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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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はじめてのアーマードコア感想(※ネタバレあり)

アーマード・コア6 発売1周年おめでとうございます!!!!!!
初めてアーマードコアをプレイした感想を書き綴っていきます。
※気持ちが溢れて気付いたら1万字超えていました。
前半はネタバレ無し、後半はネタバレありです。
(実は発売から2ヵ月後にトロコンを達成してから感想自体は書いていたのですが、書いては消してをだらだら繰り返し、今に至ります。お前はいつもそうだ)

人生2回目のトロコン(1回目はSEKIRO)

雑語り

自己紹介がてら雑語りをします。どうでもいいという人は飛ばして下さい。
さて、タイトルにもあります通り、初めてのアーマードコアでした。
元々あまりロボット系のコンテンツに触れてこなかった人生でしたが、4年ほど前にあるロボゲーに触れて興味を持ってからは早く、今や片っ端からアニメを見て、棚にプラモとメタルロボット魂が鎮座している状態です。(一番好きな機体はブラック・サレナ)
色々なロボ系コンテンツを見ていく中、特に心惹かれたのはACfAのOPでした。過去にテレビのCMで見ていたというのもありますが、少年時代は分からなかった本物の兵器のような機体や世界観などに浪漫を感じ、動画や設定を漁り続けるようになっていました。

「あのCM、アーマードコアだったんか!?」となったOP
十数年ぶりの再会

これは個人的な思想ですが、人型ロボット兵器は、戦いに勝つために当時のその世界の人類の技術を結集したものであってほしいと思っています。戦闘に勝利し、生きるためであればこそ、人型ロボット兵器は戦場で主戦力となり、それを駆るパイロットはエースであり、機体にはパイロットの得意分野や勢力の技術力に合わせた個性が生まれ、ギミックや新兵器の工夫や機能美にワクワクし、そこに浪漫があると考えます。(そういうリアル系でおすすめの作品があったら教えてください)
ACは情報を見る限り(多分唯一)自分の好みに完全に一致し、新作が出たら絶対やりたいと思っていたのですが、10年くらい新作が出ていないし…

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
アーマードコアの新作が出る!!!アーマードコアの新作が出る!!!
あれから1年。Twitterで"アーマードコア新作"と"集団幻覚"がトレンド入りしたり、"梅田の逆脚"、"秋葉の四脚"、"名古屋のハウンズ"、"広島の隻狼"、 "博多のワタリガラス"などのリアルネームド強化人間が現れたり、強化人間の生き様(死に様)を描いたPVが公開されたり、公式生放送で渋谷の花火師が伝説を打ち上げたり、色々ありましたが、待っている時間は長かったようであっという間でした。
そして2023年8月25日、ついにルビコン川を渡る時が来ました。

感想

まず、結論から
神ゲー!!!最高の神ゲーです!!!
間違いなく自分の人生の中でトップ5に入る素晴らしいゲームでした!
乾いた無機質な戦場、硝煙の雲と弾丸の雨の中を愛機で駆け、時に雑兵を蹴散らし、時に強敵と死闘を繰り広げる体験は、まるで自分自身がロボアニメの主人公になったかのようでした。
ゲームへの没入感も凄まじいものでした。主人公のC4-621(以下621)は、過酷な設定により会話ができないためプレイヤーの分身感が強く、自分自身が実際にアーマードコア(以下AC)を操縦している感覚になっていきます。加えて、アクションも直観的で分かりやすく思い通り動くため、最終的には人機一体とも言える状態になっていました。

画面右側でサランラップでぐるぐる巻きになっている過酷な設定のC4-621。
主人公のビジュアルが公開されるのはACシリーズ初らしい。主人公の姿か?これが…

そして、プレーヤーが限界まで621とシンクロした状態で、感情とテンションがジェットコースターのように乱高下するストーリー展開が容赦なく脳を焼いてくるのです。
辺境の開発惑星ルビコン3を舞台に、謎の新物質"コーラル"を巡って広がる全てを焼き尽くす戦火。コーラルを追う謎の人物ハンドラー・ウォルターの命令で戦場に投入される621。各勢力の思惑が入り混じる戦場で飼い主であるハンドラー・ウォルターと謎の少女エアと共に、621のコーラルに辿り着くための"仕事"が始まる。果たして621は闘争の先、コーラルを手に入れ、人生を買い戻すことはできるのか。
最後の方は暗黒メガコーポ=フロム・人の心が無い・ソフトウェアによるプレーヤーの感情の耐久実験のような容赦のないストーリー展開によって情緒が不安定になり、ガタガタしながらラスボスを倒し、放心していましたが、素晴らしい体験をさせていただきました。ここまで感情移入したゲームは久しぶりでした。恐ろしいゲームです。

