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新説 セルリアの育て方 2022 辛口ver.

※この投稿には乱暴な言葉遣いなどが含まれています。気分を悪くされる方もいるかと思いますのでご理解のある方のみ読み進めてください。

セルリア
serruria
ヤマモガシ科 セルリア属
南アフリカ原産
常緑低木

日本国内では主にプリティピンクやブラッシングブライド、カルメン、レモンハニーなどの品種が流通しています。

渡会園芸ではプリティピンクとブラッシングブライドの2品種を生産しています。
開花時期は11月〜3月頃。(管理方法や環境によってはもう少し遅れる場合もあります)
花の鑑賞期間が1ヶ月以上と長く、切花やドライフラワーとしても楽しむことができます。

【セルリア育てる前の心構え】
まずみなさまに知っておいてほしいのはセルリアを育てるのはまぁまぁ難しいってこと。
寒さにすごく強い植物ってわけじゃないのに寒くなってくる時期に花が咲いてくるもんですから、お店に並び始めるのもそれぐらいの時期になります。
日本全国どこでも育てられる植物だとは思っていませんのでご自分のお住まいの地域、環境、設備などを考慮してから手を出すようにしてください。

むちゃくちゃ綺麗な花に惹かれてセルリアに手を出し、その後枯らしてしまい心に深い傷を負ってしまう「セルリア被害者の会」に入会される方が毎年後をたちません。
被害者の会に入会される方の中にはお話を聞いてみると「そりゃそもそも難しいよね」って方がちょくちょくいらっしゃいます。

屋外での管理が基本となる植物ですからどこでも誰でも育てられるわけでは無い事は知っておいてください。

管理環境を考慮することの他にもう一つお伝えしたいことがあります。
それは
『セルリアが毎年花を咲かせると思うなよ!!!』
ってことです。(絶対に生産農家のぼくが言うセリフではないです)

セルリアを育て始められる方の中には「来年も咲いてくれるのが楽しみです!!」という方がいます。(そのつもりで育ててるんですから当然ですね)

その心構えは全く悪いものではありません。ただぼくが知っておいて欲しいのはそれは容易なことではない。その道はとても険しい修羅の道だということです。

ぼくの体感ですが
・購入した年に花を開花させる=簡単。
・購入した株を来年まで育てる(開花はしない)=まぁまぁ難しい。
・購入した株を来年咲かせる=むっちゃ難しい。
こんな感じです。

開花後、剪定を終えた株を前にしたら今から険しく過酷な戦いが始まるのだと思ってください。
そして、もしもセルリアが枯れてしまっても何も不思議ではない、そーゆーもんだと思って自分を責めたり、ぼくを責めたりしないでください。(ホントお願いします。)

だいぶ不安を煽るようなことを書きましたがそこのところを知っておいてもらうことで「こんなはずじゃなかった!!」という悲劇を回避できると思います。

セルリアを毎年開花させるというのは近所の公園に遊びに行くような軽い気持ちで成し遂げられる行為ではありません。
エベレスト登山のような入念な準備や覚悟、そして少しの運が必要になる偉業なんです!!(中には気がついたらエベレストに登頂しちゃってる奇跡の人もいますが…)

セルリアを上手に咲かせているあの人の笑顔の裏側には数えきれないほどの悲劇、挫折、対策、挑戦があることを察してあげてください。
そして綺麗に咲いているセルリアと咲かせたその人に溢れんばかりの賞賛を送ってあげてください。

そして挑戦の心を持ってご自宅にセルリアを迎え入れてあげてください。


【管理方法】
日当たり、風通しが良い屋外での管理が基本になります。雪、霜、長雨などを避けるため軒下や屋根のあるところがオススメです。
耐寒性は5℃くらいですが寒さに慣らすことでそれ以上にも以下にもなります。
気温が低くなってきたら夜間のみ玄関先など室内に取り込むと良いです。
また、雪がガッツリ積もるような日は室内(暖房が効いていないところ)へ避難させてあげてください。

日光を好む植物なので昼間は可能な限り日の光を浴びせてあげましょう。
日照不足になると花色が悪くなったり株の生育が悪くなる場合があります。

地植えには不向きです。鉢植えでの管理をオススメします。
日本国内での地植えでの成功例がありましたらぜひお教えください!!!

冬場は室内で育ててください。という意見もありますが僕は室内ではうまくいった経験がないのであまりオススメはしていません。(あくまで僕はです)
室内で管理したい場合は室内で育てるのをオススメしてる方にお尋ねください。
うまく育てるコツを知ってる方がいたらぼくにもぜひ教えてください!!!

