即興一人芝居LIVE「ヒトリワタリ」をやり続けている理由を考えてたら、インプロをやっている理由にも繋がった
そもそも即興一人芝居LIVEって?って思った方はこちらの記事を先に読むとなんとなくイメージできるかもしれません。
https://watari-bouya.com/hitori-watari/
またテキストでなく動画で観たい方はこちらが全編公開してるものですので、観てやってください。
即興一人芝居LIVE「ヒトリワタリ」をやり始めて11年になる。
やることだけで精一杯だった1~2回。
3回目くらいから「これは継続してやり続けたい」となった。
そこから月イチでやり始めて41回やった段階で「もう月イチはチャレンジではない」となり継続をやめる。
でも有り難いことに「ヒトリワタリを観たい」といってくれる人が現れて地方で開催することが増えていった。
これは自分だけのチャレンジじゃなくて、インプロの良い部分を提供できる大事なコンテンツだと自覚するようになり、都内で不定期だけど自主公演をはじめる。
そしていろんな人の声がけがあって、今年。
また月イチペースで開催している。
このヒトリワタリ。
なんでやり続けているのか?を考えてみた。
結論から言うと「インプロでものすごく大事だと思っているド真ん中のものがヒトリワタリにあるから」だった
ヒトリワタリのスローガンは
「自分の能力の最果ては?自分を、人を、空間全部を徹底的に信じた先にどんな世界があるのか?」
である。
助けてくれる人も、頼る人もいない。全部、ひとり。
それが即興一人芝居の基本的な状態。
その中で自分自身が持てる能力を目一杯使って何をするのか?
なんだけど、ひとりの力なんてたかが知れている。
「自分だけ」のチカラであればすぐに頭打ちになるし、そんなに継続できないし、する意味もない。
ワタリがヒトリワタリをやって、ものすごく惹かれたのは
「ひとりの即興でも、大事なのはゆだねること、手放すことやん」
だった。
だから「人を、空間全部を徹底的に信じた先にどんな世界があるのか?」という言葉が出てきた。
「次はああしようこうしよう」と考えていたら間に合わない。
また自分の引き出しだけで勝負していたらあっという間に尽きる。
自分を自然にさせる。その場にいさせる。
だから来てくれたお客さんを感じることができる。その場の雰囲気を味わうことができる。感じることができるから反応ができる。反応ができるから芝居になる。
子どもが無邪気に遊ぶように自分を遊ばせる。そして表現として出てきたものを大人の自分が紡いであげる。そうすることによって物語が生まれる。
それは
「どうだ!俺は!面白いだろう!すごいだろう!」という意識、エゴをメインにしていては到底できない。
ワタリの好きな言葉に「負けて参って任せて待つ」というのがある。
これは野口体操の野口三千三先生の言葉だ。
この「負けて参って任せて待つ」は即興の原理原則でもある、とワタリは思う。
インプロは負けの美学だ。徹底的に観念した状態の自分の強さを知れる最高の表現だと思う。
そんな身体になれているのか?体現者になれているのか?
それを誤魔化すことなくダイレクトに体験できるのが
即興一人芝居LIVE・ヒトリワタリだった。
その場にいて、負けて参って任せて待てる状態になったとき。
自分が自然に動きだす。自分が言ったことやったことに自分がびっくりしたり。お客さんの想ったことが表現に出たりする。
ひとりであって、ひとりじゃない。
そんな即興を続けていると、時々、自分がいなくなって、その場に溶けるような感覚がある。(それはワタリが人生の大半をインプロに投じてのめり込むようになった原体験なんだけど、この話はまた別の記事で書くことにする。長くなるから。すでに長いから)
そのときのライブは当然ながら盛り上がる。そして自分も手放しで「面白かったね!」と言える。
自分を手放しで遊ばせて、良い時間になるように眼の前の人に全力で向き合って、楽しい時間をつくる。
こんな最高にスリリングで面白い表現を自分から止める理由は、ないし、やはりたくさんの人に知ってもらいたいって思う。
これがワタリがヒトリワタリを続ける理由。
インプロを続けている根底のど真ん中にある理由。
他には
一人だからコスパが良いとか、インプロを止めた途端に病気になったワタリの生命維持のためっていうのもある(笑)
「面白そう!」とか「やってみたい!」とか「ワタリの健康のためなら!」って思ってくれた人はぜひ一度観に来てください。
次回の詳細は以下。
即興一人芝居LIVE「ヒトリワタリ in Tokyo@Cafe MURIWUI」
日時:2024年4月12日(金)
時間:19:00/open 19:30/start
料金:選べるチケット制(+1drink)
会場:CAFE MURIWUI(カフェ・ムリウイ)
最寄り駅:小田急「祖師ヶ谷大蔵駅」徒歩6分
住所:世田谷区祖師谷4-1-22-3F