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マリノスはACLエリートでホーム3連勝なるか。浦項スティーラーズ戦へ…西村拓真「責任を果たすことにこだわって全てを出し切りたい」【無料記事】

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横浜F・マリノスはACLエリートで浦項スティーラーズと対戦

 横浜F・マリノスは11月27日、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第5節で韓国の浦項スティーラーズと対戦する。

 試合を翌日に控えた11月26日には公式記者会見が行われ、マリノスからはジョン・ハッチンソン監督と西村拓真が出席。選手を代表してマイクを握った西村は「しっかりいい準備ができていますし、目の前の試合に対してやることは変わらない。いつも通り自分たちらしく、責任感を持ってしっかり戦いたいと思います」と引き締まった表情で意気込みを語った。

(撮影:舩木渉)

 マリノスはこれまで過酷なスケジュールをこなしてきたが、11月は国際Aマッチウィークや天皇杯決勝などがあったため試合感覚が変則的に。J1リーグ第29節延期分のジュビロ磐田戦を11月16日に戦ってから、中10日で浦項スティーラーズ戦に臨む。

 じっくりとトレーニングを積める貴重な期間、どんなことに取り組んできたのか。「しっかりと競争力を上げる」ことをテーマの1つに挙げたハッチンソン監督は、ジュビロ戦以降の練習で選手たちが見せた姿勢や改善に手応えを感じているようだった。

「ファイナルサードへの抜け出しもより強調しながら、修正が必要だった相手にボールを奪われた後の切り替えの強化も大事にしていましたし、改善が見られています」

 そのうえで「しっかりと支配をして、自分たちのサッカーをしていくだけ」と韓国の強豪・浦項スティーラーズ相手にもボールを握って攻め続けていく考えを示した。

(撮影:舩木渉)

「明日の試合はとにかく勝ちにこだわる、それだけです。相手がこうだからこういうサッカーをしようというのではなく、相手がどうであろうと自分たちのサッカーをやっていく姿勢を見せつけ、支配していきたいと思っています」

「ピッチ上で責任を果たすことが一番大事」

 西村もハッチンソン監督と同じ考えだ。今回の浦項スティーラーズ戦、そして次週のセントラルコースト・マリナーズ戦に連勝すればマリノスの決勝トーナメント進出はほぼ確実となる。また、今大会はリーグステージのホームゲームでしっかりと勝ち点3を積み重ね続けられれば高確率で決勝トーナメントに進めるレギュレーションでもある。

 しかし、勝ちにこだわる背番号9は「この試合に勝ったからとか、そういうことは考えていない」と述べ、リーグステージ突破の条件などは一切気にしていないようだった。そのうえで次のように続ける。

「JリーグであろうとACLであろうと、目の前の試合に対して全力でやるのは変わらない。その先にリーグステージを突破できるという結果がついてくると思いますし、まずは目の前の試合に対してどれだけ(集中)できるかが大事だと思っています」

 浦項スティーラーズ戦もただただ勝利のために邁進し、これまでの積み重ねの成果を勝ち点3に結びつけるのみ。11月の公式戦3連勝でいい流れはできつつあり、その中で実感する攻撃面の改善をゴールにつなげたいところだ。

(撮影:舩木渉)

「自分や攻撃陣の選手がしっかりペナルティエリア内にいられることが本当に増えているし、そこはチームとして修正してきた部分なので、そこにまずいるということがシュート数や結果につながっていると思います。そこに至るまでの過程にいろいろな選手が関わりながらチャンスを作り出すという共通意識もすごく良くなってきているし、そういうところがよくなってきた分、得点に絡むシーンや得点数も増えてきて、うまくできているのかなと思います」

 西村は11月のリーグ戦で2試合連続ゴール中。トップ下として献身的に振る舞いながら、最終局面でしっかりと結果を残している。浦項スティーラーズ戦に向けて「明日もしっかり自分たちらしく、ホームなので果敢にやっていきたいです」と述べた背番号9は、さらなるゴール量産へ闘志を燃やしていた。

「ピッチ上で責任を果たすことが一番大事だと思うので、そこにこだわって全てを出し切りたいと思います」

 過密日程を抜け出したことで、マリノスはかつてのような「目の前の試合で勝つことに集中する」サイクルを取り戻しつつある。ハッチンソン監督も「結果を残しても、全くもって満足することのないチームです。まだまだ成長できる伸びしろがあるし、日々確実に成長していると思っています」と選手たちの前向きな姿勢に目を見張る。

(撮影:舩木渉)

「残りの試合を楽しまなければ意味がない。最高の仲間、若い選手たちが日々努力し、お互いの力をぶつけ合って戦っている姿を最後の最後まで見ていきたいです」

 今回のホームゲームで勝ち点3を手にすることができれば、マリノスはリーグステージ突破に大きく前進する。ファン・サポーターの大声援からも後押しを受け、何としても勝利したいところだ。11月27日の浦項スティーラーズ戦は、横浜国際総合競技場で19時キックオフ予定。試合の模様はDAZNで独占ライブ配信されるが、ぜひスタジアムに足を運んでトリコロールの戦士たちにエールを送ってもらいたい。

元J戦士のペク・ソンドンが8年ぶりに日本のピッチへ

 浦項スティーラーズにはJリーグでも活躍した韓国人選手が在籍している。

 ペク・ソンドンは2012年に韓国の延世大学からジュビロ磐田に加入し、プロキャリアをスタートさせた。その後、2015年にサガン鳥栖へ移籍し、2016年夏から半年間はV・ファーレン長崎でもプレーした。Jリーグでの通算成績は5年間で112試合出場7得点だった。

(撮影:舩木渉)

 世代屈指の才能と注目されていたペク・ソンドンは、ジュビロ時代の2012年にはU-23韓国代表の一員としてロンドン五輪で銅メダルを獲得している。2013年8月には韓国代表に初招集され、ペルー代表との国際親善試合でA代表デビューも果たした。

 2017年からは韓国に復帰する。しかし長らくKリーグ2(2部)が主戦場となり、6年間で水原FC、慶南FC、FC安養と3つのクラブを渡り歩いた。それでも地道に実績を積み重ね、32歳になる2023シーズンに浦項スティーラーズへ完全移籍。キャリアで初めてとなるKリーグ1の舞台に辿り着いた。

 浦項スティーラーズでは背番号10を託され、今季は自身初となるアジアの舞台も経験している。円熟味を増す技巧派のベテランは11月26日に行われた記者会見に出席し、マリノス戦に向けた意気込みとともに日本への思いも語った。

(撮影:舩木渉)

「ずいぶん前に日本でプレーしたことがあるので、Jリーグのクラブと対戦することができてワクワクしています。マリノスは組織的なプレーができる非常に優れたチームですが、自分たちもしっかりとトレーニングを積んできたので、明日はいい試合になると思います」

「日本でプレーするのは久しぶりです。8年も離れていたので、日本のファンの皆さんは自分のことをよく知らない、覚えていないのではないかと思います。昔のことよりも、明日の日本での試合に集中したいです。自分のスキルや能力をしっかりと見せて勝ちたいと思っています」

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