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私が経験したビジネスの最大の失敗とは?



1. 輸入ビジネスでの成功と新たな挑戦


6年前、私は輸入ビジネスのコンサルティングサービスを始めました。今ではそのサービスは終了してしまいましたが、その当時はとても勢いがありました。



コンサルを募集したところ、すぐに13人もの希望者が集まりました。



当時、私は「SEOブログ」と呼ばれる、Googleの検索エンジンに対応した記事を書いて、集客をしていました。




この方法で、私のブログを見つけた彼らが、私の元へ来たのです。



2. 輸入ビジネスにおけるSEOブログの導入


その頃、輸入ビジネスでSEOブログを書いている人は、数えるほどしかおらず、私もその一人でした。




ほとんどの発信者はSEOを意識せず、ただ雑記のような記事を毎日更新して、読者に見てもらうという方法を取っていました。





そもそもブロガー全体の中でSEOブログの攻略法が広まったのは、その3年前の2014年くらいからです。




どの業界も、この新しい方法を取り入れた人たちから、集客力を持ち始め、ビジネスを拡大していきました。




SEOブログを書くということは、今では当たり前の手法ですが、当時はまだ多くの人がその価値に気づいていませんでした。



3. コンサル生たちの雑記ブログ



そんな中で、私のコンサルに申し込んできた13人のうち、2人がすでにブログを持っていました。




その2人のブログはSEOを意識していなかったため、個人の体験や感情が中心の、いわゆる雑記ブログでした。



1人目のブログは、海外にバックパッカーとしてインドに行った体験を綴っていました。



デリー空港に降り立ち、白タクのインド人に騙されないように、気を付けながら宿にたどり着くまでの過程や、その時の不安な気持ちが細かく描かれていました。



もう1人のブログは、インターナショナル・ギフトショーに1人で参加し、売れる商品を探すために必死になって歩き回ったことや、疲れ果てた様子が書かれていました。



どちらも個人的な体験がよく表現された内容でしたが、SEO的な視点で見ると、それが集客に繋がるかは疑問でした。



4. 自分の知識に対する過信



私は、当時の自分と彼らを比べて、少し上から目線で見ていたことを覚えています。SEOの知識がない彼らのブログを未熟なものだと感じていたのです




「こんな記事を書いても集客には繋がらないのに」と、少し傲慢な気持ちで彼らの記事を眺めていました。




コンサルの途中で、彼らは自分のブログがどうか見てほしいと頼んできましたが、私はSEOに関してのアドバイスをするつもりはなく、「よくできているよ」と軽く返す程度にとどめました。




彼らはそれで安心したようでしたが、実際には私は、SEOの視点から見れば全く無意味なブログだと思っていたのです。



しかし、その後、物販ビジネスでも彼らは互いに努力し、卒業間近にはどちらも良い結果を出すことに成功しました。



5. SEOブログコンサルの提案


彼らの成功を見て、私は彼らのさらなる成長をサポートしたいと思い、非常に安い金額でSEOブログのコンサルを3名限定で引き受けることにしました。



そして、そのことをメルマガでアナウンスしました。



バックパッカー旅行の記事を書いていた彼はすぐに申し込みましたが、展示会のブログを書いていた彼は申し込みをスルーしました。



私は特に展示会のブログを書いていた彼に注目しており、どうしても参加してほしいと感じていました。



そこで、彼に個別に連絡を取り、「このコンサルは、あなたたち二人がブロガーとしてさらに成長できるようにと考えた特別なサービスなんだ。ぜひ参加を検討してもらえないだろうか」と伝えました。




このコンサルによって、彼らはのちに大きな成功を収めることになるのですが、それはまた別の話です。



最終的にもう1名も加わり、3名でSEOブログのコンサルサービスを始めました。しかし、これは私にとって、ある意味でビジネスにおける大きな失敗の始まりでした。



6. SEOブログの指導とその反応



コンサルを始めるにあたり、最初に彼らに伝えたのは、「SEOブログでは好きなことを書いてはいけない」ということでした。




SEOとは、Googleで検索されそうなキーワードを調べ、そのキーワードに基づいて記事を書く手法です。




つまり、見込み客が何を検索するかを考え、それに合った内容の記事を作らなければなりません。



例えば、中国輸入のコンサルを売りたいなら、中国輸入を始めたばかりの初心者が調べるようなキーワードを使って記事を書く必要があります。




逆にすでに経験のある中級者が検索するキーワードでは意味がありません。



中級者にはすでに別のコンサルタントがついていることが多く、彼らに新しいサービスを売るのは難しいからです。



だからこそ、キーワードの選定が非常に重要になります。



例えば、「中国輸入、リサーチ方法」や「アリババ、アカウント、登録方法」というキーワードは初心者向けです。



このキーワードを狙って記事を書くことで、初心者がリサーチ方法を学びたいと思ったときに、あなたの存在を知ることができます。



しかし、「楽天 広告 使い方」というキーワードは、中級者や既に出品を始めている人が検索することが多いのでコンサルを売るには向きません。



こうしたキーワードで記事を書くのは後回しにするべきだということを、彼らに教えました。



このSEOの手法を3人に教えると、3人とも驚きました。




「え、検索キーワードから記事を書くんですか?じゃあ、展示会に行った話とかは意味がないんですか?」と聞いてきたのです。



私は「そうだ」と答えました。




すると、「でも、良い記事だって言ってくれたじゃないですか?」と返されたので、こう説明しました。




「お金をもらっていないから、細かく指導する義務もないだろ。それに細かく指摘しすぎると、次から次へと『どうすればいいのですか?』って質問攻めになる可能性があったから、『良い記事ですね』で終わらせたんだ」と。



