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漆器の職人が作る「汁椀」と「めし椀」の違い

お味噌汁などの汁物をいただく時に使うお椀を「汁椀」と呼び、
ご飯をいただく時に使うお椀を「めし椀」と呼んでいます。
一般的には汁椀は木の物で作られる事が多いので「汁椀」と書かれていて、
めし椀は陶器で作られてる物が多いので「めし”碗”」と書かれている事が
多いです。
ウチは漆器の工房なのでどちらも「椀」です。
でね、その「汁椀」と「めし椀」って何が違うの?って
質問をいただく事が多いので今日はその事について書いてみたいと思います。

汁椀とめし椀の作り方は同じで違うのアレだけ

汁椀も飯碗も作り方は同じです。
材料も同じです。木を削って、漆を塗って作ります。
違うのは『形』です。
汁椀はポテっと膨らんだ形をしていて、
めし椀はシューっとスマートな形になっています。←語彙力


汁椀はポテっとしてる
めし椀はシューっとしてる

わかりますか?
つまり、汁椀は丸みをおびたデザインで
めし椀は比較的まっすぐなデザインという事です。

形の違いは使い方の違い

では、どうしてこのような形の違いがあるんでしょうか。
理由は、汁椀が汁物を入れるからで
めし椀がご飯を入れるからです。
また、語彙力ゼロでごめんなさい。
えーっと、
汁椀は汁物をこぼさない事を大切にした形で、
めし椀はお箸でご飯を掴みやすいように、
特に底の部分のご飯を食べる時にお椀をあまり傾けなくても
取りやすいような形にデザインされています。
つまり、めし椀は外に広がった形になっていて、
お箸の入射角が浅くなるようになっています。
伝わったかな??
なので、汁椀にご飯を入れると少し食べにくいく感じるかもしれません。
逆に、めし椀にお味噌汁などを入れると
あまり入らないし、こぼれそうな気がしてソワソワするかも。
実際にはそんな事はあまりないのですが、
使いやすさっていうのは無意識的な部分にあると思うので
少しの事で使い心地は変わってきます。

漆器のめし椀って実際どうなの?

めし碗は陶器の物が多いって言いましたが
実際、漆器のめし椀だとどう違うのでしょうか。
実はね、漆器のめし椀の方が器自体が熱くなりにくかったり、
おいしさキープしてくれたりで良い所はいっぱいあるんです。
では、なぜみんな陶器のめし碗を使ってきたのか。
それは、昔は漆塗りの器は高価だったので、
陶器の国産が盛んになって値段が下がった事によって
みんな陶器の器を使うようになったらしいです。
その名残というか、イメージがそのまま残っているのかなと。
今でも陶器の方が安いよね。100円均一にもあるし。
それと今は、電子レンジや食洗機を使う事が多いので
漆器を使いにくいと感じる方もいるかもしれませんね。

漆器のめし椀のおすすめポイント

では、最後に漆器のめし椀のよい所をまとめたいと思います。

【耐久性が高い】
落としても割れにくいし、傷や汚れにも強いです。

【高級感がある】
漆器のめし椀は独特の光沢やきれいな木目がある事によって食卓を華やかに彩ります。

【環境にやさしい】
漆器は全て自然の素材で作られるため環境にやさしいです。

【保温性と断熱性】
温かいご飯を漆器のめし椀にいれると、長時間温かさをキープしてくれるので美味しい状態が長持ちします。また、お椀の外側が熱くなりにくいので持ちやすいです。

今回はこんな感じで汁椀をめし椀の違いについてお話させていただきました。
ぜひ、漆器のめし椀もお試しいただけると嬉しいです。
では、また!


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