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#30 建設業許可:誠実性について

以前の記事に続き、「建設工事の許可」についてまとめていきます。
今回は、建設業許可要件の誠実性についてです。

建設業許可を取るための、
”ヒト”の要件として「誠実性」が求められています。

社会人として当たり前のことだと思いますが、
建設業法には以下のように明確に規定されています。

建設業法7条3号
 (略)請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

建設業の業界特有として、
「契約~完成まで期間が長いこと」
「1件あたりの金額が大きいこと」から、
社会に与える影響が大きいといえます。

そこで、許可を受ける者には「誠実性」が不可欠となります。
実際には、「誰の」「どのような行為」を判断基準にしているか、みてきましょう。

誠実性の要件1 ”誰”

許可を受けようとする者が、法人個人かで異なります。
具体的にみていきます。

■法人
 当該法人 または その役員等 もしくは政令で定める使用人
※役員には、非常勤役員も含みます。
※使用人とは、支配人・支店長など請負契約を締結する代表者のことです。

■個人
 許可を受けようとする者本人または政令で定める使用人

誠実性の要件2 ”どのような行為”

法律に記載してある、不正不誠実に分けてご説明します。
≪国土交通省の事務ガイドライン参照≫

■不正な行為
請負契約の締結また履行の際、
詐欺・脅迫・横領等の法律違反をする行為

刑事罰となるような、
そもそも法律違反となる行為のことをいいます。


■不誠実な行為
工事の内容・工期・天災などの不可抗力による損害負担において、請負契約に違反する行為

ルール違反となるような、
契約内容に違反する行為のことをいいます。

普段からの心がけ

誠実性の要件をみてきましたが、
誠実かどうかを確認するというのは、
主観的な判断も入り非常に難しいといえます。

過去の判決(=国の見解)でも言及をしているように、
総合的な判断となります。

「申請書及びその添付書類の記載やそれまでに判明した事実から」
(東京高判平成21年12月17日判夕1319号65貢)

普段から、
・適正な請負契約の締結・適正な施工ができる社内体制を整備
・コンプライアンスを徹底する意識を役員間で共有
・会社全体で共有する など
心がけが必要となります。

まとめ

建設業許可の要件には、不正・不誠実な行為をしない「誠実性」が求められているので、普段から会社全体でコンプライアンス徹底が必要となる。

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