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【前半】2024年 ヘビロテシングル
お疲れ様です、綿菓子かんろです。私の知らぬところでクヴェールやリサージュの名前が上がっていて嬉しいです。話題にしていただきありがとうございます。
2024年によく聴いたシングルたちを前半・後半に分けて紹介したいと思います。前半20選、後半20選の計40曲をささっと紹介していくよん。
なお、去年は体調不良の為なかなか新譜が追えず、色々な世代のものがごちゃ混ぜになっています。要は私の好きな楽曲たちを紹介しようという企画です。
わたかんは専門家ではないので大したことは語れませんが、どうぞお手柔らカニ🦀。
あちこちデートさん / 駄菓子O型
ボカコレ2024冬ルーキー1位の曲。カバーした楽曲は載せないようにしようと思っていたのですが、プライベートで聴いた時間があまりにも多いので載せました。めろうさんと一緒にデート旅をしている気分になれます。
タイトル通りあちこち変化するコード、それに伴う繊細なメロディに圧巻され相当理論派だと思っていたのですが、作曲解説配信を観に行ったところ意外と感覚派でビックリ。センスがすげえや。
癇癪と色気 / KIRINJI
キリンジがインディーズ時代の「好きさと放ってすぐに」という楽曲が元にできたボッサ・サンバ。多分去年一番聴いた曲。ラテンポップ最高。歌詞が大変アダルティ〜。A,Bメロは何となくエロスを連想させる言葉だったのに対し、サビではもうタガが外れてしまっています。
前述のこともあり作曲>歌詞>編曲の順で制作されたのかな。メロも難解、そして理解できないけど自然なコードワーク。すごい。これぞキリンジ。富田ラボすげえ。
ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ。 / 名取さな
個人勢Vtuber名取さなさんの楽曲です。意味ある転調大好きマンなので喜んで選出しました。名取さなさんのハイトーン、美しすぎませんか?音域広すぎるんよ、すごすぎるんよ。チェストで歌ってる時は可愛らしいのにギャップ萌えします。
そして鹿あるくさんのトラックが好みすぎる。サビの降下していくベースラインをいつも心待ちにしてる。コロコロとしていて可愛いウワモノにコンプバリバリでエッジの効いたスネアは相性良すぎるんだってばよ。
ポプリさん / いよわ
いよわさんの楽曲で一番好きです。一生聴いてます。歌詞が少し不穏、意味ありげで色々な考察がされている楽曲でもありますが、結局真相は不明。意図なんて分からなくてもいいんだ、良い曲だから。
基本4拍子、サビ5拍子→4拍子、Dメロ3拍子と、割と拍子が変わる!たのしい!(脳死)サビの5拍子の部分、裏の副旋律のプラック?のメロがいい。毎度リバースシンバルが挟まっているのにしつこくなくて不思議。むしろ心地良い。
ドリフト・アパート / 山中千尋
ジャズピアニスト、山中千尋さんのオリジナル曲。彼女が作曲・アレンジをしたモダンジャズです。ドラム無しの珍しい編成で、ピアノ・ギター・ウッドベースのトリオ。刻んでるのはベースだけなのに、ピアノもギターも縦のラインがビッシリ揃っていて「ノれる」。
進行はスタンダードで、テーマ→アドリブの流れですがどの楽器のフレーズもメロディックで歌モノを聴いているかのような気分になります。あと山中千尋さん、単純にピアノが上手すぎる。
Cookie / NewJeans
R&Bは至徳でしかない。歌詞ラストの「虫歯になっても知らない」という言葉、それまで誘惑するような歌詞だったのにいきなり突き放すの、駆け引き上手。
和音は薄めのパッドしか入ってないのに、改めて聴いて音像の厚みを実感しました。個人的にNewJeansは大衆ウケを狙わないジャンルが多くて面白い。Cookie以外の楽曲も、ボルモチアクラブやマイアミベース、結構挑戦的なジャンルのシングルが見られます。これを機に色々なワールドミュージックが注目されてほしいです。
愛餓を / ピチカート・ファイヴ
元ははっぴいえんどの厳つめの楽曲。それをピチカートがおしゃれボッサにアレンジしたものです。あまりにも印象が変わりすぎて仰天。歌ってるのは野宮真貴ではなくクレモンティーヌです。
