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Q.言霊って信じますか?

A.お笑いやラップ、小説に脚本など言葉にまつわる物に長らく触れてきた身としてはスピリチュアルでない言霊の存在を信じています。

言葉とは単語と接続詞の法則的な組み合わせで無限に生まれる帯状の集合体です。

いわゆる言語と呼ばれる物ですが、言語と言葉の違いって何かと言うと、言葉は文法より韻と響を重視しています。

その言葉だけが持つリズムとイントネーションが、聞いた人のイメージを膨らませて心から笑ったり泣いたりするわけです。

AI研究者でエッセイストの黒川伊保子さんの著書『日本語はなぜ美しいのか』に、こういう記述があります。

サクラ(sakura)は、息を舌の上にすべらせ、口元に風を作り出すsa、何かが一点で止まったイメージのku、花びらのように舌をひるがえすRaで構成された語である。つまり、語感的には、風に散る瞬間の花の象(しょう)を表す名称なのだ。あの花を「サクラ」と呼ぶ私たち日本人は、散り際を最も愛する。

『日本語はなぜ美しいのか』黒川伊保子:集英社新書

我々はその物体や現象を説明する際に、その言葉には意味以上の表現が込められています。

それは伝達するときに聞いた相手の理解が的確かつ機知に導くよう助長する行為を無意識にしているわけですね。

まだ日本語が体系化されてなかった頃、人智を越えた自然現象を「宗教」として世の理を理解していたように、我々日本人は言語学を「言霊」という一種の上位互換な理解をしていたと思います。

元々「風水」が家や町を建てるとき山から海に向かう空気の流れを抵抗ないよう研究する流体力学だったように、「言霊」は二者間で起こる空気振動に法則的な情報性を与えて、やがて「文字」という空気振動を視覚化させて文書に残し、その繰り返しで人類は大きな文明を作りました。

動物も空気や水中の振動に各々の情報性を持たせ、昆虫は触覚と脚部の振動から外部情報を得ます。

だからね、「言霊」ってありますよ。

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渡邉綿飴
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