すると、彼らは「じゃあ、本当は僕たちのブログ記事をどう思っていたんですか?」とさらに問い詰めてきました。




私は正直に「これでは集客に繋がらないと思っていたよ。君たちの努力は分かるけれど、方法が効果的ではないと感じていたよ」と答えました。





彼らは驚いて言葉を失っていました。



そこで私は、「だからこそ、このサービスに君たちが入った方がいいって何度も言ったんだ。君たちが無駄な努力をしないように、格安で誘ったんだよ。お金を払ってくれたから、これからは全力で教えられるんだ」と説明し、その後、SEOブログについて本格的な指導を始めました。



しかし、今日伝えたいのは、このSEO指導によって生まれた新たな問題についてなのです。



7. 失敗から学んだ大切なこと



しかし、今振り返ると、私は彼らの本来の良さを奪ってしまったのではないかと感じています。




SEOブログの記事作成は、非常に難しく手間がかかるものです。




SEO記事は、見込み客が検索するキーワードをもとに書かれるため、自由に好きなことを書けるわけではありません。



検索ニーズに応えるために制限が多く、自分が本当に書きたいこととは、異なる内容になることがよくあります。



たとえば、展示会の話や、インドでのバックパッカー体験などは、SEO的には必要のない情報です。




SEOの知識を持つブロガーは、検索されない情報を書くことに意味がないと感じ、自由な記事を書くことをためらうようになります。



結果として、記事を書くこと自体が苦痛になってしまうのです。



もちろん、SEO記事を大量に書くことができる人もいるでしょうが、それは一部の人に限られています。




多くの人は、SEO記事を書くモチベーションが続かず、外注に任せたり、最近ではAIを使って記事を書かせることが一般的になっています。



私は、SEOブログの指導をすることで、彼らが持っていた自然な良さ、つまり自由な発信を楽しむ感覚を失わせてしまったのではないかと思っているのです。



彼らが自分の体験を自由に書いていた頃の方が、もっと魅力的で、個性があったと、今になって感じているからです。



8. 雑記ブログの価値に気づく



今振り返ると、私は彼らの雑記ブログの良さを軽視していたことに気づきました。



当時、SEOテクニックを学んでいた私は、SEO以外の手法を古臭いものだと思い込み、雑記ブログを「格下」とみなしていたのです。



しかし、時が経ち、私はその雑記ブログの価値を再認識することになりました。



雑記ブログには、SEOではカバーしきれない発信者自身のリアルな体験や感情が詰まっており、それこそが読者に響くポイントだったのです。




それはその人の「生きた声」であり、個性が全面に出ているものです。



今の時代、そうしたリアルな発信が逆に読者に新鮮に映るのではないかと考えるようになりました。



例えば、「中国から商品を仕入れたら、段ボールが汚すぎて、急いで殺虫剤を撒きました!」というような体験談は、SEO的な観点からは検索されることが少ないかもしれません。



しかし、このような体験談には発信者の感情や生々しいエピソードが含まれており、それが読者に共感を呼ぶのです。



かつては、輸入業界のブログには、こうした雑記ブログが多く存在していました。私自身もそのような記事を書いていた時期があります。



しかし、2017年にSEOのテクニックに出会ってからは、雑記ブログを無知な人たちのものだと勝手に決めつけ、その良さを見失ってしまいました。



昔は、輸入ビジネスに関するブログも、日々の失敗や小さな成功体験をリアルに綴ったものが多くありました。



「今日、初めて広告を設定したけど、お金がどんどん減っていく…涙」や、



「届いた商品が不良品だらけで半分はゴミ箱行きになってしまった…トホホ」といった感情豊かな記事が読者の共感を呼び、発信者と読者の間に親近感が生まれていたのです。




そのような雑記ブログは、SEO的な価値はなくても、発信者の人柄や個性を引き出し、読者を引きつける力がありました。



読者はその発信者に親しみを感じ、次第にファンになっていったのです。




しかし、私はSEOの優越感に囚われ、彼らの自然な発信を否定してしまいました。今では、それが彼らの本来の良さを失わせてしまったのではないかと強く感じています。



9. テクニックよりも大切なもの



SEOのテクニックが広まってから10年が経ち、今では逆に雑記ブログの価値が見直されていると感じています。



SEOは確かに集客に有効な手段ですが、SEO記事が溢れかえっている今、それだけでは人の心を掴むことは難しいと考えるようになりました。



あなたが、今日、何を感じ、何を学んだのか。どんな小さなことでもいいから、自分自身の感情や体験を正直に綴ること。



それが今、逆に新鮮であり、読者にとって魅力的に映ると考えています。



例えば、「誰でも簡単に月収〇〇円突破!」「この方法を使えば誰でも稼げる!」というような情報は多くのブログに溢れていますが、



そういった成功談ばかりではなく、著者自身の失敗や小さな気づきを含んだ記事の方が、読者の心に残りやすいと考えています。



そういった正直な発信こそが、読者を引きつけ、ファンを作り出す大切な要素になっているのです。



確かに、SEOは今も重要なテクニックです。



しかし、それを無視した、自分の感情やリアルな体験をありのままに表現したブログこそ、これからの時代に求められていると思えてきたのです。



誰にも検索されないブログ記事は無意味だと思い込んでいた時期がありましたが、実はそのような記事が読者との信頼関係を築く鍵だったのです。



10.最後に伝えたいこと


テクニックに頼りすぎた結果、発信者としての本来の良さ、つまり人間らしい感情や小さな失敗談が、読者に最も響くことを忘れていました。



SEOのテクニックを覚えることで、他人の記事を模倣(もほう)することを覚えてしまい、



彼らの本来持っていた個性を失わせることになってしまったのではないかと、考えています。



これが、私のビジネス経験の中で、最も失敗したと感じて、後悔していることです。






引用:進撃の巨人 26巻


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