【保存版】Instagram 過去5年間の機能アップデートを全部まとめてみた
「最近、Instagramのアップデートがめちゃくちゃ多いよな...」という気がしませんか。
そんなわけで思い立って、Instagramの過去5年間の機能追加・改善についてまとめてみました。
なお、最後に「すべての記事をまとめたスプレッドシート」のご案内もありますので、まとめて1次情報が欲しい方はそちらもご覧ください。
調べた方法
基本的にはInstagramの公式ブログ(日本語)を参照し、機能追加・アップデートに関する記事だけを抽出して数をカウントしました。
公式ブログではリリースされていないものの、重要そうなアップデートについては別の場所(Facebook公式ブログ、TechCrunchなど)からエビデンスを探しています。
こういう感じでまとめました、地道でした。
調べた結果(サマリー)
まず、「実際、ここ最近の機能アップデートは多かったのか?」という疑問について。
多かったです。年々増えていますね。
2019年はちょっと休憩していたみたいです。2010年から頑張ってますからね...さすがに休んだほうがいいです。
続いて、「どの機能のアップデートが多かったのか?」という疑問。
上位8機能のみ発表します。
ストーリーズが1位でした。
ストーリーズは「質問スタンプが追加されました」「絵文字スライダーが登場しました」みたいな細かいアップデートが多かったこともあり、リリースの頻度が高かったです。
もともとSnapChatの機能をベースに開発されているので、Instagramに最適化していくプロセスの中で細かい改善を繰り返しているんでしょう。
では、2016年から各年ごとに解説していきます。
【2016年】 ロゴとUIが刷新!賛否両論が巻き起こる
▷サマリー
・ロゴとUIが刷新、先見性がありすぎ賛否両論
・ストーリーズ発表! 日常に寄り添うSNSへ
・Instagramを変えた「保存」機能はここから始まった
ロゴとUIが刷新、先見性がありすぎ賛否両論
Instagramのロゴが変わった!というニュースは、IT業界を中心に大きな話題を呼びましたね。当時の大論争は今でも記憶に新しいです。
既にInstagramはフィルターをかけた写真の共有アプリではなくなっていましたから、今考えれば妥当な判断だと思うのですが、当時は「こんなのInstagramじゃない」という声ばかりが目立ちました。
Instagramの先見性にはひれ伏すしかありません。
ストーリーズ発表! 日常に寄り添うSNSへ
ロゴの刷新から3ヶ月後の2016年8月、新機能「ストーリーズ」が発表されました。
SnapChatのリリースからなんと5年後のことです。
当時の僕には「投稿が勝手に消えるなんて意味が分からない、誰が使うんだよそんな機能...」としか思っていませんでした。2020年の今でも多くの人に愛用されているのを見ると、不思議な気持ちになります。
「インスタ映え」が大流行する中で、「何気ない投稿がしづらくなった」というユーザーのインサイトを的確に捉え、「今しかない」というタイミングでストーリーズを発表したInstagramのしたたかさたるや。
Instagramを変えた「保存」機能はここから始まった
そして2016年12月、Instagramの使われ方を大きく変えた「保存」機能がリリースされました。
Twitterでは自分が「いいね」した投稿は一覧化され、いつでも見返すことができ、さらには画像を保存することもできます。
しかし、Instagramでは「いいね」をしてもそれを見返すことはできませんし、画像を保存することもできません。
そんな不便を解消してくれたのが、この「保存」機能でした。
具体的に「保存」が何をどう変えたかは、以下のnoteに詳しく書いています。
【2017年】「投稿プラットフォーム」から「スモールメディアの集合体」への転換期
▷サマリー
・カルーセル投稿で表現の幅が広がる
・ストーリーズ広告解禁、まったく新しい広告体験を提供
・(ちなみに)2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれる
カルーセル投稿で表現の幅が広がる
それまでは1枚の画像・1本の動画しか投稿できなかったInstagramですが、ついに複数枚の画像や動画をまとめて投稿することが可能に。
思えば昔は、複数の写真を同時に掲載したいときはアプリを使ってコラージュしていましたね...(ノスタルジー)。
