結束バンドが僕を初めての夏フェスに連れて行ってくれました。
『ROCK IN JAPAN FES. 2024』DAY2に行ってきました。
夏フェスとは何の縁もない人生を送ってきたオタクである僕が今回ロッキンに行った理由、それはもちろん結束バンド!!
今年5月のJAPAN JAMにも結束バンドは出演していたのですが、そのときは「フェスはいいかな……」とスルーしてしまいました。
しかし、SNS等でステージの様子を見てみると「めちゃくちゃ楽しそうじゃねぇか!!」となり、今回のロッキンは勇気を出して参加してみることにしました。
結束バンドのステージの感想をメインに、初めて夏フェスに行って思ったことなどをまとめていきたいと思います。
◯初めての夏フェス
会場の千葉市蘇我スポーツ公園はとにかく遠かった。
僕の家からだと電車で2時間近くかかる。
フェスの雰囲気というものを把握できていない状態での長時間移動はかなり不安だった。
しかし、移動が長かった分、現地についたときの高揚感はすごかった。
当然だが、タイムテーブルを見て事前にある程度見たいアーティストは決まっていた。
会場についてまず観に行ったのがキタニタツヤさん。
キタニさんはアニメのタイアップ曲も多いし、何より結束バンドメンバーの水野朔さんが大好きなアーティスト。さらに、キタニさん自身も『ぼっち・ざ・ろっく!』の大ファンという結束バンドとは縁の深いアーティストさんである。
キタニタツヤさんなら僕みたいなオタクでも少しは楽しめるはず。
僕がステージに着いたときにはすでに一曲目が始まっていた。
ステージ近くは人が密集していたので、端の方の人が少ないスペースでゆったり見ることにした。
結果から言うと、キタニさんが最初に見るステージだったのはとても幸運だったと思えるくらいに最高だった。
僕が知っている曲も披露してくれた上に、サプライズでGEMN(中島健人さんとのユニット)としてのパフォーマンスもあった。
最高の夏が始まりました。
◯期待が高まる結束バンドのステージ
キタニタツヤさんのステージが終わってから少し歩き回ってみて、会場の雰囲気を掴んでいた。
運が良いことに結束バンドのステージの前方エリアチケットを当てることができていたので、前方エリアの入り口の確認もした。
まだ始まるまで少し時間があったが、お得意の心配症が発動したのでステージ前に移動することにした。
前方エリアっていうけど、どれくらい近いのだろうか。
チケットには「7列」って書いてるけど……。
自分の番号の立ち位置に行ってみると、度肝を抜かれた。
……目の前じゃん。
本当にステージが目と鼻の先。
こんな至近距離でこれから結束バンドが見られるの!?
しかも今回は4人全員出てくるんですよ!!
そんな感じで興奮のギアが一気に上がってからしばらくすると、リハが始まった。
JAPAN JAMのときは『カラカラ(長谷川育美さんver.)』がリハで歌われたと聞いた。
今回は、どんな貴重なものを見る(聴く)ことが出来るのか。
そこで流れたのが、『忘れてやらない』。
結束バンドの曲の中でも一二を争うくらいに好きな曲だ。そして、この日の晴天にもピッタリな曲。
ボーカルをよく聴いてみると、いつもと違う感じがする。
誰が歌ってるんだ?鈴代さんか?
盛り上がりながらも注意深く聴いていると、「あれ?なんか声変わってる?」
4人で歌ってるのか……?!
