ドキュメンタリー映画「そこにあるべきものたち」
音楽を担当した板橋基之監督映画「そこにあるべきものたち」の苕野神社(くさのじんじゃ)特設スクリーン奉納上映会に行ってきました。
映画「そこにあるべきものたち」
板橋基之監督によるドキュメンタリー作品です。福島県浪江町請戸を舞台に、東日本大震災による津波と原発事故の影響で住むことができなくなった地域を描いています。この映画は、津波で流されてしまった神社が新たに再建される過程を通じて、その土地を愛し続ける人々の思いや、故郷への深い敬意と復興への希望を映し出します。土地に寄せる人々の思いを丁寧に紡いだ物語が心に響く作品です。
映画の公式サイトはこちらです。
苕野神社(くさのじんじゃ)特設スクリーン奉納上映会
2024年11月16日、映画「そこにあるべきものたち」の特別上映会が、映画の舞台となった苕野神社の境内で開催されました。この上映会では、神社に向けて設置された特設スクリーンが使用され、映画が神様に奉納される形で上映されました。神社の静かな雰囲気の中で行われたこの特別なイベントは、作品に込められた思いや祈りをより深く感じられる貴重な時間となりました。
改めて映画を観て
2024年7月の映画完成以来、改めて「そこにあるべきものたち」の鑑賞でした。しかも、その舞台となった苕野神社で、震災前までその土地で生活されていた方々と共に鑑賞するという特別な時間でした。
この映画で自分が行った音楽の表現は、果たして「そこにあるべきものたち」や「そこにあるべき人々の存在」を本当に受け止められているのだろうか――。受け止めようとする思い自体が、もしかすると傲慢なものなのかもしれない。そんなさまざまな思いが交錯する中での鑑賞でした。
映画そのものは素晴らしい作品に仕上がっており、観てくださった方々からの反応も心に響くものでした。偶然にも震災前から浪江町を取材してきた板橋監督と町の人々の実直で真摯な交流がスクリーンに映し出され、その温かさが映画全体に宿っていたように思います。
私自身、この映画の一部に携わることができたことを改めて感謝しました。
この映画の特殊な性格
板橋監督は脚本に基づく劇映画も多く手がけており、その経験がこのドキュメンタリー映画にも大きく影響しています。ジャーナリズム的なアプローチに偏ることなく、情報の提供よりも、その土地が持つ物語や人々の暮らしに深く寄り添う姿勢が特徴です。この作品は、ドキュメンタリー映画の枠を超えた新たな表現に挑戦したと言えると思います。
請戸小学校
上映会の翌日、苕野神社のすぐ側にある「震災遺構 浪江町立請戸小学校」を訪れました。この小学校は、東日本大震災の津波に襲われた場所で、当時のままの姿が保存されています。津波の恐ろしさや震災の記憶を風化させず、多くの人が震災について考えるきっかけとなるよう、遺構として公開されています。
正直、かなりうろたえました。震災の様子はメディアを通じて知っているつもりでしたが、それが眼前に現れた瞬間、胸や頭にドスン!とした衝撃を感じ、そこからは何だか意識が遠くの方にある感じでした。
さまざまな思いがよぎってこれ以上言葉が出てきません
映画の上映は続きます
第2弾
2024年12月14日(土)@朝日座
福島県南相馬市原町区大町1丁目120
JR常磐線・原ノ町駅より1km / 徒歩14分
第3弾
2025年1月18日(土)@まちポレいわきB1プラス
福島県いわき市平字白銀町1-15
JR常磐線・いわき駅より 徒歩1分
詳細は公式サイト「そこにあるべきものたち」でご確認ください。