要注目 studio kNotの公演"刻む"
studio kNot?
打楽器実演家集団 studio kNotの公演"刻む"を観てきました。
studio kNotはいつも劇音楽の録音でお世話になっている、大阪音楽大学の葛西友子さんが中心になって結成された打楽器奏者のみからなる音楽グループです。
見せ方にも工夫がなされており、それは公演場所として、音楽ホールではなく主に演劇が催されるシアターが選ばれている事からも分かります。
刻む
2024年5月11,12日と伊丹AI・HALLで行われている公演"刻む"を観てきました。
全6曲演奏されたのですが、1曲目の奏者は1人、2曲目は2人、3人目は3人〜と、一人づつ増えていきます。
曲間は暗転の中、さまざまに見せ方に工夫を凝らした複数のメトロノームにスポットがあてられ、幻想的な舞台美術の中、チクタクという音が絡みあってワクワクが醸成されていきます。
それらメトロノームに気を取られている間に、いつの間にか奏者が舞台についているという、驚きと楽しさのある演出が憎い。
1曲目「Sleight of and Evil Hand」
気がつくと舞台中央にメトロノームとスネアと奏者が一人。
チクタクチーン!というメトロノームに合わせて、スネアが様々に鳴らされる。
ブラシで前にもおいたメトロノーム自体も叩いたり
最後、徐々にメトロノームがゆっくりになって演奏と共に止まる。
どうやってんの?
2曲目「Impressions of Chinese Opera (Ill. Da)」
一曲目終わってからの静寂を破り、勢いよく叩き鳴らされる太鼓、徐々に音程感のあるチャイナシンバル?小さいゴング?が混ざり遠くの異界に連れて行かれる。
向き合って叩き合う2人が、互いのスティックをぶつけ合いつつ作られるリズムが最高
3曲目「Click」
3人がそれぞれ、手に持ったクラベスを叩き合いながらリズムがつくられていく、おどってるみたい。いや、踊りだった。神事みたい。
4曲目「Trances Ⅰ」
左手に持ったキッチンボウルを、上げたり、伏せたりしながら叩く。上げた時にボウルが響いてるような、電子音のような音が漏れてくる。ボウルの上げ下げで音にフィルターがかかる。
ボウルの中に照明が仕込まれている。
会場の照明がギリギリまで落とされていて、ボウル上げた時にだけ音と一緒に光が漏れる。
5曲目「The Blue Flame Quintet」
マリンバ、ベルツリー、コング、グロッケン、ジャンベ等々沢山の打楽器
統制の効いたマリンバの響きから野生的なジャンベへの転換痺れる
6曲目「Danza Bamboo」
竹を叩く叩く。そこにカッサやトムトムが絡む。そしてアンクルン。
アンクルンは知ってたけど、こんな風にしっかり演奏に組み込まれているのは初めて観た。音程の異なる4つのアンクルンのハーモニー。
曲のクライマックス、他のメンバー5人も加わって11人の打楽器奏者が一斉に叩きまくる。一糸乱れぬ打撃音、会場全体を飲み込む巨大な生き物のようなグルーヴ。最高でした。
次回公演
studio kNot
“これは題名のつけられないコンサート”
想像してください
ご予約いただいたあなたの時間に会場へお越しください
ひとりのコーディネーターがあなたをお迎えいたします
どんな毎日をどんな風に過ごしていて
どんなものを愛しているのか
その会話の中から
あなたに似合った音をコーディネートします
入った空間には椅子がひとつあなたのために用意した椅子です
そして舞台には
一点の絵画と沢山の楽器”打楽器”が並んでいます
手渡される封筒にはカードが2枚 これから聴く作品名が書かれています
舞台に明かりが移り音楽家が現れ・・
あなたのためだけのコンサートのはじまりです
仕事を終えたその時間に。
特別な日に。
あなたの静かな時間に色を添えます。
非日常の音楽体験をしませんか
あなたがいてこのステージが可能になる
これは題名のつけられないコンサート
2024/6/26~6/30
@THEATER E9 KYOTO
これはもう行くしかないでしょう