Q.相手が嘘ついてるかってどうやって確かめたらいいの?
A.確実に仕留めるとなれば、やはり徹底的な理詰めでしょう。
ビジネスの基本テクニック「PDCA」ってあるじゃないですか。
あれって嘘の検証にも有効で、ひとつの質問に相手のひとつの回答。
まず10個の回答を並べると最初と最後のアリバイに少しズレを感じる。
次はズレを中心に10個の質問をすると、やはり最初とかなりズレている。
ましては序盤で「な、なんでそんなこと聞くの!?」とキレていたら、もう怪しさの臭いが充満してますね。
人は隠したい真実に対して、過剰に防衛反応が働くからボロが出やすいです。
しかし、嘘をすべて検証することが正しい行いとは言い切れません。
その真実こそ嘘以上の残酷さがあるかもしれないからです。
たとえば「人生は一期一会、すべての出会いに感謝を」と、親か上司か偉い先生は語りますけれど、あなたは知っていますか。
人間は一生のうち、平均16回ほど殺人犯とすれ違っています。
平均的な大きさの街に住んでいる場合、大まかな計算すると……
毎日10人の人とすれ違う×1年(365日)×世界平均寿命71歳=一生のうち、すれ違う人数は推定26万人。
そして殺人犯は世界平均で10万人に6人という割合らしいので、6×260,000/100,000という計算で、15.6人ほど殺人犯が含まれています。
また、NPR(全米公共ラジオ)の報告によると、「犯罪学者の推定では、1960年代から少なくとも20万件の殺人が未解決で、平均3件に1件は未解決」らしいです。
殺人の文書記録を収集しているジャーナリストで統計データ分析家トーマス・ハーグローブによると、現在逃走中の連続殺人犯は2千人以上いると推定されており、トーマス氏の持つ記録では、1976年から76万件の殺人事件あって、そのうちFBIのファイルに載っていない殺人が2万7千件以上あり、そのうち最低10%は同一人物による犯行とのこと。
こういうご時世ですから国外逃亡の可能性は以前より低いとしても、あなたも人生のどこか出会っているかもしれません。
たとえば休日の晴れた日差しが心地よかったから、近所の公園に散歩して、お昼ご飯に屋台のハンバーガーを食べました。
たとえば仕事から疲れて帰って、自分の大好きな恋愛バラエティー番組を観ました。
たとえば職場でイジメにあってて、もう会社の屋上から飛び降りようか悩むけど、内心では止めてほしいから自殺防止センターに電話しました。
無事に転職も出来て、初めて迎える誕生日。家族や友人から盛大に祝われました。
……これら全て知ってしまった以上、私たち人間はどうやって生きていけばいいのか。
だからこそ、真実を知った上で自分自身を騙す、他人に騙されたふりをするという楽しみ方が人間にはあります。
サンタさんがいなくてもクリスマスには特別な過ごし方をしたり、どこか大企業の戦略と分かりながらハロウィンには仮装したり、もっと根本的に言ってしまえば、いずれ無になる人生を「死」を忘れることで楽しんでいるのです。
アイドルは、そういう楽しみを助ける仕事なんですよ。
「騙しますよ」と約束した期間は、ちゃんと騙してくれないとファンは困ります。
化粧を塗って、雅に舞って、客を騙してこそ芸能の美徳。
あなたの人生にとって利益となる嘘は、そのまま暴かないほうが幸せのまま終われるでしょう。
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