導入 ※ここからネタバレあり

初めてのアーマードコアは、辺境の開発惑星ルビコン3に密航するところから始まりました。なんて治安の悪い
惑星封鎖機構の妨害をギリギリでかわして不時着し、ルビコンに立ちます。
無茶な着地で蒸気を吹き出す傷付いた機体、立ち並ぶパイプの壁と、錆びた鉄の天井、道を白く照らすライト。
無機質で美しいと思いました。意識は既にこの世界にのめり込んでいます。

操作も直観的で分かりやすく、想像よりサクサク進められます。
移動の度に吹き出すブースト炎と、銃とミサイルとブレードで敵を蹴散らす無双感にテンションは最高潮です。
そして、カタパルトに続く扉を開き、閉塞感のある鉄の檻から出て世界が広がった瞬間、一面の雪山と聳え立つメガストラクチャ群の景色があまりに綺麗で思わず立ち止まってしまいました。フロムゲーは、このような"辿り着いた先で見る景色"が美しいのも好きなところです。

カタパルトから白き閃光の如く出撃し、ウォルターの命令で死体のライセンスを漁った先で待っていたのは、洗礼でした(いつもの)。
通称ルビコプター、鉄の門番です。このゲームの難易度をテンダーフット(初心者)に示してくれます。新参だろうが操作に慣れていなかろうが容赦なく撃ち殺されます。そう来なくては。
敵の動きと弾に集中しながらブースターをふかしての高速戦闘、状況に応じて複数の武器を瞬時に使い分けるロボアニメで見たような操作感、敵の衝撃値が溜まりスタッガーした瞬間の高揚感と近接武器でぶった切るときの爽快感、全てが最高です。
死ぬほど死にますが、再戦毎に敵の動きを覚え、リペアを使う回数が減り、敵の体力を徐々に減らせるようになります。
そして十数回のリトライの後、スタッガーした敵をぶった切り、スローモーションの中で敵が爆散した瞬間、脳汁が溢れ出して視界が虹色に染まり、このゲームは最高であると確信しました。
トロフィー"密航"を手にし(そんな称号があっていいのか)、ACを始める資格を得ました。

アセンブルについて

洗礼を超え、ご褒美のアセンブルの時間です。
自分の機体をカスタマイズできる…素敵だ…量産機よりワンオフ機派の私は、"自分だけの機体"という言葉に心が躍ります。
私は永遠の 厨二病 男の子なので、刀剣やバイク、ロボなどの、所謂相棒に憧れており、意気揚々とアセンブルを始めました。
しかし、これがとんでもない沼でした。最終的に、ゲーム本編よりアセンブルをしている時間の方が長かったと思われます。
自分だけの相棒もとい愛機を自分で組み立てるので、気合が違います。最高にかっこいい見た目かつ、自身の戦闘スタイルに最適化した構成にしたいものです。速度に特化したいが火力も欲しい…浪漫も必要…などなど。パーツと武器が手に入るほど、やりたいことが増え、可能性が広がっていきます。
一方で、やりたいことが無制限にできるわけではありません。機体の攻撃力・耐久力・スタミナと機動力はトレードオフの関係にあり、全てを備えた機体は作れません。これも面白い。戦闘を面白くするのは良質な制限です。私の場合、スピードに特化した機体が好きなのですが、火力の高い武器や耐久力のあるパーツは重い傾向にあるため積みすぎると機動力を損ないます。機動力を残しつつ積める好みの武器とジェネレーターはどれか。パイルバンカーは絶対に積みたいので他のどれを切り詰めるか、好きな動きができる脚はどれか。あれを積むと速度が遅い、これを積むとエネルギーオーバー…やりたいこととできることの中であーでもないこーでもないと悩みながら機体を組み立てていきます。出来たらテストで実際に動かしてみて、またアセンブルに戻る。そういうことを繰り返して納得ができるラインを探ります。
納得が出来たら機体の色を設定していくのですが、これが底無しでした。
外装、内部フレーム、ジョイント部、ライトなど、それぞれ細かく色を変えられます。加えて質感(金属からプラスチックなど)や汚れまで設定できるため、こだわり始めると止まりません。こだわり始めるとその日はガレージから出られなくなります。
そんなこんなで試行錯誤を繰り返しながら完成した機体に名前を付けた瞬間、唯一無二の相棒ができた感じがしました。