そう、リハは『忘れてやらない(4人ver.)』でした。
結束バンドには4人全員で歌う曲はまだない。
ていうか、コンセプト的にそういう曲は今後も出ないんじゃないかなと個人的には思っている。
4人が一緒に歌うのが聴けるなんて、そんな幸せがあっていいのか。
そんな特別なリハを終えて、しばらくするといよいよ本番が始まった。
◯ライブ本番
セットリストは以下の通りだった
1.ROCK IN JAPANのテーマ
2ギターと孤独と蒼い惑星
3.あのバンド
4.カラカラ
5.今、僕、アンダーグラウンドから
6.なにが悪い
7.転がる岩、君に朝が降る
8.月並みに輝け
9.青春コンブレックス
このセトリ、美しすぎる。
バックバンドの皆さんの超絶カッコいい演奏から始まったあとの『ギターと孤独』、『あのバンド』は劇場総集編前編の中で重要な意味を持つ楽曲。
そして、そこからボーカルを交代して水野さんの『カラカラ』
そして、ライブでは初披露となる劇場総集編前編のエンディングである『今、僕』。
劇場総集編で『今、僕』が流れるあの名シーン、テレビアニメ版では『なにが悪い』が流れた。
その流れを汲むかのように曲がつながり、いよいよ主人公・後藤ひとり(青山吉能さん)が登場。
後に同じステージに立つASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲『転がる岩、君に朝が降る』を儚くも力強い歌声で披露。
そこからまた長谷川さんにボーカルを交代して、劇場総集編前編のオープニング曲である『月並みに輝け』という最高の神曲。
そして、最後は言わずと知れたさらなる神曲、テレビアニメ版のオープニング曲『青春コンプレックス』。
選曲と流れがもう王道過ぎて、非の打ち所がない。
結束バンドがどういうバンドか一発でわかるセットリストだったのではないだろうか。
最高だったのはセットリストだけではない。
メンバー4人のパフォーマンスも忘れてやらない、いや、忘れてはならない。
まずは、長谷川育美さん。
長谷川さんの歌唱力には何度聴いても圧倒されるのだが、語弊を恐れずに言えば、もはや歌唱力の高さについては当たり前みたいな感覚にすらなってきている。
歌が上手いのは当たり前という前提で、今日は一体どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろう。
そう思ってしまう域にまで来ている。
今回も最高のパフォーマンスでした。
歌以外の部分での表現が本当に凄まじくなっていて、立ち姿の貫禄がすごい。
それを至近距離で見てしまったものだから、完全にハートを掴まれてしまった……
水野朔さん。
歌っている時の表情が本当にクール過ぎた。
水野さんは結束バンドの中でも最年少で、メンバーに可愛がられている末っ子的なイメージ。
また、個人ラジオでは地理が苦手ということから都道府県の勉強をするコーナーがあったりと、とても隙のある印象があったりする。
しかし、歌っている時の姿はそんな一面を持つ水野さんと本当に同一人物なのかと思うくらいのギャップ。
静かな中にも情熱的なパフォーマンス。
普段の一面とのギャップという点において、その姿が山田リョウとリンクした。
普段はクズキャラとして馴染みのある山田リョウだが、一度ベースを持てば最高にクールなパフォーマンスを見せてくれる。
ロッキンのステージに確実にリョウさんがいた。
また、以前よりも歌唱力が増しているのではないかとも感じた。
昨年行われた単独ライブの『恒星』のときから、難しい曲をしっかり歌い上げていてすごい!と思っていたが、今回はそのときよりもパワーアップしていたように感じた。
鈴代紗弓さん。
存在が眩しすぎる。夏の太陽なんかに負けないくらいに。
虹夏の持つ明るさと鈴代さん自身がもつ明るさがステージ上で合わさって、登場しただけでそれまでとは全く違う明るい空気になる。
袖から出てきた瞬間にその場の気温が2度くらい上がったんじゃないかと思う。
それくらい明るい空気と笑顔で会場全体を幸せにしてくれる鈴代さんが最高すぎた。
そして、鈴代さんもまた水野さん同様に歌唱力が上がっているように感じた。
青山吉能さん。
『転がる岩、君に朝が降る』という曲はもともとASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲である。
結束バンドにとっては先祖のような存在のバンドの曲を、主人公・後藤ひとりとしてカバーすることはとても難しいと思う。
青山さんはこの曲を披露するときどきで、さまざまなパフォーマンスを見せてくれているように感じる。
『恒星』でサプライズで弾き語りを披露したときは、とても力強い歌声だった。
2024年1月のアニプレックス20周年イベントのときは後藤ひとりのキャラクター性を色濃く歌声に反映させていた気がする。
そして、今回はロックバンドのボーカルとして最大限のクオリティを見せてくれたのではないだろうか。
今回は弾き語りがなかったので、歌に完全に集中する形になったと思う。
歌い出しの前に言った「大先輩の曲を心を込めて歌います」という言葉の通り、歌声に最大限のリスペクトが込められていた。
4人の声優さん全員がロックバンドのボーカルとしてこんなにも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるなんて、奇跡以外のなにものでもない。
本当に結束バンドに出会えて良かった。
そう思えるステージだった。
◯些細だけど嬉しい交流
当日は暑さ対策として、会場にいる間のほぼ全ての時間頭にタオルを被っていた。
前日にどのタオルを持っていこうかと考えていたときに、『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメが放送していたときに開催されていたポップアップショップで購入したタオルがあることを思い出した。
ウキウキでそのタオルを準備しようと思ったのだが、どこを探してもない。
狭い我が家でタオルくらいのサイズのものが見つからないということは、それ即ち「失くした」ということである。
失くす可能性はなくはない。
デリバリーのバイトのときにカバンの中にタオルを複数枚詰めるのだが、そのときにそのタオルを使用していた。
仕事中に気づかないうちに風で飛ばされてしまったのかもしれない。
それなりにショックな気持ちを抱えながら、代わりにどのタオルを持っていくか考えることにした。
かろうじて結束バンドに関係すると言えるタオルがひとつだけあることに気付いた。
水野朔さんのラジオ番組のグッズタオルだ。
水野さんは『A&G NEXT STEP HOOOOPE!』という帯番組の木曜パーソナリティを担当している。
その番組のイベントグッズのタオルを持っていくことにした。
もちろん、結束バンドのステージ中もそのタオルを装備していた。
ステージ終了後、タオルを頭に被りながら感動に浸って移動していると、誰かに顔を覗き込まれた。
ん?なにか落とし物でもしたか?
