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仕手株に絶望し仕手株に助けられた話

みなさん「仕手株」はご存知でしょうか?
仕手株とは財力のある投資家によって意図的に株価を操作される株(銘柄)の事です。
仕手株は特定の投資家の思惑によって操作されるので、一般的に使われる分析方法が通用せず、投資家からは敬遠されがちな銘柄です。
しかし、仕手株はうまく利用できれば短期間で大きな利益をあげることができます。
今回は仕手株で体験した天国と地獄の体験を紹介したいと思います。

株を始めたきっかけ

株を始めたのは2017年。
始めたきっかけはSNSでの投資家による成功話が羨ましかったからです。
昔、BNFさんという投資家が元手160万円を2年で1億、4年で10億にしたという話を聞き、すごいなぁと思いながらも、自分には到底無理と諦めていました。
しかし、SNSには成功例があふれており、怪しいなぁと思いつつも余剰資金ならと元手100万円で始めることにしました。

ビギナーズラックで大儲け

証券会社は何となく楽天証券にして口座を開設しました。
当時、北朝鮮によるミサイル発射実験や核実験によりアメリカとの間で緊張が高まっており、日本の防衛銘柄に注目が集まっていました。
しかし、どうせ北朝鮮は口だけで本当に核開発をする気がないという雰囲気が漂っており、防衛銘柄の株価もそこまで上がっていませんでした。
私は試しに石川製作所の株を100株買ってみたところ、直後、北朝鮮は地下核実験を実施、結果、連日のストップ高であっと言う間に30万円程の利益が出ました。
その後も、ミサイル実験は続き、発射されるたびに株価が高騰していたので、少しずつ買っては売りを繰り返して、最終的にひと月50万円程の利益が出ました。
初めての取引で大成功しバイト代何か月分も稼げたことで、株取引に対する恐怖心が消え、慢心が始まりました。

信用取引に手を出す

信用取引ですべてを失った・・・。
子供のころにそんなニュースをみてから、大人になっても信用取引だけはしないようにしようと思っていました。
しかし、現物取引だけでは予算の関係で買える銘柄が限られており、よさそうな銘柄を見つけても少ししか買うことができません。
そこで、損切の徹底と長期間保有しないという条件を付けて信用取引を解禁することにしました。
当時は学生で時間はたんまりとありましたので、デイトレードを中心に値動きの荒い銘柄をこまめに売買して儲かったり損をしたりを繰り返していました。

仕手筋?との出会い

銘柄の選定は主に株探というサイトを利用して、値下がり率が高い銘柄を監視して反発を狙って売買していました。
ある日Twitterを見ていたところ、○○さんのおかげで稼げました!○○銘柄に外れ無し!など賞賛ばかりの投稿を見かけました。
何気なくその人の投稿を見たところ、つぶやいている銘柄はどれも高騰しており、「1万株追加しました」「あえて押し目を作っておきました」「ここから高騰させるので安いうちに買っておいてください」など自身で株価を操っている様な言動に衝撃を受けました。
後に分かったのですが、この方は別に仕手筋ではなく、複数の銘柄をあげて、うまくいけば「ほらね」とつぶやき、失敗すれば無視するだけの取引しているのかも怪しい人でした。
しかし、仕手という言葉を知るきっかけとなり、SNS上で仕手筋として有名な人物がいることもわかりました。

仕手株との出会い

仕手筋として有名な方は何人かいましたが、その中でも有名な二名をフォローして動向を探る日々が始まりました。
有料のセミナーも開催していたので、お金を払えば情報が早く手に入る可能性がありましたが、どうしてもお金を払う事に抵抗があり、無料で手に入るTwitterの情報だけを当てにしていました。
そんなある日、二人が頻繁につぶやく銘柄があることに気付きました。
その銘柄は杉村倉庫(9307)で、当時大阪IR構想が騒がれており、その土地を所有していると噂の杉村倉庫に買いが集まるというものでした。
それまでは株価の推移や業績、テーマなどしっかりと確認したうえで売買していましたが、乗り遅れてなるものかと株価が高騰し始めた頃に飛びついてしまいました。

飛びついた結果

株取引はいかに初動に乗るかが重要ですが、私が杉村倉庫を購入した時は元々300円程だった株価がすでに3倍以上の1000円になっていました。
それでも、「まだまだ初動」「政府肝いりの政策だから失敗はない」などのSNSの言葉を信じて見守っていました。
その結果、どんどんと高騰していき、一時3200円を超える株価となりました。株価10倍のテンバガー達成です。
100株10万円で購入した株は32万円となり、22万円の利益が出ることになります。

しかし・・・

無事テンバガーを達成した杉村倉庫ですが、その直後急落します。
株価は上がる時も上がったり下がったりを繰り返しながら、徐々に上昇していきます。
この下がったタイミングを「押し目」といい、株を購入するチャンスのタイミングになります。
どんどん上がっていく杉村倉庫の押し目はまさにお宝であり、私も押し目のたびに買い足しを行っていました。
最終目標株価5000円以上というツイートもあり、すでに買い足しで平均取得額が2500円程になっていましたが、この時の急落も押し目と勘違いし、さらに追加購入を行いました。
結果、株価は戻ることなく、1000円台に突入・・・。
SNSでは「まだまだ終わったわけではない」「押し目で騒ぐな」といった声や「早く損切りしないと300円に戻る」「仕手株の末路」など阿鼻叫喚となっており、まさにパニック状態でした。
そんな中、株価1500円の時点でようやく状況を理解し、損切りしました。
この時の損失は約50万円以上で、ビギナーズラックで手に入れた利益は勿論、コツコツ貯めた利益もすべて吹き飛ばし大きなマイナスとなってしまいました。