我が愛機、"BIRD CROSSER"。
30MMであとペイター機と六文銭かミドル・フラットウェル機が来たら作れます。
商品化待ってますバンダイさん。やっぱ厳しいかも…

世界感について

仕事のために外に出撃すると、待ち受けているのはディストピアでした。
概ね全ステージ人間の欲と罪と業でできています。
生活のためではなく、利益と目的のために必要だから建てられた建造物群。聳え立つメガストラクチャ。そして、火薬と硝煙、灰と残骸の戦場。全てのステージに生活感は無く、故に無機質な印象を受けます。
ルビコンの元の風景に全く馴染んでいない構造物を見るに、ルビコンにとって正に人類は星に寄生し資源を吸い尽くす害獣と言えるでしょう。
しかし、そんな風景に美を見出す瞬間が多かったのも事実です。
最新のゲーム機のスペックで実現できるグラフィックスと細かい作り込みにより、各ステージは匂いすらしそうなほどリアルに仕上がっていました。
ルビコンの雪山に乱立する人間の建築物、錆びたグリッドに刺す陽光、焼け崩れたかつて栄華を極めた都市など、相容れない故のコントラスト、または調和や、生み出されたものがゆっくり朽ちていく歴史に美を感じ、思わず足が止まることもありました。
見惚れていると突然横から銃弾が飛んできたりするので、よそ見運転はいけませんね。

キャラについて

「AC6と言えば魅力的なキャラ達」
そう言っても過言ではないでしょう。
出てくる人達が全員いいキャラをしていて驚きました。
ここ最近の私はといえば名前が覚えられなかったり記憶が飛んだりするのが悩みで、年齢のせいか別要因なのか戦々恐々としていますが、AC6に出てきたキャラ達は全員忘れられません。全員キャラが立ちすぎている。
飼い主であり親でもあるウォルター・イケメンの化身ラスティ・感性が独特な脳内彼女のエア・厳しくも優しい鬼軍曹ミシガンなどの善人から、ヤク中・借金王・様子のおかしい人などの変なの、可哀そうな訓練兵・数学が得意なオオサワなどのモブキャラまで、いろんなベクトルの濃いキャラが揃っており、全員記憶に残っています。
特に好きなキャラは誰かと言われると困るくらい全員好きなのですが一番はやはりウォルターでしょう。使命と犠牲に縛られた石の様な老紳士、一定の距離を置こうとする態度から隠しきれない愛情、陰で行われる気遣い、時折洩れる悪い声。PVを見たときはいつ手を噛んでやろうかと思っていましたが今は尻尾が止まりません。半分トラウマになっていますが。パーカーも買いました。あったかふわふわです。

戦闘について

今作はロボゲーということで、主となる武装は重火器やレーザー兵器、つまり遠距離武器です。私は、ゲームの戦闘は近接戦こそ至高!安全圏でのノーリスク戦闘では生を実感できない!というタイプでしたので、楽しめるのか不安でしたが、全くの杞憂でした。
ロボだからこそできるブースターをふかしながらの三次元の高速戦闘と、4つの武器の同時操作はロボアニメのパイロットの様で、童心に戻るくらい楽しめました。
戦闘を彩る数々の武器も素晴らしい。どれもこれもユニークでおもしろく、使いたくなります。更にメカ特有のギミックもあり、見ているだけでも楽しめます。曰く「つまらないものは、それだけでよい武器ではあり得ない」。
ハンドガンやアサルトライフルなどのシンプルで王道な武器や、みんな大好き変形チャージ武器、火薬馬鹿の耳鳴りなど多種多様です。中でも近接武器はやはり戦闘の華、戦法の軸になります。私は特に浪漫武器が大好きなので、パイルバンカーをずっと愛用していました。たまに0距離で外して絶対当たっただろと首を傾げることもありますがそれもまたご愛嬌です。いや、やっぱ許せねえ…当たっていただろ今の…
何より、機体と武器がかっこいい。"かっこいい"というのはシンプルですが体験としてとても強いのだと改めて実感しました。

