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【MLMの世界】#8 既視感

12:00pm

お昼
今日は仕事が落ち着いているから
ランチゆっくり取れそう

「内山さん!ランチ行きませんか?」

ちょうど昼のことを考えていたら
珍しく林さんから声をかけられた

私は基本外回りだし女子と群れるのも苦手
だから最近は一人ランチが多いんだけど
以前はわりと数名の女子と同席していた
そう、メグミ先輩がいた時
取り巻き女子達に囲まれる彼女に誘われて仕方なく、といった感じで笑

メグミ先輩がいなくなってから
個別に声がかかることなんてなかったのに

でも断るような予定もないし…
まあ久しぶりに行こうかな

「ありがとう、行きます」

林さん含め3名の女子は
ご多分に漏れず元メグミ親衛隊だった

いかにも女子が好きそうなお洒落カフェに入り
パスタだかキッシュだかそんなランチメニューを皆注文していく
今日は学生気分でラーメンに行こうかと思ってたのになぁ…w

「そういえば最近メグミ先輩に会った?」
取り巻き女子Aが林さんに聞く
「もちろん!
そうだな~週1か2で会ってるかな~」
「いいな~、何したの?」
「この前の会合ではね、肌チェックがあって色んな美容グッズも試させてもらって」

あーなるほど
ここメグミ先輩近況発表会なのね…

「この前は初めて集まりで内山さんに会ったの、ね、内山さん」

「え、あ、そうそう、ビックリしましたよね」

「内山さんが通い始めたことは知っていたんですけどね~
でも来る頻度が私より全然少ないから会わないのかな~って思ってたんですよ~」

ん?
まさかこれは
マウントを取られている・・・?

「あぁ、うん、そうだね
ネイルとかって結構日にち経っても綺麗のままだから頻繁には行ってないかもね笑」

「そうなんですか~?
でもメグミ先輩は誘われたら行きますよ〜
用なくても仲良くなれるし~
それに私の為にお勧めの服とか化粧品も勧めてくれるし~
内山さんもメグミ先輩の言う通りにしてれば絶対綺麗になれますよ~」

大きなお世話だ

けど心酔ぶりを見ると
マウントとかじゃなくて
なんか執着しすぎてない…?って心配になる

「いいな~、まあ林さんが一番メグミ先輩のお気に入りだもんね!」
取り巻き女子Bがチラッとこっちを見ながら得意げに言う

ん?

「あー…そうだったんですね」

あれ?
てっきり林さんが勝手に好きなんだと思っていたけど違う感じ…?(・_・;
メグミ先輩は「彼女が仲良くなりたがってて』て言ってたよね…?

「そうですよ♪メグミ先輩と一度仕事して以来すごく気に入って『林さん素直でかわいいわー』って言ってたよねー、それで林さんも一気に懐いた感じ笑」

「ちょっと懐いたって何w!
だってオシャレでカッコ良くて
人生勝ち組の先輩が可愛がってくれて
美味しいご飯も連れて行ってくれるんだから
そんなの憧れるに決まってるじゃん!」

「そりゃそうだー、いいなぁ!」

…え
ちょっと待って
今の経緯…
どっかで聞いたよね…?

そして何だか
メグミサイドから聞いてた感じと違うよね…?

何かおかしい

前回打ち消した違和感がまた
沸々と湧き上がってきた

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