そんな考えが一瞬よぎったとき、顔を覗き込んできた男性が手に持っているタオルを僕にアピールしてきた。
HOOOOPE!のタオルだ!
同じタオルを持ってるという理由で声をかけてくれたのだ。
まさか同じものを持ってる人が会場にいるとは思わなかったという驚きと人見知り特有の対応力の無さで、ただただアワアワしてしまった。
そんな僕にその男性は笑顔で「最高でしたね!」と一言残し、僕がはっきりと言葉にならない同意を示したのを確認して去っていった。
一瞬の交流だったが、とても温かい気持ちになった。
HOOOOPE!タオルを持ってきて良かったなぁ。
◯夏フェスの空気感
予想外の交流があった後は、のんびりとフェスの時間を満喫した。
気になるアーティストのステージを芝生の上に座りながらのんびりと眺める。
時に体を揺らしたり拍手をしたりしながら、音楽を浴びる時間は今まで経験したことのない種類の幸福度の高い時間だった。
聴いたことのある曲が流れてくると嬉しくなる。
聴いたことのない曲が流れてくると、未体験の音楽を知れたことで嬉しくなる。
今回のフェスに行くのが決まったとき、結束バンド以外のアーティストの曲をある程度予習しようと思っていた。
しかし、チケットを取ってすぐあとくらいに心身の健康を損なってしまったことで実家でしばらく休むことになったので、そういう気分になれなかった。
その結果、一切の予習をすることなく当日を迎えた。
しかし、それで良かったのかもしれないと思う。
先入観を持たない状態で初めて聴く音楽というのも趣があって良い。
えもいわれぬ心地よさを体験することができた。
音楽を楽しむだけでなく、合間の時間でご飯を食べたりビールを飲んだりするのもまた良い時間だった。
◯大先輩のサービス精神
結束バンドのあとはお昼ご飯を挟んで、
スキマスイッチ→KANA-BOON→LiSA
という感じで回った。
そして最後は、ASIAN KUNG-FU GENERATION。
結束バンドのオタクとしては、見逃すわけにはいかないバンドだ。
数時間前に結束バンドが出演していたステージにアジカンが立っている。
今回、聴きたいと思っている曲が2曲あった。
ひとつは、『Re:Re:』。
劇場総集編後編のサブタイトルの元ネタとなっている曲。
劇場公開を直前に控えたこのタイミングでこの曲を歌ってくれたらとてもエモいなぁと思っていた。
そんなぼんやりとした願いは、思っているより早く叶った。
2曲目でこの曲が披露された。
圧倒的感謝。
これでもう思い残すことはない。
そんなことを考えながら、夕日に照らされながらその後の曲たちもしっとりと楽しんでいた。
そして、5曲目にもうひとつの願いが叶う。
『転がる岩、君に朝が降る』。
数時間前に青山吉能さんが歌っていたのと同じ場所で本家本元が同じ曲を披露している。
1日に両方の『転がる岩』が聴ける贅沢があって良いのか。
最高の贈り物をもらった気分になった。
その後も素晴らしい盛り上がりを見せて、アジカンのステージは終わった。
その頃には夕日はさらに傾いていた。
僕は胸いっぱいになりながら、片道2時間の家路につくことにした。
◯結束バンドとフェス
なんとなく精神的なハードルを感じていた夏フェスに勇気を持って参加してみて、本当に良かった。
結束バンドがいなかったら、こんな幸福度の高い時間があることを知ることはなかっただろう。
結束バンドはいつも僕に幸せを与えてくれる。
今は、またフェスのステージに立つ結束バンドを見れたらいいなと思っている。