PVで見た瞬間から心をつかんで離さないパイルバンカー
浪漫はすべてに優先する

今までのフロムゲーのノウハウが蓄積された戦闘も私好みでした。
スタッガーシステムによって常に大ダメージの危険が付きまとうため戦闘に緊張が生まれ、敵の攻撃と回避に集中力を要します。そこからスタッガーが取れた瞬間の高揚感、大ダメージを入れて止めを刺した瞬間は解放感と達成感で脳みそが幸せになります。
そして、これら全てを駆使して自分の想像通りの戦い方ができたとき、さながらエースパイロットのような気持ちになれます。
また、フロムゲーと言えばボス戦です。
明らかにでかい部屋に入った瞬間に流れるムービー、ボスの全容があらわになり、戦闘態勢に入り、ゆっくりこちらを睨みつけてくる静の瞬間。嵐の前の静けさから戦闘が始まる動への切り替わり。初見時の心の高まりが最高になる瞬間です。
そして始まるボス戦。
私はフロムゲーの達成感で視界が虹色になるボス戦の体験を愛しています。
強く魅力的で、戦闘には常に緊張感があり、難易度はギリギリ理不尽でなく、敵の動きを死ぬほどよく見て学習していけば、確実に上達しているのが分かる。キャラが強くなったのではなく、自分自身が強くなっていると感じられるのがフロムゲーの共通するいい所だと感じています。
そして、何度も死にながらボスの体力を徐々に削っていき踏破したとき、駆け巡る「達成感」という虹色の電流で視界がパチパチ弾けて脳みそが幸せになるとき、このためにフロムゲーをやっていると感じます。私はこれのおかげでパチンコにはまりませんでした。
今作のボスも全員魅力的です。
登場シーンもそれぞれ個性的で、高速接近してくる機体も、変形する機体も、舞い降りる機体も、全てかっこよくて、こちらを昂らせます。
特にお気に入りはチャプター4のアイビスです。上述の通り高速機動特化の機体が好きなのもありますが、動きは優雅で美しく、ファンネルとブレードで赤いコーラルを操り戦う白い機体は一気に厨二心を掴まされました。
尋常ではない強さなのもあり、とんでもない回数殺されたのも印象に残っている要因です。それでもあまりイラつかなかったのはそれほどかっこよかったからでしょう。倒した時は絶叫しました。一番好きなボス機体です。
ロボット魂さんかコトブキヤさん、製品化待っています。

ストーリーについて

よくもやってくれたなフロムソフトウェア 
※誉め言葉です。
まず今作のストーリーですが、正直油断していました。フロムゲーとは思えないほど感情が荒ぶりました。こんなにかき乱されるとは思っていなかった。「ストーリーが面白い!」と他の人にお勧めできる程面白かったです。基本的にベースの世界観が殺伐としており、飼い主や友人でさえ何かを隠していて完全に信用できない。だからこそ人の温かさや戦いの中で見れる本音が胸を打ったのだと思います。
コーラルを手に入れて人生を買い戻すために始まった仕事。何やら企んでいるようで真意が見えない飼い主…足を引っ張り合う自分勝手な企業…ルビコニアンからぶつけられる怒り…暗躍する謎の勢力…誰を信じ、どうすればいいのか分からない重苦しい空気が続きます。
そんな中で、定期的に挟まれる超かっこいいシーンや面白シーン、激アツシーンがテンションをぶち上げてくるのです。

激アツシーン筆頭
ルビコニアンデスワームの頭と同時に、戦友のハートも男女問わず撃ち抜いてくる
私は男ですが、同じく撃ち抜かれました

基本的に話が重いので、おもしろ話やかっこいいシーンがより際立ちます。キャラが基本的に愉快なので、話が重くなりすぎないのもいい所です。
楽しい遠足、戦友との壁越え、カーゴランチャーでマッハで撃ち出され着弾する海越え、霧の中のデート、ご友人とのダンス、そして敵対企業が手を取り合って挑む氷原の化け物退治。笑えるシーンや、ロボアニメファン全員が好きそうな最高のシチュエーションと魅力的なキャラが心の暗雲を叩き割ります。
まあそれもアイスワーム戦までですが。
一番心に残ったのは、レイヴンの火ルートでのラスティとの最終決戦です。
悩み、選択し、背負ったところに新型機体で登場する、理由なき力の恐ろしさを説いた戦友。あまりにもかっこいいが過ぎる(主人公にしか許されないムーヴでは?)。エネルギー無限の高速戦闘、背景を背負ったことを認めてくれ、それでも引けない信念のぶつかり合い、スタッガーの瞬間撃ち込まれるパイルを受け吹っ飛ぶスティールヘイズ・オルトゥス…
「まだだ…!」
そして再起動。
「より高く飛ぶのは…私だ…!」

