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5年振りの浅草サンバ。嬉しさの裏にある疑問点
9月15日。5年振りの通常開催となった浅草サンバカーニバル。開催日を9月にずらして少しは酷暑から逃れられるかと思いきや、全く衰えない暑さの中での開催となった。私は横浜・野毛の町を本拠に置くサウージというチーム(通常エスコーラと呼ばれるが、わかりにくいのでチームと称す)に参加しているが、この数年は撮影担当としてパレードコースを歩いている。
この浅草サンバカーニバルはただの仮装パレードでは無く、きちんとコンテスト形式がとられていて、規模の大きいS1リーグ、小さいS2リーグそれぞれ審査され順位がつけられる。その結果(https://www.asakusa-samba.org/wp-content/uploads/2024/09/judge39_20240915.pdf)を見てもらえるとわかると思うが、どちらのリーグも2位以下は僅差で競りあっている。因みに点数をつける8名の専門審査員はいずれもサンバやブラジル音楽に造詣が深い面々なので、いい加減とか投げやりに採点をすることはあり得ない。それ故に僅差になる訳だ。
パレードの最中に起こる「マナー減点」とは?
さて、もう一度採点表を見て頂きたいのだが、今年のS1リーグでは3位となったウニアン・ドス・アマドーリス(以下ウニアン)に「マナー点」で10点の減点がつけられている。これはマナー違反とされる行為に対してつけられるもので、その要件はいくつかあるようだが、今回は「雷門前のプレスエリア内での撮影行為」だったというが、このルールに我々撮影者はとても気を遣っている。見物する側にはチンプンカンプンなので説明すると、雷門前には新聞やテレビ、その他メディアのカメラマンが並ぶエリアがあって、そこを通過する際にはパフォーマー以外の出場者(スタッフや給水係など)はカメラ列の反対側、つまり雷門側に避けて速やかに通過することが求められる。撮影者についても同様で、ましてやこの区間で撮影することは減点の対象とされる。どうやらウニアンはそれに引っかかったわけだ。
検証のために中継ビデオでそういった行為が無いか確認すると、確かに禁止エリアでカメラを構えているメンバーが認められた。撮影者への周知が足りなかったのか、それとも興奮してつい撮影してしまったのかはわからないが、この減点が無ければ2位に浮上しただけに痛い失態だったことは間違いない。
ルール違反の見落とし
ところがだ。検証のため全チームのパレードを見てみると、なんとさらに3チームでこのルール違反を犯しているのが確認できた。このうち1チームは減点となれば順位の入れ替えが起こるケースだった。ここで問題としたいのは、いったい誰がこのルール違反(プレスエリア内での撮影)を認め、減点を決定するのかという点だ。今回、合計4チームが違反をしているとあれば、スタッフ側の見落としも甚だしいといわざるを得ない。更にいえば、そんな見落としやすい違反に対して「10点」の減点というのはちょっと大きすぎるのではないか。先日の通り各チームの得点は僅差で並んでいるだけに「10点」は大きすぎるしバランスを欠いていると思うのだ。各チームそれぞれこの浅草サンバカーニバルに向けて1年間をかけたものすごい準備を重ねている。その採点においてこんな杜撰な減点が与えられるのはどうにも理解しがたい。
改善のための提案3項
そこで、この部分については是非以下の提案を運営者に申し上げたい。
1)撮影禁止となるプレスエリアでの撮影が認められた場合、直ちにスタッフが止めに入る。
→毎年歩きながら沿道を見ていると、ただ沿道にしゃがみ込んでいるだけのスタッフが相当数いる。おそらく沿道警備ということだと思うが、そこから4名ほど抜き出しても全く問題はなさそうだ。違反を減点で罰するのでは無く、間違いは穏やかに正すという気持ちが大切だと思うのだが。
2)スタッフの注意を聞かず撮影を継続したり反抗した場合は、従来通りの減点対象とする
→「これまでもそうしている」という声が上がりそうだが、録画での検証を見る限りスタッフが注意している姿は皆無だ。
3)2)のような状況であっても、減点は5点に留める
→やはり380点という総得点の中で10点は大きいし、各チームの差が僅かであることを考えると5点程度が適当かと考える。
こんなSNSでの書き込みが運営側に届くかはわからないが、何とかして耳に入れたいと思っている。なにか名案がある方は是非お知らせください。
(トップの写真はサウーヂのバテリア(打楽器隊)。違反位置からの撮影ではありません)