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Q.話し上手になる方法ってない?

A.初対面で会話を交わしたときに、その相手が大変感じの良い人だった確率は非常に少ないものですが、どうしてこうなるかと言えば、(初対面に限らず)誰もが「他人の言っていること」よりも「自分の言いたいこと」を考えているからです。

もしも自分の話を聞いてほしければ、誰よりも人の話に耳を傾けるべきです。

話の順序的に別に言わなくてもいい部分、それどころか丸ごと無駄話ができる自由を、誰よりも人に与えてあげましょう。

会話の場面でよく見られるような話題が反芻したり遮ったりすることなく、反対に相手の考え方や好みについて何かしら興味を持って、相手のことを理解していることを示して、相手の話に関係ありそうな情報を提供し、相手の言うことが(褒めるに値する限り)出来るだけ褒めて、しかもお世辞の喋りではなく、進んで目に留めて褒めているのだと解らせなければいけません。

どうでもいい寄り道にいちいちツッコミ入れず、余計な質問はなるべく慎んで、「自分の方が論理が正しい」とは絶対に思わせないように、そしてオチを決める「おいしい役」は相手に譲らないといけない。

逆に、話すときは自然で分かりやすく、話し相手の気質と傾向に合わせて適度に真面目なことも挟んで、自分の言うことに賛同を迫ることなく、強いては返事を求めることも慎むべきでしょう。

こんなふうに、いわゆる「大人の会話マナー」守るべき条件を満たした上ならば、聞いている人たちに支持されたい気持ちを胸の中に秘めつつ、こだわりなく、また意地を張らずに、自分の意見を述べてもいいでしょう。

自分自身について長々と喋ったり、自分の存在に注目させる行為は避けないといけません。

話を聞いている人たちの傾向や力量を知ろうとする心がけは、いくらあっても足りないぐらいで、これをうまく利用すれば「グループの中で最も頭のいい人」だってなれるし、また「相手の考えを引用する」形で自分の考えを付け加えて述べることも可能です。

扱う話題について語り尽くしてしまわずに、必ず他の人に何か考えさせたり語ったりする余地を残すのも会話において賢明な手段です。

権威あり気に上から目線で喋ったり、事実よりも大げさな言葉や表現を用いることは断じてしてはいけません。

「自説が理に適っている」のならば少々頑張っても構いませんけど、その代わり頑張りながらも決して他人の意見を責め立てたり、他人の言ったことに気を悪くする態度を見せてはいけません。

常に会話の主導権を握ろうとしたり、同じ内容をあまりに何度も話すのは、「会話の煽り運転」と言っていいほどの危険な行為です。

場面ごとに出される楽しい話題のすべてに後先考えず飛び込んで、半強制的に自分の言いたいことの方向へ引っ張り込む行為や素振りは決して見せてはいけません。

どんなに上品でユーモアに富んだ会話でも、あらゆる種類の会話があらゆる種類の相手に同じように耳を傾けるとは限らないことを知って、そして細心の注意を払う必要があります。

それぞれの人にふさわしいワードを即行で選び、さらにはそれを言うタイミングさえも綿密に選ばないといけない。

しかし、話すための技術がたくさんあるとすれば、黙ることもまた劣らぬだけの技術があります。

世の中には「雄弁な沈黙」というものがあって、それはときに相手の意見に賛同したり否認する場面にも役立ちます。

上達すれば「からかう沈黙」「敬意に満ちた沈黙」だって容易く可能です。

同じように、顔つき・物腰・仕草、しばしば会話に愉快さ(もしくは不愉快さ)、楽しさ(もしくは腹立たしさ)をもたらすものがあります。

それらを上手に生かす秘訣は、残念ながらごく僅かな人にしか授けられていません。

その秘訣を持つ彼ら自身だって時々失敗してしまうから、安易に彼らのことを見様見真似してもいけません。

会話が上手になる最も確実な方法は、(あくまで自説ですが)そういうマニュアル的な方法など一切持たず、言うことの中に「気取り」よりもむしろ「無頓着」をのぞかせて、彼らの言葉をひとつひとつ傾聴し、最低限の情報量で簡潔に話して、そして決して無理やりに喋ろうとしないことです。

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【今回の記事で「どこが簡潔だよ」と思ったあなたへ】

こんなダラダラ説教臭え回答を1か月間も書き続ける老害が、お世辞にも「話し上手」なわけないでしょ…。

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【あなたからのご質問、ノージャンルでお待ちしています】

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渡邉綿飴
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