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トレンドは「親子の時間の流れ」?マクドナルド・サントリー成人の日など、印象に残ったCMの記録(1月)

個人的に、CMは時代を映す作品だと考えています。

メッセージもそうですし、起用されているタレントも時代を映すものだと思います。

本記事では、1月に見たCMの中で印象に残ったものを独断と偏見で書いています。(一部2月のものも混ざっています)

「こういう捉え方もあるんだ」と参考程度にご覧いただけると嬉しいです。

サントリー 成人の日CM 「大人じゃん」篇

成人の日のために放送されたサントリーのCM。

18歳になった息子と、その母親の歩みが、ORANGE RANGEの名曲『花』とともに映されています。

このCMには、息子と母親両視点から描かれているバージョンがあり、同じ出来事がそれぞれの視点で振り返られています。

子ども世代は子ども視点で見て共感し、親世代は親視点で見て共感できる仕掛けになっています。そして、両方見ると感動が増します。

ちなみに、ORANGE RANGEの『花』がリリースされたのは18年前。これは2022年度に成人を迎える人が生まれた年です。

一般的に恋人同士のことを表すとしているこの曲ですが、親子関係にも当てはまるのは個人的には新たな発見でした。

成人を迎える人・その親御さんはもちろん、関係者ではない人も18年という歳月と、今まで出会った大切な人の存在を感じることのできる素敵なCMです。

このCMについては、解説&感想記事を書いているので、よろしければご覧ください。

マクドナルド 「旅の前の朝マック」篇

こちらも感動・寂しさを感じるCMです。

優香さん演じる主人公?の女性が、朝方にマックにいる所から始まります。優香さんは、家族とこれから出かける(スキー?)予定で、その前にマックに寄っていたようです。

すると、近くの席で学生が集まっているのを見つけます。おそらく、これから旅行(持ち物的にスノボ?)にいくのだと思います。

その様子を見て、少し寂しそうな表情を浮かべる優香さん。

「旅の前の朝マック」は同じでも、次第に家族より、友達と行く時間が増えていく、そんな寂しさを感じる様子が、朝方のかわたれどきにマッチしています。

僕も早朝に家族と出掛けて、マックに寄っていた記憶はあります。なので、このCMを見てしっかり懐かしさを感じます。

ただ、どちらかというと、大学生の頃に早朝のバイトが始まる前や友達と旅行に行く前に食べた記憶が強いです。上書きというか比較的直近の記憶だからなのかもしれませんが、家族以外に行った思い出が増えるのは確かにそうです。

また、学生時代の頃は、友達と食べる機会が多くても、もっと大人になって結婚して子どもが生まれると、家族(親ではなく、パートナーや子ども)と行く機会がまた増えます。

ただ、子どもはいずれ友達と行く機会が増えていく・・というように、親から子へ、子から親への時間の流れが繰り返されているのを思い、切なくなります。

余談ですが、このような「時間の流れ」をテーマに描いたCMは、最近特にマックでは多い気がします。

最近では、ハッピーセットを卒業するCMが「感動する」と話題になっていました。

マクドナルドは今年で50周年。あらゆる家族に寄り添ってきたお店です。実際にお客さまとお話すると、マクドナルドと家族だからこそ生まれた思い出がたくさんありました。(中略)大好きなハッピーセットを卒業する子と、それを見た家族の、嬉しくもあり、寂しくもある瞬間を描いています。

(TBWA\HAKUHODO アートディレクター 徳野佑樹)
https://mag.sendenkaigi.com/brain/202105/up-to-works/021159.php

これはディズニーランドなどのテーマパークで使用されることが多かったのですが、マクドナルドでも最近は特に意識されているのかもしれません。

マクドナルドも小さい頃から大人になるまで通うので、その時々のライフステージに応じて、一緒に行く人も、買う商品も異なり、懐かしさを感じやすい構造になっていると思います。

余談ですが、子どもの時を振り返ると、「なんで朝マックがあるんだ?朝からハンバーガーやポテトで良いのに」と思っていたことがありました。

大人になると、朝からハンバーガーやポテトなんて無理で、マフィンやハッシュドポテトの丁度良さがわかります。

これも、時間の流れを感じることのひとつです。

サントリー ジン翠(SUI) 『アツアツ餃子に翠ジンソーダ!〜それはもう、流行ってますか?〜』篇

サントリージン翠(SUI)は、昨年予測を大きく上回る売り上げを記録していたようで、日経TRENDYの2022年酒類部門大賞も受賞されています。

その要因のひとつには、桜井ユキさんと、東京03の角田さんが出演するサントリージン翠(SUI)のCMがあるでしょう。

桜井ユキさんの目力の強さと、角田さんのテンポの良いツッコミが、心地よくて非常に印象に残ります。

唐揚げや焼き鳥などいわゆる「居酒屋メニュー」とセットで訴求されているのも印象的で、家で飲むイメージが強く持てたのも上手い点だと僭越ながら感じます。今回の訴求も、餃子とセットで訴求されており、一貫しています。

また、秀逸だと感じたのは、CM最後のメッセージ。

「それはもう、流行ってますか?」

2022年に放映されていた際は、「それはまだ、流行っていない」でした。

ただ、日経TRENDYの2022年酒類部門大賞を受賞したりなど、確かに「もう、流行っている」と言っても過言ではないです。

「それはまだ、流行っていない」と居酒屋で話していた桜井さんと角田さんが、「流行っちゃったねー」と言い合っているのは、リアルタイムで流行が生まれているのを目撃したような感覚になり新鮮です。

Life CARD 「僕ら以上の僕ら。」篇

最近特によく見るCMが、あのさんが出演するLifeCARDのCMです。

あのさんが渋谷で看板を見上げながら、「僕のことをわかったふうに言うな。」と話します。

プレスリリースによると、ライフカードが若い人にとって、どういう存在だろう?いまを生きる彼らにできることは何だろう?と考えた末に出てきたスローガンが、「Life CARD 僕ら以上の僕ら。」になったようです。

「僕のことをわかったふうに言うな。」は、”若者”や”Z世代”などと一括りされることの多い、「若い世代」の心情を表しているのかもしれません。

特に、あのさんはSNSで、ネットでの恋愛等をめぐる憶測に、不満や辟易の旨を伝えていたことがあるようです。「自分のことをわかった風に言うな」は、このあのさんの心情とも重なるからこそ、強く響くメッセージなのかもしれません。(この私の文言も憶測みたいになってしまっているのが皮肉みたいになっていると自分で書いていて思いますが)

2023年2月上旬時点で、渋谷に行くとこの広告が至る所にあり、自然CMでのあのさんの声やメッセージが脳裏の蘇ります。

最後に

1月に見たCMで、印象に残ったものを独断と偏見で4つ挙げました。

時間の流れを感じて寂しく、切なくなったり、時代を反映したメッセージがあったりと様々です。

個人的な意見・感想なので、あくまで参考程度に、ご確認いただけたら嬉しいです。

普段はWEB系の事業会社で、マーケター兼データアナリストをしています。

このような記事も書いているので、ご関心ありましたらぜひご覧ください。


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