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【#066|年末記・2024】

今年も一年ありがとうございました!

今年は実家の引っ越しに身内の入院。

1年前の同じ日に、
その日から今日までの出来事を
微塵も思わなかった1年でした。

何より役所の手続きを通して見えた
〝社会的における自身の至らなさ”
を思い知りました。

これで厄年でもないから驚きです、
本番が恐ろしや。

しかし断言します、来年は違いますよ。

意気込みの半分は虚栄心でも、
残りの半分は本心です。

来年は私の干支である巳年、
つまりMeの年です。

12年に一度のアイアム主人公の年、
積もった不幸の伏線回収になるよう精進します!

……と思ってた矢先コレ書く直前の夕食で
右下奥歯の詰め物が取れました。

「炊き込みご飯のお焦げ」という
ノンシュガー銀歯泥棒、
まったく不意打ちだった。

こりゃアンハッピー逆バンジーが
どこまで自分を飛ばしちゃうのか、
もはや期待でしかない。

過酷さ余って哄笑百倍アンハッピーマン!
今年のヒーローなんだから
逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ
逃げちゃダメだ
そうだ歌おうか。

縦の糸は恐さ 横の糸は怖さ
逢うべき糸に出逢えることを
人は恐怖と呼びます

あぁどうしよう、
えっ今から入れる保険あるんですか加入します、
掛け金その場払いっすか、
えっと財布の万札が

「今何どきや」

「すんません うち電子決済なんです」

さてさて、
ここらで脱いだ掻巻に袖通して、
まくらを整えて、
初夢でも見ましょうか。

一富士

二鷹

三やすみなさい。

2024年12月31日 
渡邉綿飴

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【本編に収まらなかったから載せるねコーナー①】

◇今年の読んだ&観たベストワン作品

◆本部門:『君と宇宙を歩くために』泥ノ田犬彦:アフタヌーンKC

《あらすじ》
勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…。「普通」ができない正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。

 読んだ方なら直ぐに分かると思うのですが、このヤンキーの小林くんと変わり者の宇野くん。明らかに発達障がい(小林くん)と自閉症スペクトラム(宇野くん)なんですよ。しかし「彼らの障がいに理解を」みたいな量産型社会啓蒙漫画ではないんです。あくまで「苦手は“やらない“の理由にはならず、たとえ遅くても下手くそでも工夫して頑張ってる姿に人は応援する」というシンプルなメッセージ。つまりは「今はまだ無才の子たちの成長録」なのです。
 これ昔から思ってたのですが、フィクション物でもノンフィクション物でも「知的障がい者=何かのスペシャリスト」って描かれますよね。もちろんスペシャリストもいるんですけど、それはあくまで知的障がい者すべての中の氷山の一角であって、残り99.9%は無才のまま終わる人です。それを稀有なケースだけ取り上げて「ほらっ知的障がい者ってみんな天才肌でしょ」みたいな言い方する。あれ嫌いなんですよ。発達障がいにしろ自閉症スペクトラムにしろ、当事者にとって一番困ることは「みんな当たり前に出来てる“事務と生活の管理“」なんですね。勉強から書類提出まで、これが出来ない理由が理解できないと思われるような「病名すら与えられない“タスク系の知的障がい“」、それが発達障がいです。
 自身の過去エッセイにも書きましたが、自分も「みんな当たり前のことができない苦しみ」で生きてきました。だからといって「みんなー!俺のこと理解しろ!」とは言いません。出来ないからといってやらなかったら解決するわけでもなく、結局は「不得意」になるまで練習や訓練する必要があるんですね。自分の場合、いまだに小学生レベルの簡単な暗算ができないんですが、日常生活で小学生レベルの暗算をやらなくていいわけにはいかないじゃないですか。だから、暗算の仕方を自分なりに工夫したり迂回したりして「不得意」レベルまで引き伸ばして、どうにか普通の社会の片隅でひっそり暮らしております。
 一方、テレビで取り上げられるスペシャリストも事務管理力は同等に壊滅的ですが、彼らは別に困ってません。なぜならスペシャリストだから本業以外の生活全般を代理してくれるマネージャーらがいるんですよ。だからスペシャリストは生活のイロハも出来ないまま生活できるんです。狭く深い本業で富と名誉をゲットしてるし。
 私は「(特殊な作業ではない)出来ない人の成長」を見たいし知りたいのです。普通が出来ない普通の人はどうやって克服していくのか、私は彼らの成長と幸福を願っています。

