Q.月に行きたいと思いますか?
A.(自称)マブ友の前澤友作が先に宇宙ステーションに行ってしまって、今度は「月に行く」と掲げているので、それまでに行けたら行きたいですねえ。
文化人類学的に見て、古来より「月」は宇宙神秘のシンボルでした。
月は何でこんなにも人の心をワクワクさせるのでしょう。
科学にしろ文学にしろ歴史にしろ、数多ある星々のなかで唯一肉眼で確認できる星「月」に人類は計り知れない想いを馳せたと思います。
月って近そうで見えて遠い印象ですが、実際どれぐらいの距離かご存じですか?
地球と月の直線距離は約38万km。
最高速度300km/hの新幹線こだまで行くと約1266時間、約52日(約2か月)かかります。
一方、太陽との距離は約1億5千万km、新幹線なら約57年という計算です。
生命が存在する可能性がある星の中で地球から一番近い恒星「ケンタウロス座アルファ星」との距離は約4.4光年。
1光年が約9兆5千億kmなので、なんと約1580万年かかるそうです。
月との距離は新幹線の遅さでも約52日。
ものすごぉ~~〜く近く感じませんか!?
国際航空連盟(FAI)の定義によると、地上100kmから宇宙になるらしいです。
この地上100kmを陸地の距離に例えると、わずか東京~熱海間ぐらい。
新幹線こだまの時刻表(2022年3月8日時点)で見ると46分の距離を、人類は500万年以上もかかったんですねえ…!
宇宙まで安定して行ける航空技術を持った今の人類にとって、まさに月はみんなが思うよりも現実的な渡航地なのです。
だから、あともうちょっと…もうちょっとぉ……と少し手を伸ばせば届く距離まで近づいているからこそ、人類は変わらず憧れるのでしょう。
江戸時代の俳人、小林一茶にこういう句があります。
背中に背負わされた幼子が、大空に煌々と輝く秋の満月を指して「お月様を取って」とねだる様子を詠んだ句です。
科学技術に長けた現代において、背中に背負わされた幼子のことを、きっと一茶はこう詠むでしょう。
人類が安定して月に行けるのは、いつ頃なんでしょうね。
南極大陸が南極条約に基づいて「どの国にも属さない領土」のように、月も月面条約に基づいた「どの国にも属さない衛星」になるのでしょうか。
次に人類が月に降り立つ頃には、そんな賢明な判断のできる「とある宇宙人」になれると良いですねえ…。
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