ポジティブ化計画-楽園
おそらく、
揺り戻しがくるだろう、
きっと舌の根も乾かぬうちにネガティブに戻るだろうと、
確信しつつ始めたこのポジティブ化計画。
相変わらず早起きはできてないし、
このところ早寝もできてない。
かろうじて寝る前のストレッチ2種だけ生き残っているが、
ほとんどの習慣は途絶えた。
気力もないのでとりとめもなく書く。
外国行ってみたい。
ニューヨーク行きたい。
行って何するってわけじゃないけど、
とりあえずこの街から出たい気分。
いや、日本から出ていきたい。
あくまで、気分。
ただの逃避である。
観光地のレストランでバイトしてた時、
外国人観光客に顔を笑われたことは一度や二度ではない。
わからないと思ってデッカい声でアグリーアグリー言ってニヤニヤしてくるのである。
これにおそらく人種差別も加わるだろうから、海外での生きづらさは100倍と思う。
なんのツテもないし。
どこへ逃げても、
顔からは逃げられないのだ。
あと、清潔なトイレがなきゃ嫌だ。
日本サイコー。
日本でずっと生きてくならば、
どっかに住み込みで働きたい。
目出し帽かぶって人目に触れない仕事して、
食べて寝て風呂に入れればいい。
これも、気分。
学生時代に、人目につかないバイトということで、ホテルの皿洗いをしたことがある。
安賃金、朝5時半出勤、立ち仕事のハードワーク。
ハードすぎてバックレが横行するらしく、
とりあえず初出勤の自己紹介をしても誰も聞いてない。
「どうせやめちゃうんでしょ」のオーラが蔓延しており、誰も目も合わせてくれない。
ベテランのおばちゃんは常に怒鳴り散らしているうえに、説明は二転三転し要領を得ない。聞き返すとブチギレられる。怖すぎ。
初回勤務終了。
2回目、来るはずのベテランが腰痛で休んでしまった。
初日、素人にはまだ触らせられないといって、仕事の半分を教えてもらってなかったので、ひとり途方に暮れた。
ホールの人たちは常に忙しなく動き回っているうえに、洗い場の仕事を知らない人ばかり。
唯一知ってるのはホール長のみだが、この人がとにかく、常にキレている。
ひとりで考えて自己流でやってるとめちゃくちゃ怒鳴られるのはもちろんだが、
自己流でやらずにちゃんとやり方を聞くと、めちゃくちゃ怒鳴られる。なんでそんなことも知らないの!!?やる気あるの!!?
そんなこと言われても、教わってないんだって。頼むからタオルの場所くらいフツーに言ってくれや。
そのホテルは超絶ブラックで社員は常にイラついていた。
ホテルの内装は華やかだが、
裏側、とくに地下の厨房は当然のことながら無機質で、グリストの臭いが充満し、どことなくベタついていていて、牢獄のようだ。
自分が囚人になった気分だ。
いや、奴隷。
時間が終わるまで私は皿を洗う奴隷である。
全方位に怒り狂うホール長もまた奴隷である。
2日目の終了後、私はもう辞めると心に決めていた。これ以上続けたら心が死ぬ。
幸い、次の勤務日は決めてなかった。
辞めますとメールすると、派遣会社の担当から「最後にもう1回だけ入ってほしい。そのシフトは、新人さんが1人で入る予定である。いきなり1人じゃ可哀想だから仕事を教えてあげてほしい。」と連絡が来た。
その新人さんは顔に目立つ特徴がある人で、働くこと自体初めてなのだという。
顔を見ても驚かず普通に接してあげてほしい、と担当はいう。
日曜の早朝からまたあんなところに行くのは嫌だったが、顔に特徴ある者同士ということで、
よっしゃ、一肌脱ぐか!と了承した。
さて、新人とは5時30分にホテルの通用口待ち合わせだったが、5分経っても10分経っても来なかった。
クソボケがぁ〜〜〜〜〜
ブチギレながら皿を洗った。
一挙一動にケチをつけてくるヒステリー・ホール長に怒り、
充満するグリストの臭いに憤り、
客が盛大に残して皿にこびりついたお粥にブチギレた。
ちゃんと食えボケ!