この機能追加で「じっくり見せる・読ませる表現」ができるようになったことは、Instagramの大きな転換点だったと思います。
それまでは「日常や作品をシェアするためのプラットフォーム」という雰囲気の強かったInstagramですが、ビジネス参入が増えたこともあり「スモールメディアの集合体」へと変貌していきます。
ストーリーズ広告解禁、まったく新しい広告体験を提供
2016年8月の「ストーリーズ」リリースから約半年、2017年3月には「ストーリーズ広告」も一般開放されました。
広告クリエイティブが全画面にダイナミックに表示されるストーリーズ広告は、インパクト抜群の画期的な広告フォーマット。
自分がフォローしているアカウントの投稿に挟まれるかたちで広告が表示されるので、普通なら「邪魔だな」と思われるところ、いつでも広告をスキップできるスワイプ型の軽快なUIがストレスを軽減させる役割を担っていたのは新しい体験でしたね。
(ちなみに)2017年の流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれる
遠い昔のできごとのように思えますが、2017年末に発表された「ユーキャン 新語・流行語大賞」の大賞に「インスタ映え」が選ばれました。
流行語大賞に選ばれると、そのあと急速に流行が廃れていくという傾向がありますが、「インスタ映え」もその例に漏れず、あっという間に使われなくなりましたね。
【2018年】 細かいチューニングを繰り返し、居心地の良いプラットフォームに
▷サマリー
・細かい改善で使いやすさがぬるっと向上
・ショッピングとIGTVがリリース! 広がるコミュニケーションの幅
・「不誠実なアクティビティ」取り締まり強化
細かい改善で使いやすさがぬるっと向上
2018年はかなり大きな機能追加があった一方で、フィードやストーリーズの利便性向上のための細かい改善が目立ちました。
今では定番のストーリーズのGIFスタンプや質問スタンプもこの頃に追加されましたね。
さらに、「ミュート」や「親しい友達」などの機能も追加され、雑然としていたInstagramより居心地の良い場所に整備されていくのを感じました。
ショッピング機能とIGTVがリリース! 広がるコミュニケーションの幅
2018年6月、ビッグな新機能が2つ相次いでリリースされます。
「ショッピング」と「IGTV」です。
これにより、特にブランドのファンや購買層に対しての施策がグッと実施しやすくなりました。
それまでのInstagramは「認知を獲得する場所」「新規顧客との接点を生み出す場所」というイメージが強かったのですが、この機能追加により「より深くユーザーとコミュニケーションを取る場所」としての地位を確立したように感じます。
「不誠実なアクティビティ」取り締まり強化
これは機能アップデートではないのですが、重要なトピックなのであえて取り上げました。
要するに、「今日からは、『自動いいねツール』を使ってるアカウントを見つけたら削除するのでよろしく」ということです。
2017年6月ごろ、中国の「いいね工場」が多くのメディアに取り上げられ話題になりました。この写真を見たときの衝撃は忘れられません...未だに脳裏に焼き付いています。
Instagramのビジネス活用が進み、自動で「いいね」をして回ったり、フォロワーを購入して水増ししたりするアカウントが急増していたこの頃。
今もInstagramはそういった「不誠実なアクティビティ」への対策に追われ続けています。プラットフォーマーの苦労は計り知れません...。
【2019年】 「いいね」が非表示に...業界に衝撃走る
▷サマリー
・業界騒然...「いいね」が非表示に
・発見タブが多くのユーザーに定着、重要なフォロワー獲得手段に
・広告の幅が広がり、アドプラットフォームとしての利便性が向上
業界騒然...「いいね」が非表示に
2019年、SNS界隈を最も騒がせたニュースと言っても過言ではないのではないでしょうか。
日本では2019年7月19日からテストが始まり、そのまますべてのアカウントで「いいね」が非表示となりました。
今ではすっかり慣れたものですが、当初は戸惑いましたよね。
「『いいね』は無理やり増やすものではない」「Instagramはコミュニケーションのためのプラットフォームである」というInstagramの哲学を感じさせる決断でした。
発見タブが多くのユーザーに定着、重要なフォロワー獲得手段に
