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自分が巨人になった気分になれる盆栽たち

『第99回国風盆栽展(後期)』に足を運びました。

植物の生長とともにある盆栽の数々を前に、かたち作られるにかかった膨大な時間や作者の忍耐力にひたすら頭が下がる思いでした。そして盆栽もいけばな同様に植物の生命力を礎として為るものだからこそ、植物に対する敬意と、自然の中にある揺らぎや、揺らぎに対する作者の向き合い方が感じられるような作品に惹かれました。他方、養生や枝ぶりの作り込みなど技術的な成熟はときに眼前の植物のなりを追い越し、腕自慢のように見えてしまうことがあるのはいけばなと変わりないのかなど。もちろん、敬意を持って向かい合った結果であろうことは慮りつつです。

そうしていくつか湧いた疑問を会場にいらした関係者に尋ねましたところ、とても丁寧にご回答いただきました。話しているうちに盆栽誌の編集者さんだということで、追加で作風を異にするものなどについても伺うと系譜や傾向などについてもお聞かせくださり大変勉強になりました。BONSAIとして国際的にも愛好者の多いジャンルにあって、ひとと植物の付き合い方の縮図を改めて垣間見た思いです。


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渡来 徹 | 花道家
ありがたくいただき、世界のどこかにタネを撒こうと思います。