バイキングで残してんじゃね〜よ、アホ!!
誰のために、このやろ、クソやろ、
朝三時に起きてよお、このやろ、ボケ!
辞めるはずだったのにヨォ!!
もうホール長の小言も全部無視した。
返事もしないで皿を洗いまくった。
ありとあらゆるものが憎かった。
担当から二度と連絡は来なかった(笑)
私もしなかった。
正直、顔に特徴のある人が来るときいて、
生き別れの兄弟に会うくらい楽しみにしてたのである。
皿洗いにつき、知る限りのハウツーを、できる限りわかりやすく、伝授するつもりだった。
新人が来なかった理由はわからない。
体調不良かもしれない。
やっぱり外に出るのが怖くなったのかもしれない。
おい!私は、あなたに会うのを本当に楽しみにしてたんだぜ。
皿を洗いながら、なんで来ないんだよ、とむかついていた。とても悲しかった。
会いたかったし、話したかった。
友達になりたかった。
これはホテルの皿洗いの仕事がろくでもねぇという話ではない。
いまホテルで働いてる人たちごめんなさい。
私の覚悟が足りなかったのである。
この直前のバイト先はファストフード店で、女というだけでカウンターに立たされた。
客に顔を指差して笑われることが多く、もう無理と思って辞め、皿洗いの求人に飛びついてしまった。
大学の友人に、ホテルレストランのホールバイトの経験者がいて、引き止められた。
「ホテルの裏側はありえないくらい荒んでるし、洗い場はまじで人権ないから、やめときな!」
しかし、私はその制止を振り切って洗い場に飛び込んでしまった。
顔が隠せるならなんでもいいと、よく考えず逃げ込んだのである。
それが間違いだった。
今の私が、
アメリカに逃げても、
住み込みの仕事に逃げても、
皿洗いの二の舞になるとわかっている。
加えて、あのたった3日間の皿洗いバイトは一つの確信をもたらした。
自分で自分を見下す人間の行き着く先は奴隷である。
ホテルで働いてる人が奴隷という意味ではない。
プライドの問題。
顔うんぬん関係なしに、私は皿洗いで身を立ててやるんだという強い意志とタフネスを持って洗い場に立っていたなら、もう少し違う経験になっていたと思う。
プライドを持てない奴は蹂躙されるしかないのである。
上には書ききれないので書かなかったが、
契約と話が違いすぎるとか、
本当に最低でめちゃくちゃな職場で、
私は蹂躙されるがままであった。
そういうわけで、
私はやっぱりポジティブになるしかないんだと思う。
ポジティブな人の真似をして、
やれることを全部やって、
プライドを取り戻さないといけないんだと思う。
私には価値があるんだぜ、
黙ってろ、ボケ!
と心の底から言えるようにならないといけない。
なんでかね。
目の前に祖父母はじめご先祖様が立ってるとして、彼らに向かって、「私って本当に醜くてバカで怠惰で、生きる価値なんて一つもなくて、もう死にたいんです」って、口が裂けても言えないな、と思った。
そんなのってひどい侮辱。
ご先祖様に向かって言えないことは
言っちゃダメだし考えちゃいけないと思う。
これを読んだ人が、もしめちゃくちゃなバイト現場に当たってしまったら、途中で帰っていい。
契約で決まってる休憩時間を現場の偉い人がナシにしてきたり、絶対もらえるはずの賄い券をなんのかんの難癖つけてくれないとか、
鍵付きロッカーのはずなのに鍵壊れてるとこをあてがわれたとか、
制服を床に叩きつけて、
なんだこのヤロー!ナメてんのか!と怒鳴り散らして、家に帰んなさい。
思い出してムカついてきたな。
***
今日、良かったこと
ドーナツとコーヒーの組み合わせはやっぱり美味いとわかった。
以上。
お疲れ様でした。
暑いですが体調管理気を付けましょうね。
読んでくださってどうもありがとうこざいました。