LAタイムズ、オーナー主導で編集方針の転換か、トランプ支持の共和党関係者を起用

ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)のオーナーである製薬業界の億万長者、パトリック・スーン=シオン(Dr. Patrick Soon-Shiong)が、同紙の編集方針に大きな変化をもたらそうとしている。トランプ支持の政治行動委員会(PAC)を運営した経歴を持つ共和党関係者を起用すると米Semaforが報道した。

スーン=シオンは2018年にロサンゼルス・タイムズを買収して以来、編集委員会の刷新の噂がでていた。その一環として、CNNのトランプ支持コメンテーターであるスコット・ジェニングス(Scott Jennings)を同紙の役職に任命。また、トランプ政権の閣僚指名を批判する記事を掲載する場合、反対意見も同時に掲載する必要があるとの方針を示している。今年の同紙の署名なしの社説は地元の主要課題である山火事に焦点を当ててきたが、今後はさらに多様な視点を取り入れる姿勢を打ち出している。

さらに、スーン=シオンは、トランプ支持の政治行動委員会「グレート・アメリカン・アライアンス(Great America Alliance)」の共同創設者として知られるエリック・ビーチ(Eric Beach)を起用。編集委員会に新たな声を加え、並行して設置される予定の意見フォーラムに参加するメンバーの募集を依頼したことが明らかになった。


編集方針の転換に注目集まる

ロサンゼルス・タイムズはこれまで進歩的な視点を持つ新聞として知られ、特にカリフォルニア州のローカルニュースにおいてその役割を果たしてきた。しかし、今回の一連の動きは同紙の編集方針が大きく変化する可能性を示唆している。

スーン=シオンは「多様な意見を反映する場を提供する」との意向を示しているが、トランプ支持の関係者を積極的に起用する姿勢には、一部読者やジャーナリズム専門家から懸念の声も上がっている。進歩的な論調で知られる同紙が、今後どのようにバランスを取りながら報道を進めるかが注目されている。

ロサンゼルス・タイムズは西海岸最大の新聞社として、その動向は他のメディアにも影響を与える可能性がある。今回の新たな編集方針のもと、報道内容や紙面構成がどのように変化するかが問われている。


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