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裏方トラブルをどう受け止めるべきか
先日、横浜アリーナにて行われた
『THE IDOLM@STER SHINY COLORS LIVE FUN!! -Beyond the Blue sky-』に両日行ってきました。
率直な感想としては、とても素晴らしいライブだった。
シャニマスのことがより好きになったし、たくさんのエネルギーをもらった。
そんなライブの中でひとつ印象に残る出来事があった。
それは、DAY2でイルミネーションスターズによる『Twinkle Way』が披露されているときだった。
曲の途中で音響が止まってしまったのだ。
僕はこういったライブによく行くのだが、このようなことは初めて経験した。
大規模なライブでの裏方トラブルを目の当たりにしていろいろと感じることがあった。
一観客としての感想と、規模は全然違えどいわゆる裏方を経験したことがある人間としての考えを交えながら今回の出来事について語っていきたいと思う。
◯トラブルの状況
突然、イルミネのパフォーマンス中に音が止まった。
一瞬何が起こったかわからなかった
演出か?それにしてはタイミングが不自然?
ステージ上の櫻木真乃役の関根瞳さんと八宮めぐる役の峯田茉優さんが一瞬困惑したような気がして、これはトラブルだなと感じた。
2人は音が止まっても途中までアカペラでパフォーマンスを続けた。
その後、イヤモニを外して何やら2人で話し合っていた。
(そこからの記憶が曖昧なのだが)パフォーマンスを続けようとする2人に対して、現地のプロデューサー(アイドルマスターにおけるファンの呼称)が『Twinkle Way』を大合唱。
温かい空気に会場が包まれた後、2人はMCでなんとか盛り上げてその場を繋ごうとしていた。
正確な時間はわからないが、体感としては10分以上は関根さんと峯田さんが場を繋いでいた気がする。
その後復旧が完了したのか、もう一度最初から『Twinkle Way』が流れ始めて何事もなかったかのように完璧なパフォーマンスを見せてくれた。
◯一観客として覚えた感動
まさかのトラブルに遭遇しての感想としては、とにかくステージ上の関根さんと峯田さんの頑張りに感動を覚えたという感じだった。
トラブルに動じず自然体で癒しの空気を放つ関根さんと、不安な空気になりそうな会場を元気いっぱいに盛り上げる峯田さん。
シンプルに2人のその姿に胸を打たれた。
峯田さんが「青いライトもありがとう!」(このときステージ上には居なかったユニットメンバーである風野灯織のカラー)って言ってくれたり、プロデューサーたちの大合唱に対して「正直歌詞怪しかった人〜?」と言ったり、こちらが嬉しくなれたり楽しい気持ちになるような言葉をたくさんかけてくれたのが印象的だった。
そんな様子を見ていると、応援したいという気持ちがいつも以上に湧いてくる感覚になった。
そんな感覚になると同時に、こんなに珍しいことも起こるんだなぁと妙な感心をしていたのもまた事実だった。
語弊はあるかもしれないが、貴重な経験ができたことによるお得感のようなものも感じていた。
◯裏方の視点で考える恐怖
ある種の貴重な経験に感動を覚える一方で、裏方さんの気持ちを想像すると肝が冷えた。
もしかしたら実際は対処がそこまで困難なトラブルではなかったかもしれない。(もちろんあってはいけないことではあるが)
逆に、実はギリギリの状況で奇跡的に復旧できたのかもしれない。
トラブルの詳細を知る方法はないのだが、とにかくこういうことが起きたときの現場の空気感を想像するだけで心臓が痛くなる。
僕はこれまでに何度もお笑いライブの音響や照明をやったことがある。
規模としては本当に小さいものばかりなので横浜アリーナのような大規模な会場でのライブと同列で語るつもりはないが、それでもその経験が今回のトラブルを少しだけ生々しく感じさせた。
僕はかつてお笑い芸人として活動していたこともあるのだが、舞台に立ってネタを披露するよりも裏方で音響や照明をやる方が緊張する。
セリフを飛ばすなどの演者側でのミスは自己責任という感じがするのに対して、音響などの裏方でのミスは演者に迷惑をかけてしまうという意識が強い。
個人的には、一つのミスに対する恐怖の大きさが全然違うように感じる。
特に、難しい音きっかけがたくさんあるコントがあるときの音響は本当に胃が痛い。
そのような感覚をもって今回直面したトラブルについて考えることは、恐怖以外のなにものでもない。
現場はすごく混乱してたのかなぁ、とか。
多くのスタッフさんたちが対処に奔走したんだろうなぁ、とか。
ピリついた空気感みたいなものを勝手に想像してしまう。
そんな想像を一度でもしてしまうと、今回のトラブルによって生み出された感動的な場面だけに目を向けることに少しだけ疑問を感じてしまうのだ。
◯今回のトラブルの功罪
今回のトラブルによって感動的な場面が生まれたのは紛れもない事実である。
イルミネの2人が素晴らしい時間と空間を僕たちに与えてくれた。
本来なら見られなかった彼女たちの姿を見ることが出来たのは、トラブルがあったからこそである。
しかし、トラブルがあったことによる弊害もたくさんあった。
例えば、ライブの終了時間が押してしまったこと。
DAY1よりもDAY2の方が約20分ほど終演時間が遅かったと記憶している。
遠方から来ている人で、もしかしたらその20分のせいで最後までライブを見られなかった人もいるかもしれない。
ライブ後のスケジュールにも何らかの狂いは生じていたかもしれない。
演者さんへの負担も増えたことだろう。
イルミネのおふたりはもちろん、控え室でメンバー2人の様子を見ていた風野灯織役の近藤玲奈さんはどう思っていたんだろうか。(モニターの前で一緒に踊っていたという情報が後に語られていました。)
次の出番のストレイライトの皆さんにも何かしらの影響は出たんじゃないだろうか。
結果的には、トラブル後の異質な空気を完全にひっくり返して最高のパフォーマンスを見せてくれて、それにもまた感動したのだが……。
また、一度トラブルがあるともう一回同じことが起こるかも……という不安を感じる人もいるかもしれない。
(これについても、結果的には後の出番の出演者の最高のパフォーマンスで完全にかき消されたと個人的には感じている。)
そういう些細なノイズを生み出してしまうのがトラブルの弊害だと考えられる。
◯観客として裏方トラブルをどう消化するべきか
このように、良い面もあれば悪い面もあるのがこういったトラブルというものである。
ライブというのはナマモノである以上、こういったことが起こることを完全に防ぐのは難しい。
なので、今回に関してはこのトラブルが起こってしまったことよりも、短い時間で復旧したことで多少の時間の遅れが出たとは言え、ライブを最後まで走り切ってくれたことを僕は心から讃えたい。
スタッフさんのご尽力に心から感謝したい。
どんな状況でも最高のパフォーマンスを見せてくれるアイドルたちと、それを支えるスタッフさんたちに改めて特大の感謝を送りたくなるような、そんなライブだったと僕は思う。
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