300万円の価値!自己破産後の生活とは?
1.自己破産した経営者の研究について
私は、この10年間、ビジネスや投資の世界で活動してきました。
その中で、時間があるたびに、事業に失敗して自己破産した人たちの、その後の生活について調べてきました。
「なぜそんなことを調べていたのか?」と不思議に思うかもしれませんが、理由は単純です。おそらく、純粋に興味があったのでしょう。
彼らが、どんな後悔をしているのかを知ることで、自分が同じような失敗を避け、対策を取るための手がかりが得られると考えたのです。
2.起業家と自己破産への向き合い方
ビジネスの世界では、成功が重視されるため、「廃業」や「自己破産」については聞きたがらない人が多い印象です。
あるとき、物販のグループコンサルに参加し、初心者が熱心に商品を改良している様子を見ていました。
その人から「あなたも物販を長くやっているんですよね。何かアドバイスをいただけますか?」と尋ねられたので、こう答えました。
「仕事は辞めて、自己資金ゼロ、日本政策金融公庫からの200万円だけで、商品は4つ、販路はAmazonのみですか?それなら、万が一の失敗に備えて、次の仕事を探した方がいいですよ。」
その瞬間、彼の顔が、明らかに不機嫌になったことをハッキリと覚えています。そして、彼はおそらく破産したのではないかと感じています。
さらに、この経験を通じて、多くの事業者が、物販で失敗した後は、最後にFXや短期トレードに逃げ込む傾向があることにも気づきました。
このような経験から、多くの起業家が「自己破産」や「自己破産後の生活」について、直視することを避けていると、私は強く実感しました。
3.元起業家の自己破産後の生活を調べる
私は、自分を『自己破産後のビジネスマン研究家』とも言える存在だと思っています。
ネットやYouTubeを使い、暇さえあれば廃業した起業家たちが、どんな失敗をし、何を後悔しているのかを調べ続けています。
ここで強調したいのは、自己破産した事業者の体験談は、ネットやYouTubeでもあまり見つからないということです。
見つけたとしても、「逆転して復活したぞ!」という成功談や、「別に生活はあまり変わらなかったよ」という励ましの内容が多く、
私が本当に知りたい情報はほとんどありません。
しかし、それでも、まったく情報がないわけではありません。
私自身が「こういうことを後悔しているのでは?」と予測しながら調べることで、少ない情報の中でも彼らの後悔を見つけ出すことができるのです。
4.300万円の重要性
私は、ネットで自己破産を経験し、後悔を語っている元経営者たちの話を調べる中で、共通して彼らが後悔していることに気づきました。
それは「お金」に関する後悔です。
特に多くの元経営者たちが後悔していた金額が「300万円」でした。
5.なぜ300万円なのか?
最も印象的だったのは、「300万円を残しておけばよかった」という声でした。理由は単純で300万円があれば「新しいビジネスに挑戦できる」というのです。
つまり、廃業した経営者は、今すぐに300万円を用意できない状況を深く、後悔していたのです。
では、なぜ彼らは300万円を用意できないのでしょうか?
それは、廃業後に就職した職場の給料では、300万円を貯めるのに時間がかかりすぎるからです。
私も「300万円くらいなら2年あれば貯まるのでは?」と考えましたが、彼らには家族を養う必要があったり、
自己破産の免責が下りず、借金が残っている可能性もあります。
とにかく、その元経営者が、「もし今300万円があれば、新しいビジネスに挑戦できるのに」と強く後悔していたことが、印象に深く残っています。
6.破産後に痛感したお金の重要さ
また、その経営者は、事業がうまくいかなくなった末期に、一発逆転を狙って、広告費に大金を投入した話をしていました。
そして、彼が悔しそうに話すのは「300万円だけでも残しておけばよかった」ということでした。
一発逆転を狙って勝負をかけた広告で、途中で結果が出ないと気がついたタイミングで、300万円だけでも残しておけばよかったと、深く悔やんでいました。
この発言から、彼がビジネスを立て直すために、最後の望みを広告に託したことが分かったのです。
しかし、今の彼は、当時は「端金」と思っていた300万円を再就職してから貯めるのが、いかに難しいかを痛感しているようでした。
7.賢明なビジネスの終わり方とは?
私はこの事実から、事業はお金が完全にゼロになってからやめるのではなく、300万円を残して閉じることが最も賢明なビジネスの終え方だと考えるようになりました。
つまり、自分のビジネスがうまくいかなくなり、資産が減ってきた時、私は金融機関から無理に借り入れを続けるのではなく、
手持ち資金が300万円になった時点で、一度、ビジネスをやめるという判断をするつもりです。
つまり、残り300万円の状態を「ゼロ」とみなして、働き口を探すことを、考えるのです。
こうすることで、安定した生活を維持しつつ、次のチャンスを待つことができます。
ネットやAIを使って、次のビジネスチャンスを見つけた時に、その残しておいた300万円ですぐに再挑戦できるからです。
8.借りれる金額には限度がある
もし負債がマイナス2000万円まで膨れ上がれば、自己破産を選ばざるを得ない可能性が、高くなると考えています。
多くの事業者が誤解しているのは『借金は度胸勝負ではない』という点です。金融機関は「ここまでしか貸せない」という限度を必ず設けています。
いくら借りたいと思っても、金融機関が貸し出し上限を設定することを理解していない人が多いのです。
つまり、自分がリスクを取る勇気があるかどうかにかかわらず、『借金できる金額には必ず上限がある』のです。
つまり、自分が望む限り、どこまでも無制限にお金を借り続けられるものではないのです。
大抵の場合、担保がないなら、貸付限度額は1000万〜2000万円程度です。
それを超える借り入れは、コロナ禍のような緊急事態が発生するか、ビジネスが非常に順調に進んでいる場合でない限り、金融機関は応じません。
誰であろうと、「ここで終わりです」という限度が来た時点で、それ以上はもう、借りたくても借りられないのです。
9. 大切なのは300万円
元起業家たちの自己破産後の後悔を聞いて、私は改めて300万円の価値に、気がつきました。
300万円があれば新たに事業を始めるための一歩を踏み出せるのです。
多くの起業家が勘違いしているのは、『300万円は人生をやり直せる大金』なのです。多くの事業者は破産後に再就職して初めてそれに気がつくのです。
また、多くの事業者が最後に一発逆転を狙い、借りられるだけのお金を広告費に投入してしまうケースが典型的な失敗であることも理解しました。
そういった経営者たちは、自己破産後、手取りの収入で家族を養いながら、300万円を貯めることができずに苦しんでいるのです。
このことから、もし私の手元にあるお金が300万円を切った時点で、潔く、次のビジネスチャンスが見つかるまで普通の仕事に就く覚悟が必要だと思ってます。
なぜなら、300万円さえ残してあるなら、新しいチャンスが来た時に、再び小さな事業をスタートすることができるからです。
10.リスク管理と将来への備え
絶対に避けるべきは、最後に資金を借りれるだけ借りて、短期トレードに突っ込んだり、どうせ最後だからと、無茶な散財をしてしまわないことです。
そのような事をすると、自己破産の免責も下りず、破産後の生活で300万円を貯めることは、夢のまた夢になってしまいます。
重要なのは、自己破産後の生活を見据えて慎重に行動することです。
紅葉を見るため、11月中にドライブの計画をしている車好きの人が、「保険に入っていると事故は起きず、外すと起きるものだ」と教えてくれましたが、
その考えを借りると、自己破産する可能性を考慮し、入念に計画しておけば、逆に問題が起きないかもしれない、ということなのです。