匂いが思い出させる記憶②
くちなしの匂いの香水を纏ったお花屋さんと出逢い、連絡し返事が返ってこないそんなところで前回は終わりでその続きだ。
彼女にとっては一夜限りのちょっと話したくらいの人
僕にとってはこの先もずっと好きである匂いを身につけていた人
彼女のことをもっと知りたいはずがないわけだ
さて、どうするのか選択肢を考えた
・また連絡をする
・諦める
一応二択だと思うけどどれも却下した
選択したのは働いてるであろうお店に会いに行く
この時の僕にはこれ以外の選択肢は思い浮かばなかった
結構日は中間テストが終わった日に行くと決めた。その日いるのかも本当に働いてるのかもわからないけどこれが1番納得がいくと思った。
プランを練った結果
これからのプランは友達に話したところキモすぎるまじでやめたほうがいいストーカーでしょとの事。僕もキモいとは思った。
"お花屋さんに会いに行き、花を買うそしてその花をプレゼントする"
聞いていた話では学校の通学途中にお店はあったのでテスト終わりに向かうのが都合が良かった。
学校が終わり、電車に乗り向かうんだ、セリフも考えてきたし準備はバッチリだ服装も決まってるし髪型も悪くない。強いて言うなら靴下が左右で異なるものだった。こんなミスはしたこと無かったのに意外と人間単純なものだ。朝から浮き足立ってたんだろう。
ひどく喉が渇いたから駅で、水を買った。AQUOみたいな水だ、このペットボトルの蓋は取れないで一部がひっついてることで駅でキャップを落とさないようになってる。イメージできたら嬉しい
一口飲んでカバンにしまった、各駅で長いこと時間があるから一眠りした。目を覚ました時に股間付近に違和感を感じたんだ湿ってる...まさかおねしょ?ズボンが濡れてるちょうどアソコのところが席の下にも水が滴ってる、焦りつつもカバンを確認するとフタがちゃんとしまっていなかった。目の前のお兄さんがニヤニヤしてる。目的の駅の二駅前だった、急いで車両を変えて隅の方に行き摩擦熱で急いで乾かした。なんとも滑稽な姿だ。誰もこれからお花屋さんに会いに行くとは知らずに怪訝な顔つきで僕を見る。構うものか僕はこれから大いなる一歩を踏み出すんだ。花屋のある駅について向かった。駅付属の商業施設付属型の花屋みたいだ、なので、スーパー、魚屋さんとかと同じフロアにあった。花屋を見つけた、そして、見つけた恐らくスッピンだったが十分に綺麗だった。
ただ、すぐ足は向かわずにスーパーをぐるぐるしてたミョウガ売り場を眺めるふりをして遠目から観察。どのくらい時間が経っただろうか永遠にも感じられたが踏み出した。今は他の人を接客中取り敢えずお花を眺めてた。彼女が僕とは知らずに近づいて来た、そして
何かお探しですか?と
ここからは理想のお話
そうなんです、探してるお花があって
えっ、どうして、いるの?
探してるお花っていうのが、僕、今気になってる人がいてその人のことは殆ど何も知らないんですけどその人が好きなお花が知りたくて
彼女は状況も飲み込めないながらも
そうねぇといって微笑むんだ妄想では
きっとその人はヒマワリと紫陽花が好きよ
なるほど!ヒマワリと紫陽花か!そしたらヒマワリを下さい。
分かりました、包みますのでレジまで来てください
そして、僕は彼女に仕事終わりの時間を聞く彼女は答える
そして、仕事終わり彼女にヒマワリをプレゼントする
どこかでお茶をしてお互いの話をする
今度会う約束をするそんな感じである
我ながら実に気持ちが悪いと思うが今の僕は無敵モードということにしておく
ここからが現実である
彼女が近づいて来て僕に気づく
とても驚いた顔をして声を上げる
えっ!?どうしているの?今日化粧もしてないのにしてくれば良かった
この発言は女性としての発言だが僕には愛おしく感じた
連絡が返って来なかったんで来ちゃいました!
