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「一緒にインプロしたい人ってどれくらいいるものですか?」と聞かれて思ったこと

「一緒にインプロしたい人ってどれくらいいるものですか?」

ふいに聞かれた質問に戸惑った。

「一緒にインプロしたい」っていつ思ったんだろう?と考えたらだいぶん遠い記憶まで遡る必要があった。

一番最初はロクディムの前身であるチーム(もうほとんどロクディム)。

そのメンバー1人1人を呼び出して声をかけた。

「一緒にインプロをやりたいんだけど・・どうかな?」と。

これがワタリの一番最初であり、もしかしたら最後の告白にも似たお誘いだったのかもしれない。

じゃあそれ以降はなかったのか?と考える。

いまジャムタリラボで「マツリライブ」をやっている。メンバーは基本的にワタリがお誘いをしている。

でもそれは「インプロ一緒にやりたい」というよりも「インプロをやってほしい」という気持ちのほうが正確な感じがする。

同じようで少し違う。

自分もプレイヤーでの「一緒に」じゃなくて、「あなたがインプロをやってくれるととても嬉しいし、有り難い」という視点だったり、ワタリの理念に賛同してもらっている部分もあるから「バンドやろうぜ!」的な感じじゃなくてプロデューサー的な感覚のほうが強いんかもしれない。もちろん「一緒にいたい」「一緒に遊びたい」という感覚はどちらにもある。しかし、自分がプレイヤーでっていう部分が違うのかもしれない。

と、ここまで考えて、少し違和感があった。

「一緒にいたい」「一緒に遊びたい」「一緒にインプロしたい」は同じだ。
でも表にでたときに形が違うだけだなと。

ロクディムは同じプレイヤー同士、マツリはときにディレクター、ときにコーチ、ときにプレイヤー。根本はやはり告白にも似た気持ちで関わっている。

冒頭の質問は「(プレイヤーとして)一緒にやりたい人」のニュアンスが強かったと認識していたため、「マツリは違うかな〜」となったのだった。

気持ちは同じ。なのでワタリとしては一緒にやりたい人ってまぁまぁいるっていう段階にいるな。

しかし、ロクディムという「同じメンツでずっとチームで即興する」という環境がなかったらいまのマツリはできなかったと思う。

この「同じメンツでチームとしてずっとインプロやっている」に関して。
世界をみてもそんなにいないようだ。(※イギリスでは30年以上やっているチームがたった一つだけあると聞いたことがある。でも日本のコントくらい認知されているのにも関わらず、同じメンツでずっとやっているチームは一つって・・)

よっぽどインプロで同じメンバーでチームを作っていくのは難しいんだと思う。(※めっちゃわかる)

別にそれが正しいわけでもないんだけど、難しいことをやっているっていう点でいえば、ロクディムってよくやってるなって思う。
そんなロクディムでものすごく人と向き合った経験が、自分を成長させてくれた。

また「ロクディム」というチームを続けられていることの一つとして、なんでそれができたんだろう?と考えたら、一つは「数」だった。
当時ワタリが18〜20くらいの時に通っていたインプロ・ワークショップにはかなり多くの人が通っていた。
今から25年以上も前の話だから、インプロを教える人も体験できる場所もものすごく少なかったから、それも良かったんだと思う。
おかげでたっっっっくさんの面白かったり、変だったり、おかしかったりな人たちとインプロをやれた。
ライブもたくさん体験させてもらえた。ライブの中でそのライブだけの即席なチームを組むことができた。

だからこそ、「この人と一緒にやりたい」が育ったんだと思う。
ロクディムはそんなたっくさんの人たちの中からワタリが「惚れるわ〜」って思う人たちでできている。
その「惚れるわ〜」がなかったら、こんな長く続いていないと思う。
たくさんの人たちの中から選ばれたっていう部分なのか、「この人たちしかいないから・・・」っていうのかは大きく違う。

今は東京ではたくさんのインプロを学ぶところがある。
だから人が分散していると思う。
選択肢があるから、良いっていうのもあるが、あるから良くないっていうのもある。

だから何だ?っていう話なんだけど、その質問からいろんなことを感じたし思い出した。

有り難い質問だった。

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渡猛(TAKESHI WATARI)
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