闘争本能むき出しの戦い。全てが最高で、悲しいはずなのにお互いが高め合う様に、感情が昂っていきます。
そして決着。最後まで戦友と認めてくれた戦友は去り、高揚感が引いていくと悲しさが戻ってきました。
結局みんな死んでいってしまう。しかし、悩んだ選択を全員尊重してくれ、戦いの中で向き合ってくれて、悲しくはあるものの振り向かず進める不思議な感情になれるストーリーでした。
思うのですが、最近のフロムは人間の心を理解し始めてきたのではないかと感じます。つまり、殺しても心が痛まない外道よりも、殺したくないくらいのいいキャラを殺させた方がダメージが大きい。
ダークソウルⅢでは陰気か胡散臭いキャラがほとんどでしたので、敵対したり、いなくなったりしても、少し寂しい…くらいの傷で済んだのですが、SEKIROから人情味が溢れるいい人が増えた気がしており、今作はそれが特に多かったように感じます。殺したくないいい人が多すぎる(ただしスネイルは二度殺す)。
2つのルートの最後はボロボロ泣きながら戦っていました。

余談ですが稀に挟まる「これ、あれじゃね?」みたいなシーンも心の清涼剤になっていました。
本当に制作班はロボが好きなんだなと笑っていました。

〇ヴァで見たみんな大好き垂直カタパルト
〇ュベレイ
〇クロス

エウレカセブン要素もあったような?

レイヴンの火エンドについて

どうしてこんなことに…
最初に到達したエンドがレイヴンの火エンドでした。
助けてくれたカーラとチャティを、何よりウォルターを裏切ることができませんでした。ふと思い返すと、ここで親父とカーラを裏切れない…と縛られた選択をした時点で、自由にはなれませんでした。それはもうフロイトにも「鳥というよりは犬だな」とか言われるわけです。おそらく犬。
もっと早くにウォルターにエアのことを打ち明けていれば何か変わったのではないか…何故ウォルターを信じられなかったのか…アイビス戦後にもっと警戒していれば…後悔が尽きません。選択には何もかもが遅すぎました。
戦いが終わった後、ゆっくりと消えていくエアの目の光を見て、友人の死を実感しました。ずっと一緒にいた愛すべき異星人の友人を失い、何かと世話を焼いてくれたカーラとチャティを失い、色々な思い出があるルビコンも、コーラルも、人生を買い戻す金も、何もかも全て燃えて無くなりました。
残ったのは愛機と、歴史的な犯罪者という汚名のみ。
それでも何もかも終わった後、ウォルターからのメッセージで全部報われた気がして、終わった後泣きながら寝込み、1週間ほど引きずりました。

ルビコンの解放者エンドについて

よくも…よくもやってくれたな…許さんぞフロムソフトウェア…(怨嗟)
少し怨嗟が洩れました(修羅)
ちょっと前まで「私こそが企業だ!」でキャッキャしていたのに一気に葬式並みの気分に落ち込みました。
大気圏突入で赤く染まるザイレム、立ちはだかる"最後の安全弁"。
燃える…燃え落ちていく…
ウォルターが…ウォルターの置き土産が…ウォルターの意志が…何もかも燃えて無くなっていく…
俺に意味を与えてくれた。一人の人間として尊重してくれた。人生をやり直させてくれた。
なのに、俺はウォルターを楽にしてあげることしかできない…
台詞の端々から、何があったのかが想像できるのもつらい。怒りをぶつけるべき相手も先ほどパイルで貫いています。どうしようも無い感情ばかりがあり、いつもは戦闘狂なのにずっと迷いながらオロオロ戦っていました。
しかし戦いの中で、徐々に洗脳が解け、企業の命令と友人の使命がないまぜになった状態で、うわ言の様な本音が
「コーラルを焼けば…俺たちの仕事は終わる…」
「お前が稼いだ金だ…」