同じメロディ・歌詞がセクション毎にどんどん形を変えていきます。歌詞、というか五十音しか言っていません。でも、それでも美しいんです。ストリングスのオーケストレーションも凝っていて聴き飽きません。ウィスパーボイスを使いこなせるようになりたいと思いました。
グルメ紀行 / 婦人倶楽部
一つ前にピチカートの楽曲を挙げましたが、この曲を含めこちらの婦人倶楽部さんの楽曲も渋谷系ポップスが多いです。メンバーは佐渡ヶ島で暮らす四人の主婦たちのみで構成されているらしい。なんだそれかわいい。
歌詞、MVともに佐渡ヶ島を匂わせるものばかりで旅行した気分になれます。一昔前の渋谷系を思わせるフルートやマリンバのオブリが良い。ジャングルっぽい疾走感のあるドラムも良きです。歌詞がほぼ食べ物なのですが、この楽曲を聴きながら一人飯食べるのが好きです。
Missing My Bird (2024 Ver.) / JABBERLOOP
J-JAZZと言えば私の中ではJABBERLOOPです。昔から好きだった曲がリアレンジされているなんて、もうそれは聴くしかない。
テーマの進行も、メロを担当するメイン楽器も一新されてて驚きました。2012年にリリースされた原曲よりもさらにモダンなアレンジとなっていて、洗練された印象を受けます。原曲は疾走感のあるピアノのイントロでしたが、ルバートでゆったりとしたイントロに変更されてました。他の楽曲のフレーズも引用されててファン歓喜。落ち着いた印象→キメの緩急に惚れた。
Yona Yona Journey / TAKU INOUE&Mori Calliope
Vtuberのオリ曲では珍しいダンサブルなエレクトロハウスです。お芝居有りの激シブMV × カリオペ様の爽やかボイス。英語6割、英語に聞こえるエセ日本語4割。何も言わずにとにかく聴いてみて!絶対に踊っちゃうから。みんな、ドライブデートではこの楽曲を流すんだ。相手いたらの話だけど。(みんな、私がいるよ)
間奏のサックスソロのフレーズが良すぎる。武嶋聡さん、初めてお名前を初めて知りましたがイノタクアレンジとの相性が良すぎると思います。
逢引 / 折坂悠太
こちらも渋谷系っぽい楽曲。もちろん楽曲単体としても良いですが、こちらの収録されたアルバム『平成』も最高。全曲通して聴いてほしいです。
この「逢引」は手前の楽曲のアウトロから繋がっていて、まるで『平成』はいくつかの話を携えたオムニバスのよう。色々な思想が行き交う闇市をイメージして作られた楽曲だそうですが、中盤の演劇パートがより背景を連想させる手助けをしています。折坂悠太は何でも書ける。
night draw / NOMELON NOLEMON
元々ノーメロは好きでしたが、お友達のまゆりちゃんが歌っていてさらに好きになりました。テンポやコード、メロこそ変わりませんが1番、2番でかなりガッツリとビートチェンジがあり、一曲で何度も楽しめます。
MVは初見で観たとき泣きました。綺麗で哀しい曲。みきまりあさんの繊細なボーカルもこの楽曲の儚さに拍車を掛けています。ラストにかけてだんだんテンポが上がっていくのも良いんです。オタクだから、こういうのが好き。
実意の行進 / 松木美定
どう説明したら良い楽曲なんだろう。作曲者の松木美定さんはジャズが根幹にある方で、楽曲もジャジーなのかな、と思ったのですがジャズが全面に押し出されているというわけではなく所々でエッセンスを感じられます。2-5-1が巧みに使用されていたりホレス・シルヴァーのフレーズが引用されていたりで楽しい。
ピアノとボーカルのみで始まり、この時点でもかなり複雑なコードワークだなあと思っていたらそれ以上に複雑だったのがドラム。激しく刻まれるリズムに中毒性があります。
Enigma / Emty old City
みんな大好きエレクトロスウィング。冷たくて都会感のあるシンセとテープっぽいブラスのオブリがマッチしてて心地いいです。
いきなりウォークベースに変わるのも、その後の間奏で琴が入るのも面白い。それまでの流れからは想像できなかったモントゥーノがいきなり始まるのも斬新。あと個人的にシンセの音色の調整がバランス取れてて好き。どのジャンルでも言えることだけどめっちゃドライな音像!ってよりはちょっとあたたかさを残してほしい。
