まあ外でどうのこうの(共作みたいなやつ)ってよっぽどないので、実はただ買う口実が欲しいだけなのかもしれません。
音録るならその人の家の環境使わせて貰えばいいしね〜
スペック面で気になるのは、INモデルとOUTモデルで分かれていること。
出力だとAnalogHeatは多分Overbridgeで使うし、多分空間系ペダルを挿すくらいしか今のところは使わないと思うんでINモデルでいいかなーとは思うんですが、同じ出費で可能性が狭まってしまうなとも感じてその辺はやはり気になってしまうところ。選択肢は多いに越したことはないかなと。
まあ見た目もスタイリッシュで割と好きな感じなので、まあこれでいいかなと思っていました。

そこで現れたのが、こいつ。

RME FirefaceUC

まさかのRME2台使い。
UCXの方がチップレベルで色々いいらしいですが、もう上を見たらキリがないでしょう。なんせメルカリでお値段4万(!)切ってましたからね。迷うべくもなく即決ですわ。
ということでいよいよ次は接続、動作確認へ。

いよいよADAT接続設定

さて、着弾したので気分転換に早速設定を。

まずUC側で入出力とかクロックソース、サンプリングレートの設定なんかをUCXⅡ側と合わせる。どれも基本でマストだと思いますが、特にサンプリングレート合わせるの忘れると録り音にプチノイズが乗るらしいのでちゃんと確認が必要ですね。

ちなみに接続に使ったケーブルはこれ。

BNCケーブル:OYAIDE AS-808B V2 0.6m

https://www.soundhouse.co.jp/products

オプティカルケーブル:Audio Technica AT-OPX1 0.5m

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/180464/

どっちも正直これは情報少なすぎて何が良いか分かりません!とりあえず長いよりは極力短い方がよくて、必要最低限の長さがいいのかなと。UCXⅡがハーフラックとはいえギリギリの長さを選んでしまった。オヤイデのBNC(=同軸でいいのかな?)ケーブルはロック機構がついてるのは安心感があっていいんだけど、ケーブル自体がかなりしなりが無くて取り回しとしては正直微妙かな…

いざ設定。

実は設定も難儀しました。
まず認識しない!これは前オーナーがWinユーザーだったためだったようです。早速初見殺しのトラップ仕込まれてるな〜

そもそもマニュアルつけてくれよ…とは思うけどもうなんとなくでやるしかない。
いちおうMacモードに切り替え完了、その後ドライバ、ファームウエアもアプデしてやることはやった感じ。

ファームウエアv135って凄すぎる。

これは使ってみないとわかんなかったけど、あくまで出力をどうまとめるかはマスター側のI/Oによるものなんですね。RMEだとその辺が切り離されて考えられるので結果理解が早かった気がする。
例えば+48Vの設定だとか、RMEだと入力をADAT出力に回すとかはスレーブ側でルーティングしてあげなきゃいけなかった点。まあこの辺は手探りでもなんとかなるレベルだったので、特に問題なし。

UC側のTotalMix設定。
シンプルに1/2ch入力をADAT OUT 1/2にルーティング

てことで設定完了!とりあえずシンプルにペアになってるchをステレオ化して、ステレオ8chのライン入力に設定してある感じ。
ホストのコンボジャックはマイクもシンセも使いたいのでフリーにしておくのが良さそう。

UCXⅡ側のTotalMix。
そもそもTotalMixに接続個体切り替えができるのも知らなかった。

とりあえず設定できたので、余裕できたらまた色々比較検討していきたいと思います。まず気になるのはUC/UCX2との録り音比較、あとはワードクロックの差ですかねえ。

まとめ

ということで環境構築が一歩進んだよという話でした。また色々試したいと思います。おしまい!

追記

非常にどうでもいい話なんですが、御影石のプレートとインシュレーター敷いてます。効果あるかは謎。もはや祈り...?

うさぎがひんやりしてるイラストがかわいい。僕は常に環境周りのトラブルで冷や汗かいてる気がしますが…

てゆかオーテクのインシュレーター2000円台だった気がするんだけどなんでこんなになったんだろう、、、10円玉でいいんじゃないですかね。

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