「再手術をして…普通の人生を…」
ここで耐えられずコントローラーを置きました。
戦闘中に前が見えなくなり、戦意喪失したのは初めてです。
ひとしきり泣いた後どうにかして気持ちに整理をつけ、それでもたった一人の友人のためにと、ボロボロになりながら倒しました。
「使命を…」
「友人たちの…意志..を…」

本当に石のような人…
思わず、「俺も一緒だよ」と言葉が洩れました。
ウォルターと同じ、友人を助けるために選択したのです。
「そうか…621…」
「お前にも…友人ができた…」

ここで決壊しました。もうダメです。善意の話に弱いのです。
EDが流れていましたが、放心していました。
その後泣きながら横になり、2週間ほど引きずりました。未だに完治していません。これほどの精神ダメージは人生3回目です。恐ろしいゲームです。

今なら分かるよ。あんた達、あのとき笑ってたんだ

賽は投げられたエンドについて

2周目でルビコンの解放者エンドを見届けた私は頭を抱えていました。
「困った…吉穴が見えぬ…」
ウォルターの遺志を継げばかけがえのない友人を失い、エアを助ければ愛する親父と敵対する。
果たして両方生存するハッピーエンドは無いものか…無いんだろうなぁ(Twitter(仮称:X)でウォルターとエアと621のほのぼの漫画が流行っているのを見ながら。このような漫画が流行っている作品の本編に救いは無い)
そんな暗い感情で進んだ3周目、ラスボスは予想通りオールマインドかと睨みつけていたところ、突然野良犬と呼ばれてビビりました。
「イグアスお前ラスボスなの!?」
全く予想していませんでした。
何でここまで俺に執着しているんだこいつ、多対一で勝って嬉しいのかお前とか色々言いながら戦っていましたが、多対一を制し、改造アイビスの様な機体での最終決戦、友人との共闘とアツすぎる状況に大盛り上がりでした。
それでも向こうは3人だしこちらは2人だし、イグアスお前それでいいのかと悶々としながら体力を半分削った瞬間、
「てめぇら…まとめて消えろ!」
景色が透明になり、突然始まるタイマン。
「そうだよなぁ!!!」

3周目で一番デカい声が出ました。
そうでなくては、そう来なくては。
思えばイグアスと621の共通点は多く、全てを失ったイグアスと全てを手に入れた(様に見える)621は対比になっていたのでしょう。
イグアスはこれまで戦闘も結果も全て文句ばかり言い続け、実戦でもあまり強い印象が無かったため私自身が正直イグアスを舐めており、対等に見ていませんでした。いつも何となく気に入らないから喧嘩を売ってきているだけのように感じていたのです。
しかし、本当はそんな安い感情ではなかった。
そして、執念だけでライバルとして無理矢理主人公の視界に入り込んできた。最後の意地でタイマンを挑んできた。ここで初めて対等になった。
それが何よりもアツい。
そこからは楽しい戦いでした。
殺されても「やるじゃねぇか」と笑えました。初めてイグアスをちゃんと見て戦いました。
そして決着。
スローモーションで改造アイビスが爆散する中、油断していました。
「俺は…てめぇが妬ましかった」
月光クローを展開し、最後の意地で突っ込んでくるイグアス。
「マジかお前!!」
回避を連打する目の前で、ギリギリ届かず爆散するイグアス。
「イラつくぜ…野良犬に…憧れたんだ…!」
この台詞で一気にイグアスが好きになりました。
本当に、一番楽しい戦いでした。

かっこよかったぞ。イグアス

そして、始まるコーラルリリース。
コーラルの収束…赤いブラックホール…美しい…
気付けば綺麗な水の中、エアの声で起こされ、煌めく赤い星空を眺めます。
「ともに 新たな時代を…」
「メインシステム 戦闘モード機動」
デェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェン!!!(流れるStargazer)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
何故かは分かりませんが、立ち上がって拍手をしていました。
凄まじい爽快感に持っていかれました。
最後の最後に悲しい終わりではなく、晴れやかな気持ちのエンドに辿り着くことが出来ました。
3周やって本当によかったと心から思えました。

終わり

ゲーム本編はクリアしましたが、戦いは終わっていません。
ランクマで楽しい戦いが続いています。
グッズもプラモも大量に販売されています。全部買います。
このゲームに出会えてよかった。
アーマードコア6、大好きです。

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