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新しき世代_02 千葉純胤の時空移動

千葉純胤がいつもの通り千葉館の奥部屋にバッと入るも、見慣れない面々がいた。

「ありゃ。ここにいる方々も変わりましたね。成胤以外は初見ですね」

千葉館の面々も成胤以外は意表をつかれたのか平静を保っているのは成胤だけだった。純胤は続ける。

「まあ予測は着きます。こちら成胤を含め常胤の孫に当たる六党の皆様ですかね。流石にだれがだれかはわかりませんが」

成胤は間違えないと答えた。

「成胤が僕を呼んだということですね。するともう常胤と胤正は、、」

「常胤のお祖父様は去年亡くなった。父である胤正はまだ存命だが病で伏せておる」

純胤はなるほどねと相槌をうつも、大須賀通信はこの黒い衣の男は一体誰だと声を荒げた。純胤は学生服という衣装と説明するも、一度成胤が制し話し始めた。

「ちゃんと説明せねばだな。このものは『千葉純胤』と言って未来から来た我らの子孫だ。この世には数度来ている。私が会ったのは2度目だが」

「これが先ほど申した千葉一族繁栄の『秘中の秘』だ。二十年前に来ていた未来人は純胤の従弟である篤胤という男だったがな」

「この現象がどうして起こるかは分からん。常胤お祖父様が妙見様に願う事で成立していた。常胤お祖父様亡きあと私なら出来るかもと思い願ってみたら出来た」

成胤が話している間、相馬義胤・大須賀通信・国分時通・東重胤は黙って聞き続けていたが、武石胤重が純胤に問うた。

「武石胤重と申します。事情は分かりました。父からはいつか伝える機密があると聞いていましたが今目の前にしている事のことですね」

「未来から来ているという事は推察するに『これから興る事を告げてくれる』ということですか」

純胤はご名答と返した。

「成胤が純胤を呼ぼうとしたという事は、未来よりお告げが必要と判断したからですか」

成胤はひと呼吸おいて、そうだと答えた。武石胤重は続ける。

「必要と考えたのは『どちら』のことですか」

純胤があれっとおもったので、どちらとはと武石胤重に聞いた。

「ひとつは常胤お祖父様をはじめとする治承・寿永の乱からの宿老の皆様が次々とお亡くなりなり、鎌倉は比企・北条・三浦による権力争いへ暗雲が立ち込めています」

「もうひとつは成胤の弟で、いまや上総を束ねる千葉常秀のこと。まだ胤正の叔父上が存命なので、なにも成胤と常秀にあつれきがありませんが、叔父上がお亡くなりになってしまったらと思うと心騒ぎますよ」



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