ケヴィン・マスカット監督退任「どこに行こうと、マリノスは私にとって本当に特別なクラブです」【コメント全文】
ケヴィン・マスカット監督が今季限りで退任
12月7日に今季限りでの退任が発表された横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督が、同8日の練習後に報道陣の取材に応じた。
すでに来季に向けた準備も進めていた中で、退任を決断したのは「1週間前」だという。そして、シーズン中に他クラブからオファーがあったことも、そのうちの1つを受諾するか迷ったことも明らかにした。
2年半にわたった指揮を執ったクラブを去ることは「難しい決断」だったが、マスカット監督は「私は握手と笑顔とともに就任しましたから、去る時も同じようでありたい」と円満に退団することを望んでいる。約40分間の取材中も1つひとつの質問に真正面から向き合い、記者の顔をまっすぐ見て話すなど、いつもの如く彼の誠実さがよく表れていた。
アンジェ・ポステコグルー前監督からバトンを受け継ぎ、マリノスの監督に就任したのは2021年7月のこと。その年はチームをJ1準優勝に導き、翌年にリーグ優勝、そして今年は2位と目覚ましい成績を残した。マスカット監督の功績と貢献は、マリノスの歴史に刻まれ、末長く光り輝くだろう。
なお、今回は退任にあたってのコメントを全文掲載する。英語で話したマスカット監督の言葉をできるだけ忠実に日本語訳しつつ、松崎裕通訳が補足したニュアンスも付け加えながら一問一答形式でまとめた。そのため他のメディアで発信されているものと若干の差異があることをご了承いただきたい。
最後の2問はやや失礼な聞き方になってしまったと感じているが、自分の質問のため自戒も込めてそのまま残しておく。また、本来はコラムのような形で背景事情やこれまでの歩みなどをわかりやすく整理すべきところで速報的な発信となり、説明不足な全文掲載となることをご容赦いただきたい。
マスカット監督がマリノスを指揮する最後の試合は、12月13日に行われるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ最終節の山東泰山戦となる。
監督退任にあたって
これは昨日選手たちにも話したことですが、私は常に彼らの強みを引き出そうとし、彼らの武器に焦点を当てて仕事をしています。でも、私自身こういう場があまり得意ではありません。なので、短く伝えました。皆さんも昨日のニュースを読んでご存知だと思いますが、数週間にわたってクラブとも話し合い、私と私の家族にとっても非常に難しく感傷的にならざるを得ない決断を下しました。水曜日(12月13日)のACL山東泰山戦が私にとって横浜での最後の試合になります。
2年半前、私はこの特別なクラブを率いるという光栄な機会をいただきました。そして、マリノスファミリーという特別な家族の一員となることができました。この2年半の間にマリノスファミリーに起こったこと、関わった人々、一緒に達成した全てのことに心から感謝したいと思います。今の自分がいるのは特別なクラブとマリノスファミリーのおかげです。疑いようなく特別なマリノスのスタイルでたくさんのことを成し遂げられたのも、素晴らしい思い出です。
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