5月の我が家における、ストーブ攻防戦の話。
私は暑さにめっぽう弱い。
気温が23℃を越えてくると、冗談抜きで徐々に頭が悪くなっていく。28℃を越えたら頭痛、30℃越えたらイライラし始め、32℃を確認するより前にエアコンをつけて、そこでようやく息をつく。そんな、エコとは無縁の人間だ。
多分PCで言えば、CPUファンに当たる何かの性能が物凄く悪いのではないかと思う。小さい頃はここまでじゃなかったと思うので、単に代謝が悪いだけかもしれないけども。
そういう訳で、夏は嫌いだ。大っ嫌いだ。夏の風物詩や風景は好きなものが多いが、関東平野の夏の環境下では生きていけないので、もう生態として駄目なのである。
で、5月というのは区分すれば春とか、せいぜい初夏という時期で、まだ生きていける範囲、のはずなのだが。
大体この時期は気温差がヤバい。天気が良いと平気で最高気温が28℃を越えてくる。
のほほんと過ごせた冬モードのまま、何の覚悟も決まっておらず、衣替えやらなきゃかなー、ぐらいに油断している私に襲い掛かってくる唐突な28℃は、天気の方にすればあいさつ代わりのジャブかもしれないが、食らった私には一発KOもの。大慌てで色々脱ぎ捨てて、半そで+ハーフパンツを引っ張り出し、エアコンのスイッチを入れて昼寝するしかなくなる。
というわけで、何度目かの28℃アタックを凌いだ私は先日、24℃ぐらいの日が来るのを見計らって、冬の間活用していた各種もふもふグッズを片付けて暑さ対策に励んだ。
そして、この日の気温、14℃。
暑いよりはマシか、と長袖を着て、久しぶりの涼しい一日を満喫しようとしていると・・・
ピッ。
・・・え?
「さっみー!!寒い寒い、これは無理!!」
平日休みの、夫である。
石油ストーブのスイッチを入れている。みるみる内に上がる室温。
元々湿度が高いので、もわーっと空気が息苦しくなってくる。
ちょっと待って。お願いだから待って。
確かに今日は涼しいけどさ、そこまでじゃないよね!?
夫は寒さにめっぽう弱い。
厚着をするのが苦手らしく、冬場も大して着こまない。その代わり、室温を上げようとする。
30℃を越えてもケロッとしている夫には、25℃ぐらいが恐らく適温なのだろう。だが、設定温度20℃のストーブが真面目に稼働している状態は、私にとっては正直、冬真っ最中でも暑い。コタツで足元が暖かいのは歓迎だが、気温は出来れば18℃以下にしておきたいし、なんなら10℃ぐらいで全然構わないぐらいだ。14℃というのは、私にとっては十分適温なのである。
頼むからこの程度の気温でストーブを付けるな、着ろ!!!着てくれ!!あるいは何か、毛布でもかぶってろ!!
そう言いたいのをぐっとこらえる。恐らく夫も、30℃でエアコンを稼働させる私に対して、言いたいことを我慢してくれているだろうから。これから来るのは夏であり、この先数か月は私はエアコンなしでは生きていけない状況に陥るのだ。
今日ぐらいは、ストーブなしでは生きていけない夫に合わせてやるしかない・・・か・・・。
私はそっとため息をつき、着込んでいたトレーナーを脱いだ。
ああ、天気様。ねがわくば、もう2、3℃気温を上げてください。
夫がストーブのスイッチをつけずにすむ程度の、ぎりぎり低めの気温をお願いします・・・と願いを天に捧げつつ。