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Q.さいきん手紙ってもらいました?

A.手紙はもらったことはないですが、渡すことは時たまあります。

最近もネットで仲良くしてもらってる人と直に会う機会があり、今までの感謝と「これからもよろしく」という直筆の手紙を書いて、雨の降る日に手土産と一緒に渡しました。

その晩からですね、その人とは連絡が取れなくなりました。

原因は……おそらく手紙だと思います。

会ったときは相手も喜んでくれたし、会話も特にトラブルなくて、手土産も手紙(まだ未開封)も喜んでくれて、お別れもスムーズで、時系列的に考えると手紙を読んだであろう時間帯しかないので間違いないでしょう。

字が下手だったから?
文章がキモかったから?
文体が好みではなかった?
内容が一方的だったから?
書き損じを修復した部分があったから?
(予備の20枚すべて失敗してしまってアレが一番マシなんです…)

上記が理由かもしれないし、それ以外が理由かもしれません。

すべては私が招いたことだから「なんやぁその態度は!?」なんて戯言を言える権限はありません。

ただ、久々に友だちになれそうだと思える人と出会えて、互いの趣味や価値観を話の肴に盛り上がって、いつかコロナが収束したら酒の席で杯を交えて、そんなロマンを想っていたばかりに残念です…。

さらに告白すると、このようなケースは過去に何度もあって、直筆の手紙を渡した日からすべての想い人とは音信不通になりました(なんか死神みたいだな)。

こうなるならば手紙なんて書かないほうが良いのかもしれませんけど、普段はSNSで連絡しているからこそ「手紙」というアナログな手段が「あなたは特別な存在ですよ」という私なりのサインでもあります(なんかデスゲームの主催者みたいだな)。

それに「手紙を渡す」、それまでの道筋にはいくつもの相手を想う瞬間があります。

おしゃれな文具屋に足を運ぶ、相手に渡したい手紙を選ぶ、お気に入りの万年筆を用意する、下書きにありあまる文面を書き出す、相手に伝えたいエッセンスを抽出する、書き損じをしないよう失敗を戦う、張り詰めた空気の中で満足に達する作をようやく書き切る、相手の喜ぶ顔を想像して自分も喜ぶ、何度も確認して封をして、カバンの中に入れて、緊張と期待を胸に抱えて目的地に向かって、清水の舞台から飛び降りる勢いで相手に届ける。

しかし、これらは自己陶酔の、素っ頓狂な道化で、アジャラカモクレン、アブタラカブダラ、ピンポンパンノポンキッキ、ビブデバビデブー、テケレッツのパーに過ぎなくて、まあここまで読んだ通り、扱いが超絶めんどくさく未練はあります…。

それほど恐れるのならば、そのお告げの恐怖をあっしにも教えてください。

破綻的で荒々しく、指先が凍えるほどの、身震いするほどの情熱的な手紙を。

できるわけないか、みんな消しちまったから。

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渡邉綿飴
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