PMP取得までの道のりと勉強方法
PMPという資格をご存知でしょうか?PMPとは「Project Management Professional」の略で、米国PMI(Project Management Institute)が認定する国際資格です。プロジェクトマネジメントに関する体系的な知識の理解度を証明するもので、2023年時点で全世界で160万人ほどの保有者(うち日本は4.4万人)がいるようです。日本ではそこまで知名度が高くないと思いますが、海外ではプロジェクトを受注する際の一要件になる場合もあるようで、プロジェクトベースに仕事を行うコンサルティングやIT業界では特に重宝される資格です。
ちなみに、プロジェクトマネジメントに関する他の資格として、日本では「プロジェクトマネージャ試験(PM)」が国家資格として有名です。PMPとは受験資格や出題範囲、維持費などに違いがあるため、どちらを選択するかは受験者の置かれた状況次第ですが、将来的な海外移住を目指している私は、国際的に知名度の高いPMPを選択しました。PMPとPMの違いについては以下のサイトに分かりやすくまとめられているので参考にしてください。
この度、私は無事PMP試験に合格することができました。ただ、試験対策を行うにあたり、認定申請や勉強方法などの情報収集に少し苦労しました。そこで、次に受験される方がスムーズに試験に臨むことができればと思い、今回私の体験をnoteに書いていきたいと思います。
まずそもそもなのですが、PMP試験に臨むためには、「認定申請」を行わないといけません。認定申請とは、応募者が本当に受験資格を満たしているか確認するためのプロセスで、「職務経歴書の提出」、並びに「プロジェクトマネジメント研修の受講」が求められます。職務経歴書については、応募者が過去にどのような役割でプロジェクトマネジメントを行い、成果や評価はどうだったのかを英語で記載する必要があります。なかなかハードですが、私の場合は日本語でしっかり作り込み、それを英訳したものをオンライン英会話でお世話になっている先生に何回か添削してもらって仕上げていきました。当然、先生は英語のプロではありますが、プロジェクトマネジメントのプロではないので、記述内容についてのアドバイスは期待すべきではありません。どのようなことを経験してきたかを振り返り、ドラフトをしっかり書いていくことが重要になります。
また、「プロジェクトマネジメント研修」については、PMI指定の実施機関で35時間分の研修を受ける必要があります。職務経歴書とは異なり、こちらは受講完了証の提出は求められませんが、Auditと呼ばれる監査が入った場合に提出を求められますので、きちんと受講しておいた方が無難です。さまざまな実施機関がありますが、私はUdemyを利用しました。理由は圧倒的に値段が安いためです。講義自体は英語ですが、日本語字幕をつけることも可能なので、全然理解していくことは可能だと思います。コース比較された分かりやすい記事があるので、以下を参考にしてください。
https://xtech.tv/archives/4094#index_id4
そして肝心の勉強方法についてです。スクールや通信教育、独学などさまざまなオプションがありますが、私は自分自身で勉強時間を決められる点や圧倒的なコストパフォーマンスを考慮して「独学」で勉強しました。使用したテキスト・ツールは以下の4つです。主観的になりますが、有効度合いと活用法を順次解説していきます。
①PMBOKガイド第7版(有効度:○、活用法:辞書)
これはPMIが発行するガイドブックで、プロジェクトマネジメントに関するPMIの考えがこのテキストに網羅されています。PMP試験もこちらから出題されるため、必ず手に入れるべき教材である一方で、かなり細かく書かれているので、私は辞書代わりに使用していました。1冊11,990円しますが、PMIの会員になると英語verにはなりますが、無料でダウンロードすることができます。英語に問題のない人はもちろん、今ではさまざまな翻訳ツールがありますので、こちらを活用しても良いかもしれません。
②PMP完全攻略テキスト(有効度:◎、活用法:参考書)
先に述べたようにPMBOKガイドは網羅性がある反面、文字が多いため、とっつきにくさがあります。そこで私は学習のメインとして「PMP完全攻略テキスト」を使用しました。この本は、PMBOKガイド第4版から第7版までの翻訳・監訳を担当し、PMBOKガイドの第一人者と言われる鈴木安而さんが書かれた本で、図が多くPMBOKの解説書として大変分かりやすいです。参考書としてはこの1冊で十分かと思います。
③豆検(有効度:△、活用法:知識の確認)
PMP完全攻略テキストを読み終えた後、試験対策として2つのオンライン問題集を活用しました。まず1つ目は「豆検」と呼ばれるPMP 試験向けの練習問題を提供している月額課金制の web サービスです。基礎編と合格編の 2部構成となっています。基礎編は用語理解に主眼が置かれており、知識を問う一問一答が多いです。一方の合格編はケース問題が多いため、実際のPMP 試験に近いのですが、2021 年以前の知識重視傾向にあった時代の試験傾向に寄っている点や、現在マネジメントスタイルの中心であるアジャイルではなく、ウォーターフォール型がメインとなっており、試験対策として十分とは言い切れません。ウォーターフォールについて学びたい方や、比較的時間に余裕のある方でしたらやった方が良いと思うのですが、現在の試験対策という点にフォーカスすると優先度は高くないと思います。
④JPS eラーニングシステム(有効度:◎、活用法:試験対策)
もう一つがJPS eラーニングシステムです。こちらはサブスクではなく、購入モデルとなります。こちら、なんと15,990円もかかりますが、本番を想定した590問の問題集と3つの模擬試験から構成され、解説もかなり充実されているので、購入する価値はあると思います。インターネット上には無料の問題集もあるのですが、解答が間違っていたり、合っていたとしても解説が不十分など、満足のいくものではありません。受験費用も決して安くはないので、1発合格をするためにも、この問題集でトレーニングすることをお勧めします。
以上、私のPMP取得までの道のりと勉強方法についてでした。これから受験される方に向けて、何か役立つ情報があれば幸いです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。記事を気に入っていただけましたら「イイね」ボタンもよろしくお願い致します。
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