恨みはしたけれども

急落後も仕手筋からまだまだこれからというツイートが続いていましたが、突然の終了宣言&これで損するやつは向いていないといった旨のツイートがされたときは流石に怒りを覚えました。
しかし、投資は自己責任であり、現に1000円で買ってから何度も利確のチャンスがあったにもかかわらず、欲をかいて損失をだしたのは自分です。
そして、この時から仕手株の魅力にひかれつつあり、必ずこの損失は仕手株で挽回すると誓いました。

次の仕手株

次の仕手株はすぐに見つかりました。
その銘柄はニチダイ(6467)です。
2018年1月~3月の間に高騰した銘柄で、600円程で推移していた株価が一時3800円以上にまで上がりました。
当時は米中関係が悪化しており、株は全面安状態になっていました。
その中で毎日上がり続けるニチダイは異様で、すぐに仕手株だと分かりました。


前回の反省を活かして

無事、仕手株を発見して1200円で200株現物で購入しました。
前回の反省を活かし、デイトレード分は信用取引で利確は早め、損切り値の設定を徹底して売買を一日で何度も繰り返しました。
具体的には押し目で買って±100円になった時点で売るという方法でした。
そして、現物の200株は3000円を超えたら売却すると決めていました。

その結果

3000円をあっさり超えてもまだまだ勢いは衰えません。
仕手筋も買いを煽るようなツイートを連発し、SNSも大盛り上がりでした。しかし、この盛り上がりは既視感があり、前回の杉村倉庫の急落前にそっくりでした。
嫌な予感がしたので現物200株を2950円で売却、約35万円程の利益を確定させました。
デイトレード分と合わせて約40万円程の利益となりました。
前回の損失分をすべて回収できた訳ではありませんでしたが、大半を挽回できたので大きな自信になりました。

ニチダイのその後

2950円で売却後も勢いが衰えず、3500円を超えたあたりで売却するのが早かったと少し後悔を始めました。
信用取引のデイトレードだけでもやってみようかとも思いましたが、一度手じまいと決めたので、そのままほかの銘柄を探しつつ、ニチダイを監視することにしました。
その後、3815円まで高騰しましたが、徐々に下がり始め、3100円あたりに差し掛かった所で急落しました。
4日間で1500円超の大暴落を記録し、仕手筋が抜けたことが明白になりました。
SNSは相変わらず阿鼻叫喚で、前回の自分のように逃げ遅れた投資家の悲痛な声で溢れていました。

仕手株に魅かれる理由

一般的に仕手株には関わるなというのが投資家の間での常識です。
なぜなら、仕手株は特定の投資家が値動きをコントロールするので、他の投資家は値動きが読みにくく、運任せになりがちだからです。
しかし、仕手株は短期間で急騰し短期間で急落するという特徴があります。
株は現物で長期保有というのが一般的ですが、仕手株をうまく利用できれば短期間で大きな利益をあげることができます。
この、短期間で大きな利益が期待できるという部分に大きな魅力を感じ、これ以降も仕手株を探し取引しています。

仕手株をうまく利用するには

詳しくは別の記事で解説しようと思いますが、仕手株が終わる(仕手筋が抜ける)際に気付いた特徴がありますので、あげていきます。

・買い煽りツイートが増える
・皆が楽観視している
・IRが出尽くす

仕手筋は株価が安いうちに多くの玉(株)を集めます。
安く多くの玉を集めるのが目的なので、集め終わるまではSNSで発信するようなことはしません。
いよいよ集め終わったという段階でイナゴを集めます。
イナゴとは仕手株に集まる投資家を指す言葉で、イナゴのように大群で押し寄せ、食い尽くして去っていく様子から名付けられました。
仕手株の一例として以下のようなものがあります。

1.低価格で株式発行数の少ない会社の株を集める
2.イナゴを呼び寄せるために会社の将来性や株価が上がる要因を発信
3.イナゴが群がり株価が急騰
4.仕手筋(本尊)が売り抜ける
5.株価急落
6.イナゴがいなくなる

4以降は仕手株の終了を意味しますが、仕手筋も簡単に売り抜けるわけではありません。
なぜなら、買ってくれる人がいなければ売ることができないからです。
そこで、買ってくれる人を増やすために売り抜けるタイミングで買い煽りの発信が増えます。
この兆候がみられると危険サインと私は感じています。
特に買い煽りに対してまだまだ上がると皆が楽観視している時が最も危険です。
楽観視は売却タイミングを遅らせますが、仕手株に対してそれは致命的です。
株は買ってくれる人がいなければ売ることができないと書きましたが、仕手株の急落は終了の合図という事は皆知っているので株価が下がると売りが殺到し、暴落を招きます。
こうなると買い手がいなくなるので売ることもできず、ひたすら買い手がでるまで下がり続けることになります。

つまり、仕手株をうまく利用するためには早期参入、早期撤退が重要になります。
特に早期撤退は重要で、売却後まだまだ株価が上がっていくのは悔しいですが、利益を確定させることが重要なので、怪しい気配を感じたらすぐに決断しましょう。


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