年下感満載で言えていれば及第点だ
もう、びっくりしたよ!
ところで僕お花探してるんです!
誰かにあげるの?
貴女にと言いたがったが...日和ってしまい母にあげようと思います!
お母さんどんなお花好きなの?
ちょっとわからないんですよね、彼女さんが好きなお花はなんですか?
私は紫陽花かヒマワリかな
じゃあヒマワリを下さい、1輪
じゃあレジに来て、サービスで包んであげるね
ありがとうございます
ここからはレジでの会話だ
ねえ、もし私が嘘ついてたりして居なかったらどうしてたの?
んーその時はその時ですよ!
ふーん変なの...沈黙が続いて彼女が
連絡返さなくてごめんね!ちゃんと連絡するね。
もうこの言葉だけで僕は満足だった。
靴下が左右逆なのと水をこぼしたのを伝えたら笑ってくれた。
緊張してたの?
そりゃもうすんごく緊張ですよ
はい、お待たせ
お母さん喜ぶといいね
母にあげるつもりなんて無かったけど取り敢えずあげたら君悪がられたがそんなことはどうでもいいんだ、その日の夜に彼女から連絡が返ってきた。LINEだった。LINEは知らなかったのになと思ったが、必死で気づかなかったけど電話番号を交換した時点でLINEの友達かもに彼女の名前が実はいたのだ。
お互いの自己紹介なりを話した
そして、もちろんデートに誘った
代官山、表参道、自由が丘こーいったところに社会人はデートでいくのだろうか僕はそこら変には何も詳しくないから相手には地元と伝えずにそこを指定した。
15時の待ち合わせが彼女の予定が押して17時になった。彼女はそのことをすごく謝ったりしてきたが僕は地元なので家を出ていないので実はなんも苦じゃ無かった。
駅で待ち合わせをした、すぐに彼女とわかった、
遅れてごめんね!本当にごめん!
んーん大丈夫だよ実はさここ地元だからあの連絡来た時家に居たし笑
なにそれ!?ちょっとムッとした顔をされパンチされた。
もっと彼女のことを好きになった
お茶をして話して、彼女が映画がすごい好きなのがわかった。中でも1番好きなのは「フォレストガンプ」僕もつい最近に見ていた。運命を感じてしまった。
しかも、お茶して居た商業施設には劇中に出てくるババガンプシュリンプのお店がある。もちろんそこに行った。
彼女の格好はノースリーブのひらひらした白いシャツにハイウエストデニムだった。あんまり好みの服装では無かったけどそんなことはなんともなかった。いろんな話はしたけれどイマイチ覚えていない。覚えてるのはその日もガーデニアの香りがしたことだけだ。寒かったのか僕のシャツを貸した。お店を出て少し散歩して帰路につくことになった。僕らにはスパイシーな臭いが染み付いていた。
外を歩いてると彼女が
ねえ、シャツに匂いついてもいい?
えっ大丈夫だよ
香水を取り出し髪の毛にかけていた、シャツにも。
この行動とてもあざといというか好きがかなり加速してしまう行為であると思う。
そして、シャツを返してもら帰路に着いた。といっても僕の家はすぐだけどそのシャツの香りが惜しくて遠回りをした。
その後、彼女とはもう一度デートをしたが上手くはいかなかった。僕が恋したのは香りだったのかもしれない。
ここでもやはり向こうが社会人、僕が学生という壁もあった。
お互いが学生の頃から知っていたなら上手くいくかもしれないが、社会人と学生という出逢いは些か難しいところがあるかもしれない。
僕が心惹かれる相手は決まって社会人なのに。それも年上の...
僕は、この先ガーデニアの香りが1番好きだろうしその度に思い出すんだろう。
心に決めた、彼女が出来たら間違いなくGUCCIのガーデニアの香水をプレゼントしようと