子供はみな研究者
こんにちは!
僕、大学を卒業して新卒で入った会社で子供たちに野球と陸上を教えていたのですが…
実は幼児があまり得意ではありませんでした。
小学生には自分も楽しみながら指導できるのですが、幼児はどうもそれが難しくて…
なかなか言うこと聞かないし全然練習にならないしで苦手意識が強かったのです。
でも、
最近、
なんか違う。
幼児の指導が楽しく感じるんです。
(小学生は相変わらず楽しいです。)
やっぱり自分の子供が産まれたのがかなり大きな理由かなとは思っています。
うちの1歳半の娘ですら
「うぉ、会話ができるようになってきてる…!!」
と毎日感動しているくらいなので、
3歳とか4歳の子と一緒にいると、
「うわー、すごいなぁー。めっちゃ意思疎通できるじゃん!!」
って感じて楽しいんです。
と、いうことで。
幼児さんと一緒に過ごす中で最近感じたことがあったので今日はそれを書いていきます。
リアクション研究室🥼
子供って、みんな「リアクション研究員」だと僕は思っています。
常に周囲の人のリアクションを研究してる。
「これをしたら怒るかな?」
「こうしたら喜ばれるかな…?」
「あれ、意外とリアクション薄いな。こうしたらどうだ…!!」
って。
自分がしてみたいアクションに対しての反応を予想し、実行し、実際の反応をみてまた行動を変える。
大人からのリアクションを見ながら自分の行動のPDCAサイクルを常に回してるんです。
大きなリアクション
だから、大人は大きなリアクションをしてあげないといけないと僕は思っています。
それがいいことであれ悪いことであれ、子供のアクションに対してはっきりとリアクションを返してあげることによって、子供は次のステップへ進むことができます。
逆に、リアクションが返ってこないと…
自分がしたアクションが頭の中に処理されずに留まってしまうため、それを処理しようと(リアクションをもらおうと)何回も何回も同じことをしてしまうのです。
もちろん、褒めなどのいいリアクションを与えればそれが嬉しくて何度も同じ行動をすることはあります。これはいいことです。
ただ、悪いことを繰り返してしまうのはリアクションが弱いからなのではないかと僕は思っています。
幼児さんを相手にマット運動を指導していると、大半の場合は練習になりません。
ふざける子が山ほどいます。
器具で遊んだり、列から外れたり、指示とは真逆のことをしたり。
これ、ただただ自分を見て欲しいだけなんですよね。
というか、「ちゃんと見てくれてるのかなー?」って探ってるだけなんです。
みんな見て欲しいんです。
誰よりも自分のことを見ていて欲しいんです。
だから僕は「見てるよアピール」を存分にします。
技に対してのフィードバックはもちろん、並んでいる時の姿勢や片付けの積極性、友達に対しての気遣いなど、「先生の視界から外れているだろう」と気を抜いてそうなところほどちゃんと見て言葉にして伝えるようにしています。
「〇〇くん、さっきめちゃめちゃピシッと立って待ってたね!先生、びっくりしたよ!」
ってみんなの前で言うんです。
そうすると、褒められたその子がその後も頑張るのはもちろん、周りの子が「この先生なら頑張ってるところを見てくれる。ちゃんと認めてくれる。」と認識して、いろんなことを頑張るようになります。
愛情って何?
子供ならみんな持っている「見て欲しい」という気持ちは良い方向にも悪い方向にも傾きます。
いい方向に傾けば、それはいい行動の反復につながりますが…
悪い方向に傾けば、社会から認められない行動が増えていきます。
子供の発達には幼少期にたくさん愛情を与えることが大切なんてよく言われますが、愛情ってなんだかぼんやりした表現でわかりづらい。
誰だって愛情を持って接してると思うんです。
だからそれが足りないとか言われても困りますよね。
「いや、多いとか少ないって何が基準なのさ」って。
そうじゃなくて、リアクションの仕方にコツがあるだけなんだと僕は思うんです。
表情の動かし方。
声色の使い方。
身振り手振りの大きさ。
心をくすぐる声かけ。
リアクションっていろんな要素が合わさってできています。
その一つ一つを工夫しながら、子供から見て「とにかくわかりやすいリアクション」を作るんです。
あ、喜んでるな。
あ、怒ってるな。
あ、ちょっとまずかったな。
って感じれるように、行動に対するフィードバックをわかりやすく瞬時に返してあげることが大事です。
子供は言葉が通じない分、大人より感じる力が強いです。
小さい子であればあるほど。
だから言葉でなく体で伝えるのが大事なんです。
と、いっても僕もまだまだ勉強中なんですけどね。
日々、子供達からの言葉をもらっていろいろ学ばせてもらっています。
井藤 亘(いとう わたる)
名古屋アクロバットスクール