挑戦と挫折
タバコを止めたい…そう思って何度も挑戦した。でも、その挑戦はいつも失敗に終わっていた。
禁煙をしようと思って、朝出勤前にタバコを吸っていた習慣を断ち切ろうと思っていた。しかし、7時に起きて眠い目をこすりながらキッチンにいた私は換気扇の下でタバコをくわえライターでタバコの先端に火をつけていた。
そもそもどうして僕は、禁煙なんてものを目指していたのだろう。そんなことを考えながらタバコをくわえて煙を吸っていた。
考えてみたら、テレビでタバコを吸っている男は嫌われるだとかYahoo!ニュースとかで煙が臭いとかそういった類のものを見たから、悔しくて禁煙をしようと思っていたのではないかと今では思う。
しかし、赤の他人からどう思われようがどうでもいい性格の僕にはその方法で禁煙するのは100%無理でした。
通常であれば、奥さんや彼女、恋人などにタバコをやめろ。と言われてやめる人がいると思います。しかし、僕の付き合っていた人はそんな事は一切いいませんでした。
付き合う前に、僕は喫煙者と言うことをはっきりと彼女に宣言していました。
タバコはこのまま死ぬまで吸い続けるのだと、
勝手に思っていました。
ところが、彼女が僕にお腹に赤ちゃんができたと言ってきたのです。僕は子供の頃の記憶を少し思い出していました。
よく考えてみたら、子供の頃は喘息を患っていてタバコの煙が嫌いでした。中学生になってからは喘息が完全に治り、タバコの煙が嫌いだった事は完全に忘れていたのです。
もしかしたら、僕の子供も喘息を患ってしまうかもしれない。そう考えたときに心がざわつきました。
禁煙をするんだ!そう心が叫んでるようなそんな気がしました。どうやって禁煙すればいいんだ?いろいろなことを調べると禁煙外来と言うものがありました。
まずは禁煙外来に行ってみました。出てきたのは明らかに若造でハナタレ小僧でした。おそらくタバコは吸ったことがないのでしょう。
タバコを吸ってない奴の話なんて、役に立つわけがない。医者がなんと言おうと僕は医者の言うことを信じていませんでした。もしも、医者がヘビースモーカーで禁煙外来でヘビースモーカーが治った。と、自信を持って僕に勧めてきたのであったら僕は医者の言うことを100%信じていたのかもしれません。
15,000円の出費で禁煙は出来ませんでした。禁煙外来が保険を適用してもこのように庶民からすれば、高い金額を払わされるのです。
その後僕は、インターネットの広告で見つけたニコチンのない煙の出るタバコみたいなVAPEを買いました。本体代金がおそらく3,000円でタバコのカプセルみたいなものが1箱1,000円で3つカプセルが入っていました。
結論から言えば、お風呂の湯気を吸ってるだけの気分でした。もちろん、禁煙は失敗しました。
もう無理なんだ…。僕には禁煙ができない。そう開き直って毎日毎日毎日、喫煙所でタバコを出し口にくわえてライターで火をつけてそう思っていました。喫煙所の柱にポスターが掲示してあり、タバコを吸う人は周りの人を傷つけているだとか、タバコのマナーがどうとか、明らかに吸ったことのない人が広告文書を書いたとしか思えないお粗末な内容を見ていつもほくそ笑んでいました。
だけどある日彼女が僕に「お腹の中で動いている今お腹を蹴ったよ」と言ってきたのです。このままでは、妊娠中の彼女にも悪影響。なんとかしなければと頭を掻きむしりながら思っていました。
そんな辛そうな僕の姿を見て彼女は「無理にやめなくても良いんじゃないの?本数を減らすとかじゃダメなの?」と優しい言葉をかけてくれました。
ところが本数を減らすどころか、逆に本数が増えてしまいました。
僕は自分の記憶を操作する偽の記憶を植え付けると言う胡散臭いノウハウを持ったほとんど人前に現れないある人物とコネクションを持っていました。その人物は変わり者で、人気にも有名にもなりたくない。影でこっそりと支配をするのが好きだと言っていました。どういうコネクションだったのかと言うと、僕の仕事関係で知り合った人だったのです。
この人が僕に偽の記憶を植え付ける方法を面白おかしく語ってきました。僕は半信半疑いや、100%疑ってそんなわけない。そう思っていました。なので、彼が言ってきた偽の記憶を植え付ける方法を自分に試してみることにしました。
まず、何に使うか考えていましたがタバコを吸うことができない状態にしようと決めたのです。
こんな怪しい方法で、本当に禁煙することができるのでしょうか?次回の話をお待ちください。
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