◆映画部門:『デューン 砂の惑星 PART2』ドゥニ・ヴィルヌーブ

《あらすじ》
『メッセージ』『ブレードランナー2049』のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・ハーバートのSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作『DUNE デューン 砂の惑星』の続編。その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。

 ここでひとつ言っておきたいことがありまして、今年は私生活がドタバタ破綻してたのも相まって、観た映画作品は全8作、映画館で観た作品はこの1作だけ。要するにランキング無しの不戦勝ということです。だからといって惰性で受賞させているわけではないですよ。むしろ真逆で、心身がどういう破綻した状態でも無理やり時間作ってまで「映画館で観たかった」作品なのです。
 この『デューン』は過去10年間の各国で製作されたSF映画の中で最も「SF小説の完全映像化に成功させた作品」だと私は思っています。小説というのは(当たり前ですが)文章だけで挿絵すらない作品がほとんどです。つまりは読書とは「文中に描かれる描写を参考に読者の頭の中で映像を作らせる」実に特殊な関係の行為なのです。だからこそ小説の映像化とは難しい、ましてや常識すら突拍子のない世界を扱うSF小説の映像化は難しい。映像と脚本に相当の説得力でもないと観客らは終始「??」で終わってしまいます。その点だけでも『DUNE』の素晴らしさは別格の類い。娯楽映画の枠を越して、遥か遠い宇宙旅行にでも出かけたような、地球が消えた何万年後でも語られる荘厳な神話の瞬間を目撃したような、SF映画の可能性を広げた一作です。それもそのはずで今作を手がけたドゥニ・ヴィルヌーブ監督は『メッセージ』『ブレードランナー2049』など原作SF小説の主旨を汲み取って上手く映像化に落とすのが大変巧い監督。そして原作小説は『スターウォーズ』『銀河英雄伝説』などSFの一大ジャンル「スペース・オペラ」を生み上げた記念碑的作品。現にジョージ・ルーカスや宮崎駿はこの小説に多大な影響を受けて歴史的な名作映画を作りました。ちなみにドゥニ自身もこの原作の大ファンでした。それに肖って話すと、今作の映画音楽を担当したハンス・ジマーもまたその一人です。
 計12回のアカデミー賞ノミネート(内受賞2回)、計15回のゴールデングローブ賞ノミネート(内受賞3回)、計4回のグラミー賞受賞など最も著名な映画音楽作曲家として知られるハンス・ジマー(『バッグドラフト』『ライオンキング』『ラストサムライ』『ダ・ヴィンチ・コード』『マダガスカル』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ダークナイト』『インセプション』『トップガン:マーヴェリック』など手がけた)、特にクリストファー・ノーラン監督作品の音楽担当が有名でした。バットマンシリーズにインセプション、インターステラー、ダンケルク、そしてノーラン次作となる『テネット』も継続で担当依頼を出したのだがハンスは依頼を断りました。理由がこの『デューン』の製作発表で、ハンスは少年時代からこの原作小説の大ファンで「もし再び映画化されるなら担当したい」と長年思っていました。そして本当に来た映画化の噂、依頼されてないけど他者にどうしても取られたくなかったハンスは他の依頼すべて断った状態で配給会社ワーナー・ブラザーズに直談判しました。幸いにも音楽担当はまだ未定で、しかも著名なハンス・ジマーが直々に来たとなったら会社側も断る理由なんてない。そしてハンスはSF映画の歴史でも最高傑作と呼べる映画音楽を製作しました。情熱の半分は仕事ではない少年時代からの夢、『デューン』の世界観を完璧に表現した映画音楽。
 私こういうエピソードに弱いんですよ。だってロマンがあるじゃない。この小説を心から映像化させたい大人たちが集まって、大人の技術と財力で本当に実現させてしまう。これこそ創作の醍醐味じゃないですか。
 今年は1作しか映画館で観れなかったですが、その1作が今作で本当に良かったです。 

【本編に収まらなかったから載せるねコーナー②】

◇今年のnote活動記録

これはね、うん、何もしてなくてごめんなさい(土下座の準備)。

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渡邉綿飴
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