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歯医者の臭い

歯医者特有のあの臭い。独特の薬品の臭い、私は苦手です。あの薬品臭を軽減させる方法があります。

臭いの元は

 ワタベデンタルは歯医者特有の臭いを軽減させる努力をしています。新築ということもありますが「みなさん木のいい香りがする」と言ってくれます。地味なことですが臭いにも気を付けています。
 あの歯医者臭さは特定の薬品が発しています。しかも、一度空間に染みつくと非常に厄介で、その薬品を除外しても臭い続けます。例の薬を置かないようにすれば、かなり軽減させることができます。
それは根管貼薬剤です。
特にFC(ホルムクレゾール)とかFG(ホルムグアヤコール)です。この強烈な臭いにユージノール、クレオソートやCC(フェノールカンフル)などが混じっています。どれも細胞毒性が強く、使用が推奨されない薬品です。使用を禁止している国もあります。
 綿栓とFCを使っている根管治療は、残念ながら日本では普通に行われています。10年ほど前にフィンランドのトゥルク大学の学生と先生が日本の根管治療を見て、まるで化け物を見るような眼差しで驚愕していたのを思い出します。

あの臭いの歯医者は…。

 FCやFGを置かなければ臭わないのですが、ホルマリン系の根管貼薬剤を使わないためには根管治療を大きく見直す必要があります。
簡単に言うとFCやFGは手っ取り早く痛みを抑えることができます。根管内の細菌を知覚細胞ごと細胞毒性で一猛打にできるため、疼痛を簡単に抑え込めます。根管内に感染が残っていても、残髄していても、ほとんど洗浄できていなくても、いわゆる「治った」状態になります。短期的な症状を抑えることができるので「腕がいい歯医者」になれます。不完全な根管治療であっても。
 FCやFGを使わないと根管治療を精密に処置しなければなりません。感染物質の取り残しや残髄は術後疼痛に直結します。精密な根管治療を施術するためには時間と手間が必要です。高額な治療器具も必要になる場合もあります。
 アポイント時間が長くなるため、いわゆる「患者を回す診察」ができません。よって単純に「使うのやめた」で止められません。クリニックの診療スタイルから見直さなければなりません。だから「患者を回す診察」スタイルの歯科医院では例の臭いが漂っています。

臭いのしない歯医者

 私の根管治療はシンプルです。だいたい1回か2回で終わります。2回の場合は水酸化カルシウムを貼薬しますが、なくてもいいと考えています。1回法では貼薬しないので。
 ラバーダムで感染対策して、感染源を取り除き、しっかり洗浄して緊密に根管充填するだけです。結局シンプルが一番です。ただし1回の治療時間がかかります。これを踏ん張れるかどうかです。短時間で済まそうとするから治療が荒くなって、知覚鈍麻作用のあるFCとかFGでごまかしたくなるのです。
歯医者の臭いをさせないためには、それなりの覚悟が必要です。


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