I Know / BRIGHT
邦楽R&B枠。関西出身のダンスボーカルグループであるBRIGHTのシングル。各メンバー本当に歌声が伸びやかで綺麗なのですが、2013年までで一旦活動は終了してしまっているみたいです。
A.Bメロのシンプルさにビビる。「音数が多い=いい曲じゃない、誤魔化しているだけ」論争をよく目にしますが、これは少ない音数でしっかりメロを活かしています。サビで和音を支えているコーラスがこれまた芸術的なこと…。音の抜きどころが勉強になるアレンジです。
Strange Bar / Laur
maimai収録のスウィングジャズ × グリッチホップ。最終的にはハードコアになる激ヤバ構成です。Laurさんの楽曲の中でこれを選出したmaimai運営センスありすぎる。
よくあるビッグバンドっぽいドラムがいつの間にかシンセドラムに成り代わって、普通に動揺します。めちゃいい。ピアノのバッキングもしっかりジャズの要素が取り入れられているし、途中のブラスサウンドがリアルすぎる。音源がめっちゃめちゃ良いのか、オートメーション描くのが上手すぎるのかな。わかんない。
またたき / Bialystocks
音数について申したすぐ後に、音数少ない系3拍子ポップが来てしまった。というかポップ?ビアリストックスの各曲はジャンルの垣根を越えた音楽だと思います。甫木元空さんのボーカルは少しレイドバック気味で、落ち着く。と思いきや声の調子の緩急がすごい。楽曲の盛り上がり所はしっかり張り上げ、それ以外はどこか抜け感のある歌い方をしていらっしゃる。
曲全体を通してはクールな印象で、フィルもほぼ無い。一定のリズム帯と、穏やかで美しいピアノとボーカルの音色だけが響いています。ラストの多声コーラスに度肝を抜かれました。
Stefhania / Kalush Orchestra
ウクライナのKalush Orchestraというグループのフォークヒップホップ。ウクライナの民族音楽的要素と、ウクライナ語の高速ラップが見事に調和しています。
ソピルカとテレンカ(フルートの様なウクライナの伝統木管楽器)のソロが中毒性高い。ヒップホップとしてのトラックメイキングの完成度も高く、フレーズやバッキングはかなりエスニックなのにめちゃめちゃポップに聴こえる。「ステファニア」というのはメンバーの母親の名前で、母への思いや葛藤を綴った曲です。
レモン哀歌 / minuano
MinuanoはLampのボーカルでもある榊原香保里さんが所属してるもうひとつのユニットです。元ネタはほぼ確実に高村光太郎の『智恵子抄』より『レモン哀歌』。ですね。『智恵子抄』や『智恵子の半生』を読む度この歌が思い起こされます。
フルートの音が綺麗で儚い切ないボッサ。ボーカルとフルート両刀なの普通にすごい。智恵子の儚い半生、死に際の様子を歌っているので当然歌詞も暗くなるのですが、その言葉たちに榊原さんの優しいウィスパーボイスが合いすぎている。
散瞳 / 君島大空
この音の数々すべてが自宅の部屋から生まれるってどういうこっちゃ。君島さんの頭の中を見てみたいです。多分私史上一情報量の多い夏ソング。逆相バリバリ、歪みという概念を越えたギター、荒らしまくった渋谷系…みたいなイメージ。美しいけどその中に狂気を孕んだ悪夢です。
個人的にはこれ、複雑でありながらキャッチーのラインを維持しているメロだと思います。歌いたくなるから。彼らを筆頭にオルタナ現代ポップスの輪がどんどん広まっていくといいな。
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Hey!! 前半戦終了!世間の流行ではなく、わたかんの流行を紹介させていただきました。
この中に好きな曲あった? みんなと、もっとこういう音楽のスキ!を話せたらいいなあ。
若干評論チックになってしまったかもしれませんが、わたしはいち素人です。ちょっと音楽が好きなだけの人間なので色々と間に受けないでにぇ〜!
では、後半もおたのしみに。じゃねば〜。👋