歯医者選びの難しさ
歯医者選びはすごく難しいと思います。
閉鎖的な専門分野で、患者さんとの情報格差が極端に大きい。
単純な指標がなく、ホームページを見てもどこも同じように見えます。
「歯医者さんの選び方」で検索しても、しっくりこないのではないでしょうか。
スタッフの定着率って言われても、初めてで判断するのは不可能
医療機器やラバーダムなどの術式についても、医療従事者であっても判別できないことがあります。
やっぱり人柄しかないのか・・・?
歯科医院選びを困難にしているのが「保険診療」にあります。
保険診療は大雑把に言うと、最低ラインをクリアした歯科医療を地域住民に提供するためにデザインされています。
「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ための医療提供です。
だから地域格差が生じては困ります。
あっちの町では入れ歯が作れない先生しかいない
こっちの村では歯周病しか診てくれない
隣の市ではむし歯治療しかやってくれない
こんな感じで医療格差が生じてしまうと、憲法に反することになります。
よって保険診療を提供する以上、専門特化されては困ります。地域住民が困らない程度に治療できなければなりません。よって診査診断から治療方法まで、細かく点数化され管理されています。
厳しく管理されているから歯科医院によって色を出しにくい、むしろ特色がないほうが好都合です。
保険診療は均質化を目指しているからです。
昔はこれで大成功でした。みんな同じで仲良しね。笑う声まで同じね。
国民皆保険制度でみんな同じ医療で仲良しね。
シーラカンスのように、古代の制度のまま生き続けているのが国民皆保険制度です。
みんな同じで仲良し満足の時代はとっくに終わりました。
ベースが同じだから歯医者選びは難しいのです。
保険医療は多様性の時代に取り残された、最低水準で均質化された業界です。
「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ための制度です。
特色を出してはいけないため、厳しい広告規制があります。かなり形骸化がすすんでいますが…。
「国民に誤解を与えてはならない」という言い分のもと、同調圧力がかけられています。
どんぐりの背比べを強要されている状態なので、どこも同じに見えます。
平等がもたらす不平等とでも言いましょうか。
時代は変化します。
どんなに頑丈そうな建物も100年もすればボロボロです。
白い巨塔は時代の風雨にさらされ、大規模修繕の時がきています。その予算があるのか心配ですが・・・。倒壊しないことを祈ります。
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