JICA海外協力隊面接の話③ 不合格理由開示を求めた猛者
面接の話の最後は、選考理由についてです。
JICA(独立行政法人国際協力機構)に対して
行政機関に対する「情報公開制度」「行政不服審査制度」を利用し
自身の不合格理由を開示請求した猛者がいます。
その様子が総務省のホームページで公開されており、そこに面接のヒントが隠されているので解説します。
↓をクリックして頂けると幸いです。
私は面接を受け、合格し協力隊員として派遣されているが、
選考過程が具体的にどのようなものだったかは知らない。
しかも、JICAのホームページには以下様にあり、
当然ながら問い合わせしても教えくれない。
Q.8:不合格となった際に、不合格となった理由は教えていただけるのでしょうか?
不合格の理由については、お問い合わせいただいても一切お答えできませんので予めご了承ください。
なお、合格するための資格要件や語学レベル、健康基準等については、要請情報や健康診断についてをご参照ください。
しかし、特に不合格になった場合などは
なぜ自分が不合格になったのか
選考理由を知りたくなると思う。
この誰でも興味をもつ疑問に対して
行政機関に対する「情報公開制度」と「行政不服審査制度」
という2つの制度を利用して果敢にも立ち向かった勇者がいる。
情報公開制度と行政不服審査制度
情報公開制度
行政機関や独立行政法人等の職員が組織的に使うものとして保有している文書やデータを公開請求できる制度
行政不服審査制度
国や地方公共団体に対して「認可を申請したが認められず納得できない」といった場合に、見直しを求めることができる制度
審査請求に対して、審査会が審査を行い行政の判断に対する結論を出す。
JICAに対する不服審査の答申書
一度協力隊員といて派遣経験のある女性が
情報公開制度を利用しJICAに対して
自身の選考理由(不合格理由)が記載された文書の開示を求めた。
請求に基づき、公開されたが文書のほとんど黒く塗りつぶされ
ほぼ全ての情報が「不開示」という判断がなされていた。
その「不開示にする」というJICAの判断に対して
、納得がいかなかった女性はJICAのその行政判断に対して不服を申し立てた。
その不服審査請求に対して、審査会が審査しその回答として
以下の「答申書」が出され、公開されている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000608561.pdf
結論的には審査会から「不開示は妥当」との結論が出され
選考理由は開示されていない。
また、この審査過程においてJICAからの不開示に対する理由として以下の点があげられている。
これを公にすることにより,今後,ボランティアの選考に際して,募集要請に求められる適性及び 受験者に係る率直な評価や所見等を記述することが困難になること に加え,受験者の合否判定の検討過程において,いかなる点が重要 な判断要素となるか等が明らかになる結果,機構におけるボランテ ィア選考に係る率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ又は当該選考事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
要約すると、
選考過程を公開されると受験者に対する評価を、面接官が素直にできない
合否判定に、何が重要な判断要素かばれてしまって、受験者が本当のことを言わなくなる
から開示できないよ。
ということだ。
逆に言うと,
選考は、結構真面目に議論してやっているよ
合否判定を左右する重要な判断要素があるよ
ということである。
その要素が、前回、前々回とブログであげた要素かどうか
私は知る由もない。
しかし、JICAホームページの情報や
合格者の特性から見るに、大きな違いがない様にも思う。
なお、この答申書を読むと
審査請求人の女性の主張が長々と書かれている。
この内容が、現役隊員の私からしても興味深い点が多いので
次回以降も取り上げていきたい。
ケニア滞在についてお話ししたポッドキャスト↓
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