鴻巣の練り物(埼玉県・鴻巣市)_20190211
埼玉県は一大人形産地
埼玉県はひな人形の生産量が全国一で、全国生産の約半分が埼玉県でつくられているそうです。
そんな埼玉県で人形の生産が盛んになったのは江戸中期のことで、当時建造中であった日光東照宮の彫刻のために、腕の良い職人が多く集まったのが400年ほど前のことです。
特に岩槻市(現・さいたま市岩槻区)などには多くの職人が集まり、東照宮との行き来があったそうです。
また岩槻市にも近く、中山道沿いの宿場町で流通の盛んであった鴻巣(こうのす)市も、380年前頃に京都の仏師が移り住み、土雛をつくりはじめたと言われています。
▼オレンジの☆印
(上から)日光東照宮、鴻巣市、岩槻市
「練り物」とは
南関東一帯でよく育つ桐をつかった箪笥や下駄などの桐細工の副産物として豊富に手に入るおがくず(桐粉)を利用してつくられる人形です。
いわゆる「ひな人形」は、木目込人形(きめこみにんぎょう)というもので、桐塑(とうそ:桐粉を生麩糊で固めたもの)を型抜きしてつくった胴体に裂地(きれじ)を貼り付けて、衣装を着ているように見せる人形のことです。
一方、同様にしてつくった人形の生地に、じかに色彩をほどこしたものが練り人形です。
今回つくった張子は、じかに色彩をほどこした練り人形です。
鴻巣の練り物の特徴
全体が赤く塗られた物が多く(「赤物」と呼ばれる)、中国から伝わり古くから疱瘡除けの色とするまじないがあることから、子どもの無病息災のお守りとして珍重したそうです。
今回つくった『鯛金』(鯛乗り金時)の他にも、『熊金』(熊乗り金時)、『鯛車』と代表的な練り物がありますが、どれもユニークな造形と表情をしています。
※金時とは金太郎のことです。知りませんでした。。坂田金時という源頼光に仕えた四天王の一人の幼名だそうです。へー!
現在つくっているところはほとんどない
ひな人形の生産はまだまだ盛んな鴻巣ですが、この赤い練り物は現在、臼井人形店と太刀屋の2軒のみでつくられているそうです。
日本一のピラミッドひな壇
そんな鴻巣では桃の節句(3/3)に向けて、市内のいたるところでおひな様を飾るイベントがあるようです。
特に日本一高いと認定されたピラミッドひな壇は、写真で見るだけでもお腹いっぱいです(笑)。おひな様たちが千代紙かなんかの柄にしか見えない。。
今年は2/20(水)〜3/10(日)までとのことなので、お近くに行かれた方は人形店が立ち並ぶ町の様子とあわせてご覧になると良いのではないでしょうか。
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ただいま14/47です。関東地方も残すところ神奈川県のみ!