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【本誌感想】週刊少年サンデー 2024年42号 名探偵コナン FILE1133「茜色の千秋楽」

全ての舞台は整った。
物語は、終演(クライマックス)へ――!!

〈殺された3人。その奇妙な遺体から
 導き出された暗号。パズルのピースは揃い、
 探偵達は、犯人を追い詰める――〉

ついにシリーズ解決編! あぁ~なんかあっという間だったなぁ~。

扉絵は、血でかかれたような「EVIL」の文字をバックに、微笑を浮かべるコナンと平次。

登場キャラは江戸川コナン、毛利蘭、毛利小五郎、服部平次、遠山和葉、遠山銀司郎、大滝悟郎、大岡紅葉、伊織無我。株本恭助。




■本編内容

【登場人物】
吉浦利堅(よしうら としかた)……毛利大五郎役。31歳。
倉石洋歌(くらいし ようか)……大塚楓役。25歳。
楢沢美久(ならさわ みく)……外山落葉役。26歳。
垣脇綾梨(かきわき あやり)……毛利理英子役。27歳。
長窪信哉(ながくぼ のぶや)……伊織駿河役。30歳。
庵坂典馬(あんざか てんま)……服部平一役。25歳。

■犯人を追い詰めた先は、浪速ハルカス――

浪速ハルカスのヘリポートで犯人を追い詰めたコナンと平次。その犯人とは、庵坂典馬だった。
垣脇転落時に仮眠室にいたというアリバイを主張する庵坂。
だが平次は、賞状の額のガラス板とタブレット端末を使ったトリックを使った、と反論する。
庵坂は仮眠室の布団の中にガラス板を立てて置き、その下に、板に反射するようにタブレット端末をセットした。
倉石が決められた時間に仮眠室を開けると、予め撮影していた「寝ている自分と枕以外を黒く塗り潰した動画」を端末で流す。黒で塗り潰した部分は後ろの背景が透けて、寝ている庵坂の姿がガラス板に反射する、というトリックだ。その証拠に、庵坂の首の後ろのホクロが、仮眠室の時は逆の位置にあった。
このトリックを実行した時、庵坂は仮眠室のベランダにいた。倉石たちの様子をそこから伺い、声を出して受け答えしていたのだ。それを誤魔化すため、動画は口元を隠して撮影していた。
そのあと、垣脇が劇で悲鳴をあげたシーンを撮っておいたボイスレコーダーをゴミ袋に入れ、それを再生しながら下に放り投げれば、垣脇がたった今転落したように錯覚させられる。
ゴミ袋を投げた後はコナンたちと入れ替わりで室内に入り、タブレット端末とガラス板に布団をかけて隠す。そしてベランダのコナンたちと合流した。
つまり、垣脇を転落死させたのも、遺体のポーズを腕木通信の「V」にしたのも、仮眠室に入る前だった。

そして、長窪の目の前でタバコを咥えて喫煙したくなるように仕向け、柵がもげやすいように細工しておいたベランダに出させる。
その時、庵坂は腕木通信の暗号表を取りに行く口実で、ベランダの真下の駐車場にいた。
下から長窪に「駐車場を見ろ」とメールし、大声を出すフリをして口をパクパクさせれば、長窪が聞き取ろうとして柵にもたれかかり、転落する……という仕掛けだった。
わざと飛ばした暗号表を取りに行くために警官が目を離した隙をつき、長窪の遺体を「I」にして、長窪のスマホと傀儡の悪魔メッセージ入りのスマホを入れ替えた。

以上のトリックを看破された庵坂は罪を認め、過去に起こした殺人事件(正当防衛が認められて無罪になった)のことで被害者たちに脅されていた、と話し出す。
だが平次は、一連の犯行動機が倉石のためだったと指摘する。
最初の被害者・楢沢が転落した現場に真っ先に駆けつけた庵坂は、一緒に落ちていたスマホに、過去の殺人事件の記事が表示されていることに気づいた。
そこで庵坂は、倉石が楢沢を転落死させてしまったと思い、彼女を庇おうとしたのだ。
庵坂は末期の胃癌。役者を辞めるつもりで、吉浦もそれを知っていた。つまり、過去の事件がバレて困るのは倉石だけ。
楢沢が転落した現場に倉石がいながらスマホが上から落ちてきたのは、庵坂が人混みの中から遺体に向かって放り投げたから。お~! もしかしてコレ、庵坂が野球部だったことが伏線になってる!?
庵坂が垣脇と長窪を殺したのは、庵坂が倉石を庇うためにスマホを投げたのを目撃されたから。二人は庵坂を脅してきた。
庵坂は、楢沢のポーズが偶然「E」に似ていることを利用し、四人の犠牲者のポーズで「EVIL」のメッセージを作って、株本の呪いに見せかけようとした。
四人目の犠牲者は庵坂自身。「L」のポーズを作って、浪速ハルカスの展望デッキに飛び降りようとしていた。
だが、楢沢殺害の罪を抱えたままの倉石がいつか自殺してしまうかもしれない。そこで庵坂は「下手から」のメッセージを残した。
舞台役者の側から見た下手は、右側。「EVIL」を右から読むと「LIVE」。「生きろ」という意味になる! 腕木通信が読める倉石にだけ届くメッセージだ!

