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スぺイサイド⇒アイラ島⇒キャンベルタウン⇒アラン島へ その②
1日目の午後、BBQレストランで昼食を取った後、ザ・グレンリベット蒸留所へ向かいました。
1824年に政府公認の第1号蒸留所として開業したこの蒸留所は、今年で200周年を迎えます。
訪問したのが2023年8月だったため、もし一年ずれていたらちょうど200周年の年に当たっていたのに…と少し惜しまれました。
ツアー中では、来年には記念ボトルが発売される予定であるとのガイドからの説明もありました。
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グレンリベット蒸留所はスコットランドでも最大級の生産量を誇る蒸留所で、年間約2100万リットルを生産しています。
そのビジターセンターは非常に豪華で、マッカラン蒸留所に匹敵する感じと思いました。
過去にはグレンリベットの名を冠する蒸留所が数多く存在しており、他の蒸留所と区別するために「THE(ザ)」という定冠詞を付け加え、「ザ・グレンリベット」として唯一無二の存在を主張しました。
他のスぺイサイドの蒸留所の看板に「xxxxx Glenlivet Distillery」と記されているのを見ることもあり、これはグレンリベットがいかに大きな影響力を持っていたかを伺い知れます。
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ツアーの内容は、展示や映像を駆使した序盤から始まり、ザ・グレンリベットの歴史やウイスキー製造の過程を深く理解するには非常にわかりやすいものでした。
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生産設備については、スコットランド最大の生産量を誇るだけあって、その規模は圧巻です。
特にマッシュタンは、これまで見てきた中で最大級のもので、一度に13トンもの原料を仕込むことができる大きさです。
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ウォッシュバックのセクションでは、実物は写真で見る以上に巨大で、特に足場の下からの高さは圧巻でした。
発酵時間は54時間に及び、長い発酵時間をかけることで、フルーティな味わいのウォッシュ(アルコール度数約8~10%の薄い乳酸飲料のような味)が生まれます(100時間を超える発酵の蒸留所も有る)。
一般的にウォッシュバックは木製とステンレス製があり、木製は約60年、ステンレス製は約120年の使用が可能だそうです。
メンテナンス性ではステンレス製が優れていますが、木製のものはその歴史が味わいに影響を与えると説明されました。
実際に、他のある蒸留所では見た目の良さを理由にステンレスから木製に変更したものの、味に大きな変化はなかったとの話も聞いたりしたことも有り、この点に関しては、どこまでが真実かは定かではありませんが、伝統と革新が交錯するウイスキー製造の現場を垣間見た感じでした。
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こちらは第2蒸留棟で、6基のポットスチルが設置されています。蒸留棟は1から3まであり、その規模の大きさには本当に驚かされます。
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樽の重要性についての説明を聞き(一説ではウイスキーの香り、風味、味の約70%が樽由来であるとのこと)、実際に樽の香りを嗅ぎながら、説明された特有の香りが感じられるかを体験することができます。
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それぞれの樽からの香りを体験できます。また、異なる樽の原酒を組み合わせたり、バーボン樽で熟成させた後に他の種類の樽でフィニッシングを施すことで、ウイスキーに複雑性を持たせる方法についても説明がありました。
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その後はテイスティングルームでのお楽しみ会。
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テイスティングは3種類のウイスキーが用意されています:12年、15年、蒸留所限定の13年カスクストレングスです。
12年:フローラル&フルーティーな味わいで、バニラやペア、リンゴの香りが感じられる。
15年:よりクリーミーでナッツやジンジャーのスパイスが際立っています。13年:ダークチョコレート、プルーン、ストロベリージャムのような濃厚でねっとりした味わいが特徴。
12年はスコッチウイスキーのスタンダードもされるほど、そのバランスの良さに加えコストパフォーマンスの高さが魅力です(グレンフィディックも見て思いましたが、本当にオペレーションで働いている人が少なく、自動化が凄いなとも思いました。)。
個人的には、13年の豊かな味わいが特に気に入りました。
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ハンドフィル用の樽も豊富にあり、非常に充実したビジターセンターでした。
その後、スペイサイド地区にあるハイランダーインに向かいました。
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ウイスキー好きによく知られているハイランダーイン(日本にも支店やバーがあるらしいですね)は、日本人がオーナーを務めており、訪問した日はオーナーは不在でしたが、バーテンダーさんにもう一人の日本人スタッフが働いていました。
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地元の人々にも人気のあるこのバーでは、珍しいウイスキーを数多く取り揃えています。
様々なウイスキーについて話を聞きながら数杯を楽しんだ後、最後に頂いたのは非常に珍しいウイスキーでした。
中身はカリラですが、3年以内にオランダへ持ち出されて熟成されたため、スコッチウイスキーと名乗ることができないとのことでした。
スコッチではないカリラという珍しいボトル。
普段はバーやその他の場所で100%英語を理解するわけではないので、日本語で話を聞けたことは非常に心地よく、楽しい時間を過ごせました。
唯一残念だったのは、翌日アイラ島への出発が早朝だったため、朝食をいただくことができなかったことです。そのため、近いうちに再訪したいと思っています。
次の記事のその③では、2日目のアイラ島までの行程と途中立ち寄った街(オーバン)について少し触れたいと思います。
ではまた。