土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
乾き具合は鉢の重さを目安にしてもらえるとわかりやすいかと思います。
毎日ちょびちょび水やりをして常に土が湿った状態になってしまうより、ある程度乾かして乾いたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと水を与える、そんなメリハリのある水やりをしてあげてください。

水やりについてはこちらでもまとめてあります。
ぜひご確認ください。

【購入時の注意点】
セルリアは環境の変化にとても敏感です。暖かい室内から急に屋外に出した時など花がガクッと下を向いてしまうことがあります。
基本的には屋外での管理で問題ありませんが、園芸店さんによっては暖かい温室内で大切に販売していたり販売環境も様々です。
温室型のお店や暖かい室内で販売されている株を持ち帰ってきて外にドーンと置いて一晩経つと花がガクッと下を向いてしまうという悲劇も起こりかねません。
そんな時は気温の下がる夜間のみ室内に入れてあげたり、販売されていたところと似たような環境で管理してあげてください。
これホントに重要です!!!

寒さにとても強い植物ではないですが、開花時期が冬頃なのでどんどん寒さが厳しくなっていく11月〜12月頃に店頭に並び始めます。
購入の際はどのようなところで管理されていた株なのかをしっかりとチェックしてご購入することをオススメいたします!!

環境変化で株に不調が出る場合は環境が変わって2週間以内くらいで変化が見られます。
ここを乗り越えればとりあえず一安心だと思います。

ちなみに渡会園芸では暖房なしのビニールハウス内で管理されています。室内温度が寒い時で0度付近です。

【開花〜剪定まで】
渡会園芸で生産したセルリアは全て花芽がついた状態で出荷しています。
購入後、水切れさえさせなければ花は次々に開花してきます。
花芽がついている状態で植え替えをしてしまうと重さを目安に水の乾き具合を感じることが難しくなってしまうので開花〜剪定をするまでは植え替えはせずに育てることをオススメしています。
花が咲いてくると枝の先端部が重くなり枝が垂れてしまうため支柱で支えてあります。
支柱は花を剪定するタイミングで外してください。

花の観賞が終わったら枝を剪定して花を切り落としてください。
花を剪定するタイミングはお好みで構いません。切花やドライフラワーとして楽しみたい場合は早めに切ったほうが綺麗な状態で楽しめます。
セルリアの花の観賞期間はとても長いです。満開を過ぎても花色はピンクのまま変わらずまだまだ楽しむことができます。

これが満開の状態です。

剪定する位置ですが株側に葉がしっかりと残る位置で全体の高さを揃えて剪定してください。

剪定する位置は株の状態によって変化します。詳しい剪定位置はLINEアカウント ワタライタクヤ園芸相談所 へ植物の画像を送っていただければ画像に剪定位置をマークしてお返しいたします。

【夏の管理】
セルリアを育てるうえで避けては通れない最大の難関が夏越しだと思います。
ここでの脱落者がとにかく多いです。
最近(2022年頃)の夏はめちゃくちゃ暑く、とにかく日差しが強いです。数年前でしたら「夏の直射日光も大丈夫です!外で育ててやってください!」と言ってましたが、近年はそうも言っていられなくなってきました。
特に日差しの強い10時〜14時くらいまでの時間帯は直射日光を避けて日陰を作って管理した方が安全な気がします。

日差し対策も重要ですがもう一つ重要なのが風通しです。(個人的にはこっちのが重要な気がしてます)
日陰に避難して夏越しをしようとしても風通しが悪いと効果的ではありません。
風の動かないムワァ〜っとした環境では蒸れや痛みが発生しやすくなってしまいます。
台などの上に置き地面から距離をとることで風通しを良くして管理することをおすすめします!

そのほかに夏越しを失敗してしまう理由として考えられるのは
・剪定の位置が適切ではなかった場合
・水やり加減が適切ではなかった場合
・植え替え方法が適切ではなかった場合
などです。

これを読んだみなさまが試練の夏を無事に乗り越えられることを心から祈っております。

【植え替え】
剪定後に植え替えを行うともっとも失敗が少ないです。植え替えに使用する用土は酸性で水はけの良いものを使用し、根鉢をあまり崩さずにそっと植え替えてあげてください。
大きすぎる鉢への植え替えは避け、1〜2回り大きなサイズへ植え替えると良いです。

渡会園芸で使用しているものと同じ用土をオンラインストアで販売しています。(宣伝です!!!)

育て方などでご不明な点がありましたらLINEアカウント【ワタライタクヤ園芸相談所】へご相談ください。

※ここに書かれているのはワタライタクヤの個人的な意見、感想です。適度に信じ、適当に読み流してください。


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