ここまで突き止められた庵坂は、飛び降りようと端に駆け寄るが、大滝に取り押さえられる。
そしてコナンは、倉石が自首したことを告げる。庵坂と倉石は付き合っていた。
楢沢に呼び出された倉石は、昔の事件を公にされたくなかったら庵坂と別れて楓役を寄越せ、と脅された。
そしてスマホの取り合いになり、楢沢は転落してしまった……というのが最初の事件の顛末。
庵坂が浪速ハルカスで自殺しようとしているのを平次たちが気づいたのは、ここが吉浦から劇団に誘われた時、「東京で生きよう」と決めた場所だから。
さらに、和葉を浪速ハルカスに呼び出そうとしていた平次に「止めとき」と言ったから。
庵坂は、「女の子を連れてったらワヤになってまうって思てた」と。庵坂、殺人犯なのにいい男すぎる~~~。
そして、平次に夕陽が見頃なことを教える。

告白のことを思い出した平次は、慌てて駆け下り、和葉に電話。しかし繋がらない。
そこに蘭から電話がかかり、和葉は地下一階にいることが分かる。
夕陽はもう沈む寸前。今から地下一階に向かっても間に合わない……。
思わずその場に座り込んだ平次は、和葉との思い出を振り返りながら「ただ和葉に…好きやって…言いたいだけなんやけどなァ…」と呟く。

だがそんな彼の後ろに、和葉が。夕陽をバックに「それホンマ?」と問う。(和葉の後ろからひょっこりコナンも)
思わず否定しかけた平次だが、和葉に問いただされて意を決し、「ホンマや!!」と認めた。
きゃ~~~~~~っ!!!!!(ここで流れるaikoの『相思相愛』)

その頃、百人一首の大会で優勝した紅葉は、トロフィーを抱えたまま涙を流す。「勝ったのに悔しい…何でやろなぁ…」と。

そして地下一階の蘭は、目の前にいる和葉に夕陽が沈んでしまったことを嘆く。
そんな和葉に銀司郎がチョップ!
観念した和葉は、「口元隠したらまだJKイケるんちゃう?」と和葉と賭けをしていたと話し出す。
混乱する蘭。目の前の彼女はマスクとカツラを取り、自分が和葉の母・遠山櫻であることを明かす。
本物の和葉の居場所を尋ねる蘭。櫻によると、スマホの電池が切れたため慌てて展望デッキへ向かったらしいが……。
そんなことを話す彼女らの後ろに、ぎこちなく手を繋ぐ平次と和葉がいた!

■再び重なり合う2人の手。今回は大切な恋人として――



■小ネタ

・茜色(あかねいろ)

深い赤色。
フジファブリックの『茜色の夕日』はマジで名曲なので、みなさん聞いてください!!!!!


・ワヤになる

関西弁で「台無しになる」の意味。

・回想シーン

平次が和葉への想いを口にするシーンで、平次が回想していた過去のシーンは以下の通り。



■感想

・わあ~

ついに!!!ついにッ!!!!!
平次と和葉が結ばれたゾぉぉ~~!!!(この騒ぎは三日三晩続いた)

19巻で和葉が初登場して、今回のシリーズが106巻に収録される予定だから……88巻越しの恋愛成就!!!ひゃ~~~ッ!!!

告白の仕方もいいなぁ。
絶景ポイントにやたらこだわっていたカッコつけ平次。でも、思わずポロッと零してしまった言葉が想いを繋げた。平次の想定とはかけ離れた、みっともなく床に座った時に。
平次はやっぱり、こういう無骨で泥臭い感じが似合うよね!(失礼)

そして、平次だけがガッついた訳じゃないのも良かった!
最初に勇気を出したのは、「ホンマ?」と聞いた和葉。一旦否定しようとする平次を問いただす。
そして平次も意を決して、勇気を出して認める!
お互いの矢印が同じ大きさで、すご~~~くイイ!!!

気になるのは、これ以降の平次&和葉の登場のしかた。どんな風になるんだろーーーーっ!!!

・庵坂……泣

今回の犯人、庵坂典馬。
この男ッ!!!なんて深い深い業を背負っているんだ!!!!!

高校生の時に、女の子を守るために悪漢を殺してしまった庵坂。
その後、繊細な彼女を守るために二人も殺してしまった。そして最後は自ら命を絶ち、「LIVE」のメッセージを残そうとする。
しかも、平次たちに追い詰められた際はすべての罪を被ろうとした。

さらに庵坂は末期の胃癌。
庵坂が一体何をしたっていうんだーーー泣
どうか……どうか神様、彼に救いを与えてください……🙏🏻

・和葉のお母ちゃん

和葉のお母ちゃん登場!!!
名前は遠山櫻さん!
名前の由来はなんだろうー? 桜吹雪とか?

そして、106巻の鍵穴キャラになるんだろうか? でもコミックス派の人からしたら超絶ネタバレだよね……笑

あと、今年のシネマガジンで青山先生が仰っていた「今まで謎になっていた重要人物」って、櫻のことなんだろうか!?
金丸嶺太は重要人物って程じゃないし、謎の老婆と黒塗り赤ちゃんはまだ烏丸蓮耶だと決まった訳じゃないしね~。


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