【#002|上映待迄】(2018年09月02日)
職が無いことで、小さい頃から大好きなジュラシックシリーズの最新作『ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年:アメリカ)』を観客が少ない平日昼前の回で観ることが出来た。
ただ上映までの時間は思いのほか長く、チケットを買った映画館を併設するショッピングモールの渡り廊下にあるベンチにて読みかけの文庫を読みながら来る時間を待つことにした。
ジリジリと熱を帯びた日射が天井ガラスから執拗に射し込むことで文庫の白い空白の反射は店内の照明よりも明るかった。私は周りに人がいないことを良いことに普段と違う角度から開いた文庫を見つめていた。
未読の層が2枚、5枚と減っていく過程で10枚目を前に右足のくるぶし辺りから微塵の違和感を感じた。私は追いかけていた字列を視線から捨てて、右足のいる方向の真っ白な床へ移すと履いていたサンダルから露出したくるぶし付近に一匹のアリがさまよっていた。
群衆ではなく単体でいることから私か誰かのズボンかスカート、もしくは誰かが外に一旦置いたカバンにくっついて、そしてアリにとって長い遭難の途中に私の足までたどり着いたのだろう。何とも想像をくすぐる遭難である。
上映の時間までまだ余裕があった私は文庫に栞を挟んで、腰からしゃがみこんで足元のアリを軽く捕まえた。こういうとき虫に抵抗を感じないことに感謝したくなる。
店外に向けて歩きながら甘めのグーの中にアリを閉じ込めて、様々なセミと様々なトラックの騒音で蒸せる野外の地面に大きなパーを差し出してアリを逃がした。
ただしこの近くにアリの群衆は見当たらない。ここから先はアリ自身が頑張らないといけないから、このままこのアリが次どこに向かうのか見ていたいが、ここまで来た道を戻ってちょうど上映が始まる時間になったから、すぐ後ろに人が通っていたけれどアリに別れを告げて映画館に向かった。
入り口前の係員にチケットを切ってもらって、あのアリが帰る穴に入るように私は目的の暗い上映室に入った。
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【螢雪書店[本日の推薦図書]】
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【あとがき】
まだ文体が定まらなくて小説風味です。
あと信じてもらえないかもしれませんが…実は今回の方が書きやすかったです。執筆時間も結構短縮されたので、これが正解なのか…?
記者
「えー渡辺さん、これからはこういう文体でブログを続けるのですか?」
私
「一概に回答できない部分があるので厳重に見守りたいと思います」
カシャカシャカシャ!!!(フラッシュの点滅にご注意ください)
記者
「貴方いつもそうやって責任逃れてるじゃないですか!!」
カシャカシャカシャ!!!(フラッシュの点滅にご注意ください)
……責任逃れがブログを続ける秘訣です(違う)。
また今回は感想記事ではないので、ここでは感想書かないですが…ジュラシック・ワールド面白かったです!
ただね、前もって迫力のある映画を観ると決めているのなら普通の上映室ではなく、もっと音響の効いた専門的な上映室で観たかったです…。たとえ同じ作品でもIMAXとか爆音上映とかMX4D(4DXとの差も楽しみたい)とかTCX&ドルビーアトモスとかでね、今作を観たら2000倍テンション上がったと思うんですよ。IMAXで観た『パシフィック・リム(2013年:アメリカ)』『GODZILLA(2014年:アメリカ)』『シン・ゴジラ(2016年:日本)』がそうでしたし、爆音上映で『マッド・マックス(2015年:アメリカ)』『グレイテスト・ショーマン(2017年:アメリカ)』『バーフバリ 王の凱旋《完全版》(2017年:インド)』を観たらどれだけ興奮が高まることか…(もちろん全て通常上映で観賞済み)。
だから近々観る予定の『MEG ザ・モンスター』は大画面の音響設備が整った遠い映画館に行こうと思います。久々の映画館で観るIMAX映画、すっごく楽しみ…!!(ヨダレ)