「発見」タブ自体は2012年からある機能ですが、段階的にアップデートを続けており、2019年には「IGTV」「ショッピング」「リール」といったInstagramのあらゆるコンテンツと出会う場所としてその役割が再定義されました。
このあたりから、新規フォロワーの獲得経路として「ハッシュタグと発見タブ」は本当によく聞く言葉になりました。
広告の幅が広がり、アドプラットフォームとしての利便性が向上
Instagramのビジネスモデルは、基本的にはユーザーを増やし広告を出稿してもらうことでマネタイズする「広告媒体」モデルです。
生活者にとって広告が「邪魔なもの」として忌み嫌われることも多い昨今、Instagramの最大の関心事は「ユーザーが好む広告を生み出す」ことでしょう。
2019年にも新しい広告フォーマットが発表されました。
これまで様々な広告を発明し、改善してきたFacebook・Instagram。
今後の広告の進化からも目が離せません。
【2020年】 コロナの流行を受けスモールビジネス向け機能を緊急拡充
▷サマリー
・コロナ禍におけるスモールビジネス支援機能
・ショッピング関連機能の露出強化で利用促進
・ついにリールがリリース! 3ヶ月でフッター入り
コロナ禍におけるスモールビジネス支援機能
2020年はなんといってもコロナの年でした。
世界中てんやわんやの中、Instagramの迅速な対応はたびたび話題になりましたね。自社の機能を活用してユーザーを楽しませよう、スモールビジネスを支援しよう、という心意気がとってもクールでした。
ショッピング関連機能の露出強化で利用促進
Instagramが長年あたためてきたショッピング機能ですが、日本でもついに本格的な「EC機能」として実用化される機運が高まってきました。
コロナ禍でのEC需要の高まりもそれを後押ししたのかもしれません。
Instagramはいつも新機能を多面で露出させてテストを行い、その後の展開を判断するのですが、今年はショッピング機能のテストリリースが相次ぎました。
そして11月12日、ついにグローバルと期を同じくしてフッターメニューに「ショッピングタブ」が登場。
今後、InstagramのEC関連機能の開発・利用促進はさらにスピードアップしていくものとみられます。
ついにリールがリリース! 3ヶ月でフッター入り
上記のリリースの通り、「ショッピングタブ」と同時に「リールタブ」もフッターメニュー入り。
機能リリースからわずか3ヶ月目でのできごとでした。あっという間の出世劇。
リールはもともとTikTokの類似機能をベースに開発されており、Instagramユーザーにもすんなり受け入れられることは明らかでしたが、それでもフッターメニュー入りするまでのスピード感には驚きですね。
【ちょっと考察】 Instagramの進化から考える「イノベーター理論」
というわけで、5年間の軌跡を振り返ってみました。
わずか5年でこのアップデート...改めて改善のスピードとクオリティに驚きです。
この5年で、Instagramは見事に「写真共有プラットフォーム」から「人と情報が集まるコミュニティの複合体」にその姿を変えていきました。
下記はいわゆる「イノベーター理論」にInstagramの進化をあてはめてみたものです。
かつてアーティストやクリエイターが集う場所だったInstagramですが、そのうちに「インフルエンサー」「インスタグラマー」と呼ばれる人が利用し始め、あこがれの対象となり、きらびやかな生活の象徴となりました。
そして、最近では「丁寧な生活」「より便利な生活」の参考にする情報検索サイトとしても機能するようにもなり、キャンペーンなどでの「お得!」「無料で手に入る!」といった訴求も頻繁に目にすることになりました。
Instagramがすごいのは、このいずれのユーザーグループに対しても価値を提供しようとしているところです。
これを実現する基盤となっているのが、いわゆる「アルゴリズム」ですね。
ユーザーが属するグループごとに情報を出し分け、あたかも「自分が好きな人・欲しい情報しか存在しない」状態をつくりあげることで、誰もが気持ちよく使えるプラットフォームになっているのです。
(おまけ)機能アップデートをまとめたスプレッドシート
ここまで記事を読んでくださった方、本当にありがとうございます...。
(目次から飛んできた方、暇なときにぜひ読んでみてくださいね)
合計68の機能アップデートに関する記事リンクをまとめたスプレッドシートをご用意しています。
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