美容医療の経営破綻を考える

 また大きな医療法人が破産したそうです。売上163億円もある美容医療の最大大手が・・・。総負債額は124億円に債権者は9万人以上。医療界の信頼が、またひとつ揺らぎそうで、複雑な思いです。

全国に約30店舗も展開しており、広告で著名人を起用するなど、破竹の勢いだったはずです。小さな個人建て歯科医院の親父が40年以上倒産しないで、何桁も違う売り上げを出せる医療法人があっけなく破産・・・。

売上が大きければ安心できるわけではない
むしろ大きくて強いことが仇となっている

親父の「太くて短い経営をするな」という言葉が重いです。
売上1億円、3億円、10億円・・・大きくなればなるほど、安全になるわけではない。むしろ破綻に向かって加速することになるのです。

 近視眼的に見れば、売上の増大で私利私欲を膨らませることができます。ですが、私は大勢の人の信頼を損なってまで、大金持ちになりたいとは思わないし、信頼してくれた人を裏切るようなことは絶対にしない。信頼を損なったお金には必ず足がつきます。

 現在は国内外の情勢が乱れ始め、変動が激しくなっている感があります。
AIやインターネットなどの技術的な進歩ももちろんですが、人々の感覚や空気感もここ何年かで大きく変化していると感じています。ギスギスしているというか、殺伐とした雰囲気といいますか、残念ながら風向きが悪いように思えてなりません。

開業前に亡くなってしまった祖母が言っていたことがあります。
「ばあちゃんが赤子の頃、すごく景気が悪い時があってね。ばあちゃんのお爺さんが行田で和菓子屋さんやってて、その時はすごく大変だったみたいだよ。大きくやってたところは、みんな潰れちゃったみたい。ばあちゃんのところは小さかったから、何とか砂糖を譲ってもらって、食い繋ぐことができたって聞いたことがあるよ。」

 生存環境の変動が大きい場合、生物のサイズは小さくなり、種類が増えると言われています。沖合よりも浅瀬の方が生物の種類が多くサイズが小さい理由です。

今は経済も国際情勢も安定しているとは言えません。
悪い風向きのときは動かずじっと待つ、に限ります。
勢いも大切ですが、今はその時ではないと思います。食料が少なくても死なないサイズになる、ないしは冬眠のように超低エネルギー状態で生存できる能力が重要になると考えています。
同業の破産を減らしたいです。


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