エンジニアだから博士進学もできる
日本で博士号を取ると給料が減る
早速ですが、日本で博士号を取得するのは非常にリスクが高いです。
もしストレートで博士号を取得すると、30歳手前・癖強め・社会経験ゼロの出来上がりです。
当然、純粋な新入社員を一から教育(洗脳)することを前提とした伝統的な日系企業には受け入れられません。
結果として、修士号を持って社会に出るよりも、博士号持って社会に出た方が平均的には給与額が減ってしまいます。
おまけに、博士号取得は簡単ではありません。一般的要件は、修士課程のそれとは比較にならないほど難しいです。
つまり、日本の博士進学者の現状は、高い学費を払って貧乏生活と過酷な研究生活を送った結果、安月給で働くのです。
当然、近年の博士進学者数は右肩下がりです。
出典:https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2020/RM295_32.html
なぜ博士進学するのか?
では、私を含めてなぜ博士進学をする人がいるのでしょうか?
それは研究が好きだからです。
多くの博士進学者は、それとなく日本の現状を理解しています。それでも博士を取りたいと思うのは、それだけ学問や研究が好きだからです。
それほど、自分の好きを極めたい人なのです。
博士学生の貧乏生活
好きだけで飯を食っていけないのが、資本主義社会の辛いところです。
多くのご家庭では、20代後半の博士学生に仕送りを続けることは難しいでしょう。貸与型・給付型を含めて奨学金制度もありますが、選ばれるのはほんの一握りで、しかもギリギリの金額しかもらえません。
私のように海外に進学する場合は、私立財団から奨学金を獲得する必要がありますが、それはさらに難しいです。
博士課程に進学するのは、国内でも限られた人たちで、一般的なかなり頭の良い人たちです。しかし、その実情はアルバイトをしながら、貧乏生活をしつつ研究生活をしている人がほとんどです。
エンジニアとして稼ぎつつ、博士進学
私の場合は、海外進学に際して奨学金は獲得できなかったので、生活費は自分で稼いでいます。
個人事業主(フリーランス)のプログラマーとして、日本の企業でリモートで仕事をさせてもらっています。エンジニアとして働けているので、時給単価もそこそこ良く、少ない労働時間でも十分な収入を得ることができます。
これは私が(社会的に需要がある)理系分野を専攻していて、学部の頃からエンジニアとして働いていた経験があるからこそできることです。文系博士学生の生活は、非常に苦しいことが想像できます。
私は自分の興味と社会のニーズがある程度一致しており、非常に恵まれていると思っています。
本当にエンジニアでよかったなぁと思います。